声優として活躍するタカオユキさんがボーカルを務めるユニット「みみめめMIMI」が、自主企画イベント「視聴覚アカデミー」を10日、東京・原宿アストロホールで開催した。同イベントは「さまざまなことにチャレンジしていく場所を作りたい」とタカオさん自身が企画したもので、ゲストに6人組声優アイドルユニット「i☆Ris(アイリス)」を迎えたユニークなイベントとなった。
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最初に行われたのは“朗読”だ。みみめめMIMIのアルバム「迷宮センチメンタル」の初回盤特典として封入されていたオリジナルノベル「憧れパンデミック」の続編を、i☆Risのメンバーの茜屋日海夏(あかねや・ひみか)さんとともにタカオさんが朗読。タカオさんと茜屋さんは、アニメ「ノラガミ」で共演して以来の友人で、朗読の前には一緒に遊びに行ったときの話をするなど、仲の良さを見せていた。朗読では迫真の演技を見せ、集まったファンを“声”で魅了した。
終演後、タカオさんに朗読の感想を聞いたところ「最初は緊張しましたが、読んでいるうちに物語に入り込むことができました。友だちとの会話が中心になっている物語だったので、ヒミタス(茜屋さん)に対する感情と重なって共感する部分も多くて、気持ちを込めることができました」と話していた。
朗読のあとは、i☆Risのライブ。彼女たちのファンも数多く詰め掛けており、ライブが始まると一斉にカラフルなペンライトの光が場内を照らした。「みんな平日の夜に集まってくれて、ありがとう。会社や学校に疲れてくるころだと思いますが、そんなのぶっ飛ばして盛り上がろう!」と、リーダーの山北早紀さんが会場に呼び掛けた。この日は、メンバー全員が声優として主要キャストを務めているアニメ「プリパラ」のオープニングテーマ「Make it!」や「ミラクル☆パラダイス」など5曲を披露。元気いっぱいにステージを駆け回りながら、ポーズを決め、6人それぞれの魅力全開。ファンもアイドル特有の掛け声「MIX」を大声で叫び、全力で応援していた。
最後に、みみめめMIMIのライブが行われた。人気曲「センチメンタルラブ」や「瞬間リアリティ」などを披露。キーボードを弾きながら歌い、ときにハンドマイクで踊りながら歌ったタカオさんは、ノリのいいナンバーだけでなく、しっとりとした曲で観客を魅了した。ファンはペンライトを揺らしながらジッと聴き入る場面も。この日のために作ってきたという新曲「1,2,少女」も披露。「勇気がなくて、なかなか一歩を踏み出せないときってあるよね。そんなときは、ワン、ツー、スリー!って気持ちで勢いをつけて、新しいことにトライしたい。そんな気持ちで作りました」とタカオさんはMCで説明。アップテンポで楽しい応援歌で、タカオさんは三角の旗を振りながら歌った。
実は「1,2,少女」は未完成だったという。「曲の構成がざっくりとした1番と2番しかなくて、歌詞も未完成な状態。みんなの反応を受けて、歌詞を変えたり、メロディーを書き足したりして、完成に近づけていこうと思います。次回以降、この曲がどうなっていくのかも、楽しみにしていてほしいです」とタカオさんは終演後、話していた。そして、イベントの最後には再びi☆Risのメンバーを呼び込んで、アニメ「ワンピース」の主題歌「ウィアー!」をコラボで披露した。会場全体の大合唱に、うれしそうな7人は肩を組み、最後には抱き合って、イベントの成功を喜んでいた。
この夏に、みみめめMIMIのボーカルがタカオさんであることを明かして以来、積極的にライブ活動を続けているみみめめMIMI。「2014年は、本当の意味でのスタートを切った年だった」と振り返ったタカオさん。来年は、「音楽ジャンルにもライブスタイルにも、なにものにも縛られない、みみめめMIMIというジャンルを確立できるように、いろんなものにトライしていきたいです」と抱負を語った。
また、個人的には「山手線を歩いて一周してみたいですね(笑い)。歩くのが好きだし、散歩しながらメロディーが浮かぶことが多いので、山手線を1周したら、いろんな曲ができそうで楽しみです。あと、買ったはいいけどまだ使っていない機材があるので、音楽家として機材関係も使いこなせるように頑張りたいです。声優、歌手を越えて、クリエーターとして何かを生み出していく存在になれるように頑張ります!」と話した。
イベント「視聴覚アカデミー」は、15年3月3日に第2回の開催が決定。毎回来場者には「みみめメダル」というメダルが配られており、集めると今後何かとてもいいことがあるとのこと。また会場では、タカオさんがセーラー服を着た写真が封入された限定グッズの販売もあるなど、みみめめファンには実にレアなお祭りイベントとなった。同イベントは、アニメや声優といった範囲は限定していないといい、朗読が次回あるかどうかも未定。毎回来場しないと何があるか分からない、ビックリ箱のような個性的なイベントになりそうだ。(リポート・文:榑林史章)