話題のマンガの魅力を担当編集が語る「マンガ質問状」。今回は、アニメ化された「涼風」や「君のいる町」などで人気の瀬尾公治さんのマンガ「風夏」です。週刊少年マガジン編集部の藤井誠さんに作品の魅力を聞きました。
ウナギノボリ
「光る君へ」より昔! 最も古い時代の大河ドラマは? 1976年「風と雲と虹と」のあらすじ
−−作品の魅力は?
内気な性格の主人公・優が台風のような少女・風夏と出会って人生が変わっていく青春譚です。しかし、ヒロインであり一緒に組んだバンドのボーカルであり恋人にもなった風夏が突如交通事故で死んでしまう!という衝撃展開で、ありがたくも話題にあげていただきました。一転、どん底に突き落とされた優がこれからどんな物語を紡いでいくのか……圧倒的絶望からの進む道を楽しんでいただければと思います! 瀬尾先生の美麗な絵もお楽しみください!
−−作品が生まれたきっかけは?
瀬尾先生の前々作「涼風」の主人公夫婦の娘である風夏の物語を描こう……という考えは瀬尾先生の中でずっとお持ちだったようです。前作「君のいる町」の連載が終了する際に、「『君町』の最終回と同時に新連載の第1話を掲載しよう!」という話になったんです。そこで「しかもその新連載は前々作『涼風』の娘の話だ!」となれば話題にもなるしファンの方にも喜んでいただけるかなと。そうしてこの「風夏」がスタートしました。
−−ヒロインの悲劇が話題になりました。最初から織り込み済みでしたか?
実は、当初は何らかの形で風夏が記憶喪失になる展開、というのを瀬尾先生からうかがっていました。なので、死の構想が最初からあったわけではありませんでした。しかし物語が進むにつれて、それはこの「風夏」でしかできないことではないんじゃないか、という話になって。そこから、どうすれば「風夏」を最高の物語にできるんだろうか、と打ち合わせしていく中で瀬尾先生からご提案いただいた……という経緯でした。
−−編集者として作品を担当して、今だから笑えるけれどそのときは大変だった……、もしくはナイショのエピソードを教えてください。
第1話の形がなかなか見えてこなかったことでしょうか……。前作「君のいる町」の最終回と同時掲載させるという事情や、「君町」のアニメ関係のお仕事などで瀬尾先生がとてもお忙しい時期だったんです。通常、新連載は半年前には第1話が何となく固まっていることが多いんですが、「風夏」の場合は2カ月前になっても影も形もなかった……。その後もネームが全ボツになったりと連載開始までギリギリの戦いが続きました。今となってはこういう場で話せる良いネタですが(笑い)。
−−皆が気になる今後の展開は?
ヒロインが死ぬ。しかも前々作の主人公夫婦の娘が! ということでかなりショックを受けられた読者の方もいらっしゃるかと思います。しかし、当然ながらこの風夏の死は意味のないものではありません。あの時風夏が死んでいたからこそ、こんなにも最高の物語になったんだ。この作品が完結した時にそう思っていただけるような展開になっていくはずです。期待してお読みいただければと思います。
−−読者へ一言お願いします。
衝撃の展開で、いろいろなご意見・ご感想をいただいていますが、これからの「風夏」という物語の目撃者になっていただければ幸いです。「涼風」「君のいる町」含め、瀬尾先生ファンの方々にもうれしいイベントも控えておりますので(もう少しでご報告できると思います)、これからも応援していただければうれしいです! ありがとうございました!
週刊少年マガジン編集部 藤井誠
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