テレビ東京の高橋雄一社長は2日、東京都内で開いた定例会見で、過去最高水準という好調な3月決算を振り返り、「アニメ事業、コンテンツ事業が全体の売り上げを押し上げている」と説明。他局を含め、アニメ関連ビジネスの市場性に注目が集まっているとの見方を示し、「アニメビジネスは非常に面白い時代になってきているんだなと感じている」と語った。
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TBSやフジテレビが10月からアニメ枠の新設を発表したほか、4月に本スタートしたインターネットテレビ局「AbemaTV」でもアニメ番組が上位を占めるなど、アニメ人気を反映する話題が相次いでいる。
アニメ関連ビジネスに注目が集まっていることについて、高橋社長は「特にアニメの場合は、国内の次に海外というマーケットが見えている。(マンガなど)紙媒体では海外に行っていたものが、次に動画で海外に行って、それが大きなマーケットになるという認知が非常に高まったんだろうなと思っている。一つの大きなビジネスモデルが何となく見えてるなという感じが放送界および他の業界に広まってるのだろう」と分析。
さらに、「我々はそれをずっとやってきましたし、『NARUTO』が引っ張ってきた」としつつ、ビジネスモデルのひとつとして、「特に『妖怪ウォッチ』では、ゲームで始まってコミックになって、テレビに行って、プロモーション、マーケティングに行って、海外に行くというパターンができている。放送局さん以外の方も、そのパターンを学習されて、そのためにはまずは放送の枠が必要なので、(他局も)作り始めているんだろうなと認識しています」と語った。
また、井澤昌平専務は「もう一つあるのは、去年から映画で、アニメの実写化、マンガの実写化が非常に当たっている実態もある。今までは少なかったが、実写というのも、もう一つビジネスモデルに付いてきているのではないか。我々も今、実写化を検討しているのは事実」と説明。高橋社長も「(実写化の)プランニングは来てますよ。場合によっては舞台にしたらどうか、ミュージカルにしたらどうかと。(アニメビジネスが)いろいろもっともっと複合化していくという動きは加速しているような感じがしますね」と明かした。
その上で、高橋社長は「あとは、海外をどこまで狙い撃ちできるか。ある程度、コミックスの売れ行きの段階で行けそうか、そうでもないか分かるが、(予想外のヒットとなった)『おそ松さん』みたいなのも出てきちゃう。どう読んでも読み切れないところが当たることが、やっている中で出てくる。地上波でやっているということが意味がある、爆発力がある」と説明。「半分以上、読み通り読んでやっているが、ときどきそういう当たりもある。ただ、期待値に対して大外れというのはあまりない」と明かすと、井澤専務も「数をやっているので、だんだん目利きは良くなっている」と自信を見せた。
ただ、高橋社長は「もちろん編成に不満は持ってますよ。数字的に。もっと増やせと言っているが、アニメの番組でいろいろセグメンテーションが細かくなっていくと、そんなに数字は多く取れないと思うんですね。それでも、アニメビジネスは非常に面白い時代になってきているんだなと感じています」と語っていた。
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