ドラゴンボールDAIMA
第11話 デンセツ
12月23日(月)放送分
劇場版アニメ「TATSUMI マンガに革命を起こした男」(エリック・クー監督)が15日に公開される。今作は“劇画”の生みの親であるマンガ家・辰巳ヨシヒロさんの自伝エッセーマンガ「劇画漂流」(青林工藝舎)と代表的な短編5作が原作で、大人が読めるマンガ「劇画」を作り出し、高度成長期の日本の光と影を描き続けた作者の半生を描いている。俳優の別所哲也さんが一人6役で各キャラクターを演じ、戦後日本の歩みも含めた独自の視点で劇画の黎明期(れいめいき)を描き出した。
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戦後間もなく、マンガを描くことに熱中していた少年・辰巳ヨシヒロは、憧れの手塚治虫との出会いを機にマンガ家になることを決意。出版社に認められてデビューを果たし、貧しい家計を支え、順調なスタートを切った辰巳だったが、子供向けで笑いの要素が中心のマンガのあり方に疑問を感じる。1957年、22歳となった辰巳は大人向けに写実的な描写と動きのあるコマ割りで描く手法“劇画”を確立し……という展開。
今作は劇場アニメだが、一般的に連想されるアニメとは少し趣を異にしており、劇画を生み出した辰巳さんのタッチをかなりの再現率で表現している。これだけでも一見の価値があり、海外では高い評価を得ている辰巳作品の素晴らしさを十分に感じることができる。映画では短編5本が挿入され、戦後の復興や高度成長など急激に変化する時代の中で、流れに取り残され戸惑いながらも泥くさく生きる市井の人々の生きざまが描かれる。誰もが幸せを願っているのにかなえられず、鬱屈(うっくつ)とした閉塞(へいそく)感に包まれ、痛みや闇といったものが打ち寄せてくる中、それでも夢を見て力強く生きる人間の姿がスクリーンから迫ってきて圧倒される。15日から角川シネマ新宿(東京都新宿区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)
<プロフィル>
えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。
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