リン・ユーチュン:冬の歌を集めたカバー集リリース「真夏に冷房を一番強くして録音した」

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 台湾出身の歌手、リン・ユーチュンさんが、ウインターソングを集めたカバーアルバム「WINTER GIFT~リン君からの贈り物~」を5日にリリースした。リンさんは、テレビ番組内の採点カラオケバトルで、May J.さんやさくらまやさんと激戦を繰り広げて注目を集め、最近は日本での活動を意欲的に行っている。番組の人気コーナーでもあるカラオケバトルのエピソードや、山下達郎さんの「クリスマス・イブ」などの冬の名曲の数々を収めた新作について、リンさんに聞いた。

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 −−台湾のオーディション番組「Super Star Avenue(超級星光大道)」に参加したのが歌手になったきっかけだそうですが、その頃から蝶(ちょう)ネクタイにおかっぱ頭という格好をしていたそうですね。

 私はもともとこういう(ぽっちゃりした)体で、着られる服が少なかったので、スーツもわざわざ作ってもらって。それで、ネクタイをするのはサラリーマンっぽくてあまりよくないので、蝶ネクタイにしたんです。おかっぱは、ちょうどオーディションに参加する前にこの髪形にしようと思いついて。全部偶然だったんです。おかげで中学生ぐらいに間違われることもあります(笑い)。

 −−日本のテレビ制作スタッフが、そのオーディションの映像をYouTubeで見たのが、採点カラオケバトルに出るきっかけにもなったそうですが、日本にはもともと興味があったんですか?

 そうですね。日本のアニメ、ドラマ、テレビ番組は大好きです。小さい頃のアイドルは「ドラえもん」だったし、アニメも「ちびまる子ちゃん」「ドラゴンボール」「幽遊白書」「NARUTO ナルト」「ONE PIECE」、全部大好き。ドラマ「家政婦のミタ」(日本テレビ系)も大好きで、松嶋菜々子さんは一番好きな女優さん。彼女が出演しているドラマはだいたい見ています。

 −−採点カラオケバトルでは、May J.さんやさくらまやさんと対戦していますね。実際に戦ってみていかがですか?

 さくらまやさんは日本の伝統的な(演歌の)コブシの歌い方、May J.さんは、ちょっと“泣きボイス”が入っている歌い方で、すごく勉強になってます。もちろんライバルでもあり、友達みたいな感じでもあるんですが、本番になったらやっぱり全力を出して勝ちたいという気持ちがあります。私は負けず嫌いなところがあって、対戦する前は毎回すごく練習していて、日本にいる時は毎週3、4回ぐらいカラオケに行って、毎回3、4時間ぐらいは歌ってます。負けても後悔はないんですが、やっぱり悔しい。特にMay J.さんにはいつも少しの差で負けてるので、1回は勝ちたいですね。

 −−カラオケでの対決を通して、対戦相手と仲よくなったり親交が深まったりすることは?

 お互いのCDを交換したりしていまして、意見交換をしたり。May J.さんには「いつも全力で歌っていて、ボリュームのある声がすごく好きだ」と言ってもらいました。私も彼女の優しくてキレイな声がすごく好きで、彼女が歌った「Let It Go」が全世界のバージョンの中で一番好きです。毎回彼女たちとコミュニケーションをとりながら仲よくなって、バトルをしながら歌の勉強もさせていただけますし、この番組は最高だと思いますね。

 −−今回の新作についてお聞きしたいのですが、日本で広く知られる冬の歌のカバー集ということで、これらの楽曲は歌う前からご存じでしたか?

 全部知っていました。特にMISIAさんの「逢いたくていま」は、ファンの皆さんからのリクエストがとても多く、しかも私が一番好きな曲。MISIAさんは大好きですね。それと、イルカさんの「なごり雪」は、冬の感覚をつかむためにレコーディングスタジオの冷房を一番強くして……。スタッフたちは(寒すぎて)すぐ出たりしていました(笑い)。あとはクリスマスツリーを飾ったり、夜の雰囲気がほしい場合はライトを暗くしたり。どの曲も100回以上(原曲を)聴いて、まず曲を理解してから自分の歌い方にしていきました。

 −−レコーディングをしたのは恐らく夏ごろですよね。

 そうですね。外に出ると暑いから沖縄の曲を歌いたくなったりして、でもレコーディング作業に戻ったらまた冬の曲を歌うので、冬の気分に切り替えて。私は暑がりで汗っかきなので、もし今後、夏の曲を収録するとしても、暖房はつけないと思います(笑い)。今回はクリスマスや冬に関する曲なので、寒い中、これを聴けばきっと温かな気持ちになりますよ。

 −−ところで、リンさんの理想のクリスマスの過ごし方は?

 日本で“ホワイトクリスマス”を過ごしてみたいです。台湾は日本より南の方にあって、雪が降らないので。採点カラオケバトルの収録の前日に、カラオケで(課題曲である中島美嘉さんの)「雪の華」を練習して、「雪の華」の気分になっている時に、カラオケから出たらちょうど初雪が降ってきて……。「すごい!」と思いました。

 −−リンさんから見て、日本にはどんな魅力がありますか?

 日本の食べ物はおいしい、日本人は優しい、日本での生活は楽しい。だから日本大好き! 好きな日本の食べ物は、焼き肉、しゃぶしゃぶ、おすし、ちゃんこ鍋、ラーメン、ギョーザ……。いっぱいありすぎて難しいね(笑い)。スタッフの家にホームステイして、ステーキや台湾の伝統的なチキンのスープ、パスタとかを作ったり。スタッフのお母さんにも家に来ていただいて、(魚の煮付けや炊き込みご飯などの)日本の伝統料理を作っていただいたんですけど、すごく貴重な体験でおいしかった。これからも日本で頑張りたいと思っていますので、ぜひ応援してください!

 <プロフィル>

 1986年3月9日生まれ、台湾出身。2010年、台湾のオーディション番組「Super Star Avenue(超級星光大道)」に出場。日本では、12年から出演しているテレビの採点カラオケバトルで話題を集め、13年にバラードカバーアルバム「Ballad Show」をリリース。リンさんが初めてハマッたポップカルチャーは、「ドラえもん」のコミックス。「4、5歳の頃から7、8年間ずっと、クリスマスには、サンタクロースにドラえもん(の本)をくださいってお願いしてました。100冊以上の(関連)本が家にあります」と話した。

 (インタビュー・文・撮影:水白京)

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