山本周五郎賞:湊かなえが3度目の候補で受賞 押切もえは惜しくも逃す

山本周五郎賞を受賞した湊かなえさん
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山本周五郎賞を受賞した湊かなえさん

 「第29回三島由紀夫賞・山本周五郎賞」(新潮文芸振興会主催)の選考会が16日行われ、山本周五郎賞は湊かなえさんの「ユートピア」に決まった。モデルの押切もえさんの「永遠とは違う一日」も候補に挙がっていたが、わずか0.5点の差で落選した。2013年に「母性」、昨年は「絶唱」が候補となり、三度目の正直での受賞に湊さんは「うれしいという気持ちが先に立ち、安心しました」と喜びを語った。

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 山本周五郎賞は、大衆文学・時代小説の分野で活躍した作家・山本周五郎にちなみ、すぐれた物語性を有する小説・文芸書に贈られる文学賞。純文学を主とする三島由紀夫賞とともに1988年に創設された。

 選考委員の佐々木譲さんによると選考委員5人が「○2点、△1点、×0点」で投票し、その後議論して選考した。最初の投票で、湊さんは6+点、押切さんは6点だったという(+は○や△に+をつける委員もおり、0.5点となる)。

 なお、今回の三島賞は蓮實重彦さんの「伯爵夫人」。今回の山本賞・三島賞の候補作は以下の通り。

 <山本周五郎賞> (敬称略)

「ユートピア」湊かなえ▽「私は存在が空気」中田永一▽「アメリカ最後の実験」宮内悠介▽「ガラパゴス」相場英雄▽「永遠とは違う一日」押切もえ

 <三島由紀夫賞> (敬称略)

「悪声」いしいしんじ▽「鳥の会議」山下澄人 ▽「憂国者たち」三輪太郎▽「新カラマーゾフの兄弟」亀山郁夫 ▽「伯爵夫人」蓮實重彦

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