注目映画紹介:「サムライフ」三浦貴大主演 元高校教師と仲間が夢と信念を持って歩む姿が爽やか

(C)2015「サムライフ」製作委員会
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(C)2015「サムライフ」製作委員会

 元高校教師が元教え子と仲間になって奔走しながら理想の学校作りを目指す実話を基に描いた「サムライフ」(森谷雄監督)が28日から公開される。「侍学園スクオーラ・今人」創立者の長岡秀貴さんが書いた同名の書籍が原作で、実際に学園がある長野県上田市でオールロケが行われた。主演は「永遠の0」(2014年)などに出演した三浦貴大さん。

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 ナガオカ(三浦さん)は高校教師になったが、理想の学校を作る夢のために5年で退職。27歳で通帳残高は725円となった。学校設立資金のためにショットバーを開店。そこへ、元教え子の4人が集まってくる。資金調達のために、自伝を自費出版することも決まり、地道な書店営業や講演会などによって、本の売れ行きも好調。いつしか5人は一致団結して夢へ向かって突き進んでいく。そんな折、ナガオカが以前から相談に乗っていた学校に通えない少女の家で問題が発生。責任を感じたナガオカは追い込まれ、学校作りをあきらめかけるが……という展開。三浦さんのほか松岡茉優さん、加治将樹さん、柾木玲弥さん、山本涼介さんらが出演。

 夢と信念を持って人生を歩む人間は強いが、そこに仲間がいれば一層のことだろう。学校を作るという目標に向かって元教師と元教え子が仲間となって突っ走る青春群像劇を見ていると、なおさらそんな思いにかられてくる。主人公のナガオカは、バイタリティーあふれる男。その根底には、半身不随になった過去と恩師との約束があり、また、若さも大いに原動力となっている。そんな魅力ある人物の元に集まる元教え子たちは、これまで自分の力を出せない苦さを感じていて、ナガオカの夢に乗っかることで、力を発揮していく。みんなが平等に同じ位置に立つ人間関係によって、大きな力が育まれていく姿が爽やかだ。個性も見た目もバラバラな教え子の配役が絶妙で、一つの輪が出来上がっている。このすてきな実話を映画化したのは、ドラマ「天体観測」(2002年)や「ぶどうのなみだ」(14年)など、長年数多くのテレビドラマや映画のプロデューサーとして活躍してきた森谷監督。これが長編映画デビュー作となった。映画は28日からヒューマントラストシネマ渋谷(東京都渋谷区)ほかで公開。(キョーコ/フリーライター)

 <プロフィル>

 キョーコ=出版社・新聞社勤務後、映画紹介や人物インタビューを中心にライターとして活動中。趣味は散歩と街猫をなでること。街で個人経営の小さな書店さんが減って寂しい。今作では、無名の著者の本を置いてくれた書店さんの協力も感動的でした。

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