小西遼生:シェークスピア喜劇に「面白さと難しさを感じる」 舞台「十二夜」制作発表

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 俳優の小西遼生さんが6日、東京都内で行われたシェークスピアの舞台「十二夜」の制作発表に登場した。オーシーノ公爵を演じる小西さんは「せりふが難しくて覚えるのが精いっぱいな感じもある」と苦労を明かした。そして「作品を通してお客さんに楽しんでほしいけれど、自分自身に問いかけてくるようなものを感じている」と心境を語り、「すてきな先輩方もたくさんいらっしゃいますので楽しみに稽古(けいこ)に行き本番を迎えたい」と意気込んだ。

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 今作は、シェークスピア喜劇の中でも最後のロマンティックコメディーといわれ、船の遭難で離ればなれとなった双子の兄妹を中心とした人々の間で巻き起きる“勘違い”と“片思い”の物語を描いている。ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー(RSC)名誉アソシエイトディレクターを務めるジョン・ケアードさんが演出を手がけ、元宝塚歌劇団トップスターの音月桂さんがバイオラとセバスチャンの2役、女優の中嶋朋子さんが伯爵令嬢オリビア、俳優の橋本さとしさん執事マルボーリオを演じる。

 小西さんは「ジョンの演出するシェークスピアの作品に出演できることをとてもうれしく思う」と笑顔を見せ、稽古が始まって1週間という状況で「キャラクターはみんないたって真剣だけれども、思いの交錯というか重ならない追いかけっこしているような部分や、複雑に入り乱れていてとても面白い」と今作の魅力を説明。そして、「喜劇と聞くと(吉本)新喜劇のように面白おかしくやっているようなものを思い浮かべやすかったが、真剣に役に向かっていけば、その作りが勝手に喜劇になっているというか、そこに臨める楽しさを感じている」と充実感をにじませた。

 会見には音月さん、中嶋さん、橋本さん、ケアードさんも出席。宝塚退団後初めて男役を演じる音月さんは、「稽古で男役がちょっとずつよみがえってきている」と話すも、「今は女性を演じる方が好き」と笑顔で語った。中嶋さんは「いつまでお姫様をできるのかなと」笑いながら自虐的に突っ込み、橋本さんは「シェークスピアとは誕生日が一緒で、一方的にものすごく縁を感じている」と語り、笑いを誘った。

 小西さんは「シェークスピアのせりふには感情というものはなく、もともとは韻で踏まれているものという言葉の美しさで聞かせる部分が多い」と解説。続けて、「言ってみた時に初めて気づくこともあり、面白さと難しさをやればやるほど感じる」と語った。舞台は3月8日から東京・日生劇場で上演されるほか、大分・iichiko総合文化センター、大阪・梅田芸術劇場メインホールなどで上演予定。(遠藤政樹/フリーライター)

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