関西文化を代表するエンターテインメント、上方漫才を戦後支え続けた伝説の番組「上方演芸会」(日曜午後3時半、NHKラジオ第一)。その特別企画「朝まで上方演芸会」が、20日深夜0時10分(FMは深夜1時10分)から午前5時まで放送される。昔からの演芸好きはもちろん、若いお笑いファンも必聴の企画だ。
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「上方演芸会」は「BK」(コールサインJOBKの略)の愛称で親しまれているNHK大阪放送局が制作。戦後の混乱期に笑いをと、1949(昭和24)年に始まった、放送開始から65年という超長寿番組だ。
開始から今までこだわり続けているのが「新作主義」。「漫才の番組でまた同じネタ」は、この番組にはない。ネタはすべて、この放送のために作られた新作だ。なぜ新作にこだわったのか。NHK大阪の現在の制作担当、熊谷岳志さんは、「漫才の持つわい雑さを切り捨てて、放送に適したものを作ろうとしたのでではないか。また、持ちネタを放送すると、『そのネタ知ってる』と言われてしまう。放送で新作を演じてもらうことで、持ちネタをすり減らすことがない、ということもあったと思います」と話す。
放送の数カ月前から出演交渉が始まり、決まると台本を発注し、細かい打ち合わせ、そして本番と、準備も大変だが、そのお陰で、話芸で客をうならせる「しゃべくり漫才」の伝統を支え、現代の若手にも伝えることができた。
熊谷さんの父、熊谷富夫さんは、長年「上方演芸会」など演芸番組を担当した元NHKディレクターで、日本笑い学会副会長も務め、昨年亡くなった。岳志さんは「番組がたびたび打ち切りになり、その時、父が署名を集めて番組を守ったんだと、演者さんからあとから聞きました。父から『台本は演者さんに渡す前に、ちゃんと直して、面白くしてから渡さないと。出る方に迷惑になってはいかん。台本ありきで作っている番組だから、徹底的に台本を作るところから始めないと』と言われたのを覚えています」と話す。
番組内容は、まず午前0時台は「上方演芸会の始まりと夢路いとし・喜味こいしの漫才」。出演回数でダントツの1位、「いとこい」漫才と番組の歴史を振り返る。
午前1時台は「ライブ!できたての新作漫才」。この特別企画のための新作漫才を、ザ・ぼんち、酒井くにお・とおる、海原はるか・かなた、Wヤングが演じる。午前2時台は「生ラジオドラマ「ある日の上方演芸会」(大池晶・作)。普段の収録はどのように行われているか、酒井くにお・とおる、チキチキジョニー、ザ・ぼんちらが自分の役を演じる。3時台は「徹底トーク 上方演芸会と私の芸人人生」。宮川大助・花子、今いくよ・くるよ、正司敏江さん、横山ホットブラザーズまことさんが出演。長年司会を務めた井上善夫さんも出演。
そして4時台は「ライブ!次世代の巨匠」。上方漫才の若手・中堅、シンデレラエキスプレス、シンクタンクらが出演する。番組のアンカーは演芸好きな比留木剛史アナウンサー。生放送なので、何が飛び出すかわからないのも楽しみだ。(油井雅和/毎日新聞)
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