注目映画紹介:「アメリカン・スナイパー」 印象深い主人公のまなざし…イーストウッド監督が戦場の狂気描

「アメリカン・スナイパー」のワンシーン (C)2014 VILLAGE ROADSHOW FILMS(BVI)LIMITED,WARNER BROS.ENTERTAINMENT INC.AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
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「アメリカン・スナイパー」のワンシーン (C)2014 VILLAGE ROADSHOW FILMS(BVI)LIMITED,WARNER BROS.ENTERTAINMENT INC.AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

 映画「ジャージー・ボーイズ」(2014年)に続くクリント・イーストウッド監督の最新作「アメリカン・スナイパー」が21日、公開される。03年に始まったイラク戦争で4回にわたって戦地に赴き、その常人離れした狙撃の精度から「伝説の狙撃手」と呼ばれた男の半生を映像化した作品で、22日(日本時間23日)に発表される「第87回アカデミー賞」で、作品賞や主演男優賞など6部門でノミネートされたことも話題を集めている。

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 「アメリカン・スナイパー」は、13年に不慮の事故で38歳で亡くなった元米国軍人のクリス・カイルさんの自署「ネイビー・シールズ 最強の狙撃手」(原書房)を基に、イーストウッド監督が映像化。自らプロデューサーとして原作本の映画化権を獲得した米俳優のブラッドリー・クーパーさんが主演を務めた。テキサス州に生まれ育ったカイル(クーパーさん)は、カウボーイになる夢を捨て、愛国心から軍人を志願する。過酷な訓練を経て、特殊部隊ネイビー・シールズに狙撃手として配属されると、愛する家族を残して、イラクへ。最初の戦闘で大きな戦果を上げると、カイルはいつからか「伝説の狙撃手」として味方から英雄視されるようになる……というストーリーだ。

 国と愛する家族を守るためとはいえ、時として子供や女性までも狙撃の対象としなければならない戦場の狂気にとりつかれた主人公。常に苦悩と葛藤しながら、それでも仲間が一人また一人と傷つき倒れていくのを見逃せず、戦地へと向かうことをやめることができなかったそのまなざしが印象に残った。今年度の「アカデミー賞最有力」と呼ばれるにふさわしい重みのある作品。映画は21日から全国で公開。(山岸睦郎/毎日新聞デジタル)

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