21日に膵臓(すいぞう)がんのため死去した歌舞伎俳優の坂東三津五郎(本名・守田寿=もりた・ひさし)さんの本葬が25日、東京・青山葬儀所で営まれ、一般ファンを含め5000人が詰めかけ、三津五郎さんに最後の別れを告げた。
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喪主を務めた長男で歌舞伎俳優の坂東巳之助(みのすけ)さんは「正直に申しますと、まだまだたくさん教えてもらわなければならないこともございましたし、まだまだたくさん一緒に楽しい思いをしたかった」と語った。また、弔辞に立った尾上菊五郎さんは「あなたは本当に若手を可愛がって育ててくれた。君のまいた種が花咲き、実をつけて、これからの歌舞伎を背負って立ってくれると思うと非常に楽しみです」と語り掛け、「巳之助君もきっと立派な役者にしてみせます」と約束した。
さらに、菊五郎さんは「君はお城が好きで、自分の番組も持っていた。姫路城が好きで、彦根城が好きでしたけど……あなたは本当にホステス嬢、キャバクラ嬢も好きでした。どうか向こうの世界のネオン街で良い店を探しておいてください。私が行ったら良い店を紹介してください」とジョークを交えて語り、「本当に今までおつかれさまでした。ありがとう」と別れを告げた。
中村吉右衛門さん、市川海老蔵さん、中村勘九郎さん、中村七之助さんをはじめ、映画「武士の一分」(2006年)で共演したSMAPの木村拓哉さんや檀れいさん、山田洋次監督ら歌舞伎関係者以外の著名人も多数参列した。三津五郎さんと親交のあった落語家の林家正蔵さんは「(自分は)出来の悪い弟分。まさかこんなに早く……」と涙をこらえるように話し、檀さんは「どうぞ見守ってください」と大粒の涙を見せた。
また、遺骨を乗せた車が出発する際には、詰めかけたファンから「大和屋!」「十代目!」「日本一!」と最後の掛け声が飛び、「さみしいよ」と別れを惜しむ声が漏れた。
尾上菊五郎▽中村吉右衛門▽市川海老蔵▽鳩山由紀夫夫妻▽三田寛子▽中村獅童▽山田洋次監督▽木村拓哉▽壇れい▽林家正蔵▽コシノヒロコ▽中村勘九郎▽中村七之助▽柄本明▽池上季実子▽八千草薫▽三田佳子▽要潤▽仁科亜季子▽前田愛▽片岡愛之助▽矢作兼(おぎやはぎ)