注目映画紹介:「東京喰種トーキョーグール JACK」 有馬貴将と富良太志の出会いの物語

「東京喰種トーキョーグール JACK」のワンシーン (C)石田スイ/集英社・東京喰種製作委員会
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「東京喰種トーキョーグール JACK」のワンシーン (C)石田スイ/集英社・東京喰種製作委員会

 石田スイさんの人気マンガのスピンオフ作品をアニメ化したOVA「東京喰種トーキョーグール JACK」(嶌田惣一監督)が5日に公開される。「東京喰種」は人肉を食らう怪人・喰種(グール)の戦いに巻き込まれた大学生・金木研の葛藤や戦いを描いたマンガで、今作では捜査官の有馬貴将(声・浪川大輔さん)と7区上等捜査官の富良太志(声・木村良平さん)が出会ったきっかけが描かれるほか、メーキング映像も同時上映される。

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 「東京喰種」の原作コミックスは14巻まで発売され、現在は新章「東京喰種トーキョーグール:re」を「週刊ヤングジャンプ」(集英社)で連載中。テレビアニメが2014年7~9月に第1期、15年1~3月に第2期が放送された。喰種対策局(CCG)の「梟(フクロウ)」討伐作戦から12年前、東京13区では「ランタン」と呼ばれる喰種による捕食事件が頻発。そのころ、ケガが原因で野球を続けられなくなった高校生の富良太志(声・木村さん)は、元チームメートで親友のリョウ(声・鈴木達央さん)やアキ(声・大久保瑠美さん)と不良行為を繰り返していた。ある日、リョウとアキがランタンに襲われているのを目撃した太志は、2人を助けようとするがかなわない。そこへ同級生の有馬貴将(声・浪川さん)が現れ、人間離れした動きでランタンを追い払う。太志は有馬にランタン討伐の協力を申し出るが……というストーリー。

 今作はデジタル限定で配信されたスピンオフ作品が原作で、テレビアニメや本編の原作には描かれていないエピソードをアニメで見られ、ファンならずともうれしい限りだ。富良太志と有馬貴将の2人が、若き日に繰り広げた喰種との戦いには思わず気持ちが高ぶる。テレビアニメシリーズに携ってきた嶌田監督が手掛けたとあって、作品の持つ独特の雰囲気を損なうことなく、世界観の広がりを感じさせてくれる。キャラクターの圧倒的な存在感とスピード感、そして見るものをときに戦慄(せんりつ)させるダークファンタジーの要素は健在で、バトル描写も秀逸。ストーリー構成が本編と比べるとシンプルで、展開のテンポ感もよく好印象だ。浪川さんや木村さんのアフレコ現場の様子などレアな映像が見られるメーキングも楽しい。新宿ピカデリー(東京都新宿区)ほか全国7館で公開。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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