「エクスペンダブルズ2」(2012年)などに出演したスコット・アドキンスさんと、アクション俳優のケイン・コスギさんがダブル主演を務めた映画「ニンジャ・アベンジャーズ」(アイザック・フロレンティーン監督)が28日に公開される。妻子を殺され復讐(ふくしゅう)に燃える男の姿を描くバトルアクション。世界で忍者ブームが再燃しつつある中、アドキンスさんとコスギさんらが鍛え抜かれた体で繰り出すアクションの数々が熱い。格闘技アクション映画には定評のあるフロレンティーン監督の演出に注目だ。
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日本で甲賀流忍者の修業を極めた米国人のケイシー・ボウマン(アドキンスさん)は、甲賀道場の跡取り娘である武田波子(肘井美佳さん)と結婚する。平穏な生活を送っていたある日、ケイシーが留守の間に何者かの襲撃を受け波子が惨殺される。その後、ケイシーはタイで道場を経営している兄弟子の中原(コスギさん)に誘われタイへ。ケイシーはそこで甲賀道場の武田師匠のライバルだった男の弟・ゴロー(菅田俊さん)の武器が、波子を殺害したものと同じ「鎖分銅」だったことに気づき、かたき討ちに向かう……という展開。
見どころは、なんといっても鍛え上げられた肉体で、素速いアクションをこなすアドキンスさんと、撮影中は体脂肪率を4%まで絞ったというコスギさんのアクションシーンに尽きる。そのシーンは、アクションには並々ならぬこだわりを持つフロレンティーン監督の情熱がほとばしり、1カットが長尺で迫力も十分。本当に戦っている雰囲気がひしひしと伝わってくる。最近ではコンピューターグラフィックス(CG)やワイヤを駆使したアクションも多い中、今作ではそういった技術を使わず、生身によるアクションのすごみを表現。想像をはるかに超えるアクションに圧倒される。米国人が考え出す少し奇抜で不思議な忍者や日本の風景の描写も面白く、往年の米国の“なんちゃってニンジャ映画”を思い起こさせる。それにしても、コスギさんは特撮ドラマ「忍者戦隊カクレンジャー」の出演経験もあるなど、忍者になにかと縁のある人だ。ヒューマントラストシネマ渋谷(東京都渋谷区)ほか全国で順次公開。(遠藤政樹/フリーライター)
<プロフィル>
えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。
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