注目映画紹介:「エイプリルフールズ」「リーガルハイ」コンビによるウソだらけの強烈コメディー

(C)2015フジテレビジョン
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 人気ドラマ「リーガルハイ」(フジテレビ系)の脚本を手掛けた古沢良太さんと演出を務めた石川淳一監督がタッグを組み、女優の戸田恵梨香さんや俳優の松坂桃李さんら豪華な顔ぶれのキャストを迎えた映画「エイプリルフールズ」が1日に公開された。今作は、古沢さんにとって映画「キサラギ」(07年)以来のオリジナル脚本。4月1日のエイプリルフールに何気なくついたうそがさらにうそを呼び、あちこちで巻き起こる騒動を複数のエピソードをからめながら描いている。戸田さん、松坂さんほか、ユースケ・サンタマリアさん、小澤征悦さん、菜々緒さん、大和田伸也さん、寺島進さんら豪華キャスト27人がそれぞれ個性的なキャラクターを演じ、先が読めない展開で楽しませてくれる。

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 2015年4月1日のエイプリルフール。1年に一度だけうそをついていいとされている当日、対人恐怖症の清掃員・新田あゆみ(戸田さん)は、一夜限りの関係を持った外科医・牧野亘(松坂さん)に妊娠を告白。亘はエイプリルフールだからと取り合わないため、あゆみは亘のいるイタリアンレストランへ向かう。一方、亘はキャビンアテンダントの麗子(菜々緒さん)とランチを楽しんでいた。時を同じくしてさまざまな人がバラバラに小さなうそをつき、次第にうそ同士がからみ合っていく……というストーリー。

 豪華すぎるキャストと人気脚本家による、うそをメインに据えた作品ということで、思い切り期待しながら見たが、その期待を裏切らないどころか、想像以上に楽しめた。基本路線はコメディーなのだが、笑いだけでなく、ほっこりさせられたり、ほろりとさせられたり、はたまたときめきを感じさせられたりと感情を揺さぶられる。一見バラバラに起きてオムニバス形式で進んでいくストーリーは、ツッコミどころ満載の設定が多いが、まるでジグソーパズルのピースがはまるかのように伏線の数々が回収されていく展開は痛快だ。「リーガルハイ」コンビの作品だけあってハイテンポでちょっと皮肉が利いた大仰なせりふ回しで、出演者もストーリーも多彩なこともあって、上映時間はあっという間に過ぎていく。個人的にはエピソード数をもう少し絞ってもよかったのではと感じるが、総合的には脚本とキャストのアンサンブルが素晴らしく、肩の力を抜いて楽しめる。可能であればエイプリルフール当日に観賞するとしゃれが利いているのでは。TOHOシネマズ日本橋(東京都中央区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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