今年結成25周年を迎えるL’Arc~en~Cielのリーダー兼ベーシストのTETSUYAさんが、2001年からスタートさせたソロ活動を5年8カ月ぶりに再開し、2作のニューシングル「Make a Wish」「Time goes on ~泡のように~」を7日にリリースした。「Make a Wish」はPS4・PS Vita用ゲームソフト「イグジスト アーカイブ -The Other Side of the Sky-」のオープニングテーマ、「Time goes on ~泡のように~」は同ゲームのエンディングテーマとして制作され、「Time goes on~」は、TETSUYAさんが作詞・作曲をしたL’Arc~en~Cielの楽曲「Time goes on」を自ら歌ったセルフカバーバージョンだ。ソロ活動15周年を飾る新シングルの曲作りやバンド結成25周年の思いなどについて、TETSUYAさんに聞いた。
あなたにオススメ
「豊臣兄弟!」では池松壮亮が! 大河ドラマ“秀吉俳優”史を振り返る
――2001年にソロ活動を始めたきっかけは?
L’Arc~en~Cielでソロ活動をしたいっていうメンバーが現れまして、そうすると僕も時間ができて、何をしようかなって思ったところ、じゃあ僕もソロをやろうかな、みたいな感じで始めました。そういう流れで「ソロで何をやろうか」ってところから考えなきゃいけなかったんですけれど、普段、ベースをやってるんで、ベースはそんなに前面に出さず、歌メインでいこうかな、みたいな。自分が歌える、歌えないをあんまり考えずにスタートしました。
――ゲームソフト「イグジスト アーカイブ」のOPテーマ「Make a Wish」はどのように曲作りをしていったんですか。
久しぶりの新曲だし、ゲームのオープニングっていうのもあって、勢いがあって“始まる感じ”がいいなと。キラキラした、耳に残るメロディーを作りたいなって常に思っていて、そういう、自分が好きで得意な王道の曲ですね。歌詞は、自分の状況というか、しばらく活動していなかった自分の思いと、ゲームのイメージをうまくミックスして、ゲームサイドからいただいていた「レールを外れた」(実際の歌詞は「外れたレール」)とか、キーワード的なフレーズをいくつか織り交ぜながら書きました。ゲームの企画書とキャラクターの設定資料みたいなものを参考に、自分なりにいろいろ想像したものと自分の思いを足して、あまりゲームに寄りすぎないように、そこのバランスを取りながら書いたんですけれど、まあ、「しばらく活動していない間に、いろいろ考えてたんやなあ」みたいな感じの歌詞ですね。
――例えば「本当の気持ちに鍵をかけていた……」というフレーズが歌詞にありますが、その真意は?
まあ、それが表では言えないから、ここでこういうふうに表現してるんですよね(笑い)。やっぱりプロとして音楽をやるっていうことは、ホントに言いたいことを言えるわけでもないし、やりたいことをやれるわけでもない……そういうこともいっぱいあるんですよね。そんなことがちょっと入ってるということで、あとは想像にお任せします(笑い)。
――分かりました(笑い)。また、この楽曲ではTETSUYAさんのギターソロも聴けますが、これもソロ作品ならではですね。
でも最近は僕、ギターをどんどん弾かなくなってます。ソロ活動を始めた時の方がいっぱい弾いていて、ファーストアルバムは全曲、弾いてるし、セカンドも8、9割は僕がギターソロを弾いてますけれど、だんだんソロ以外のパートも弾かなくなってます。たぶん、自分ではそんなに意識してないんですけど、歌に自信を持ってきて、それだけで十分、闘えるって思ってるんじゃないんですかね。前はボーカリストっていうよりもベーシストというか、完全にボーカリストでもないっていう意識がどこかにあって、だから、他のことでできることをなるべくやってカバーしてた、みたいな。でも今は、自分で考えたフレーズでも、本職のギタリストに弾いてもらった方がいい時は、そうしてもらいますね。
――もう1枚のシングルの表題曲でゲームのEDテーマ「Time goes on ~泡のように~」は、L’Arc~en~Cielの楽曲「Time goes on」のセルフカバーで、男女の別れを想像させる切ないナンバーですね。
サビの歌詞にある「いつまでもあなたが消えなくて……」とか、あのへんのフレーズがまずテーマとしてあって、それで前後のストーリーを作った、みたいな。確か、可愛らしいオモチャのピアノで演奏する感じで最初は作り出して、もともとのラルクのバージョンの方はアレンジ的にもちょっとチープな感じになってますね。この「Time goes on」は、ソロでライブを始めた頃にまだアルバムを1枚しか出してなくて、ライブをやるには曲が足りなかったので歌ってたんです。それで、今回のタイミングでゲームのエンディングのイメージとこの曲が合うな、と思って録音することになったんですが、だいぶコードも変わってますし、こっちの方がストレートだと思います。歌っていても気持ちよくて、この曲、大好きです。
――ソロ活動をしていてよかったなと感じること、バンド活動への影響はありますか。
ソロだと僕という存在やパーソナリティーを知ってもらう機会が増えるので、プラスにはなります。バンドだと僕がそんなにしゃべらなくても、一言も話さなくても成り立つことが多いじゃないですか。(テレビ番組の収録などで)話したとしても、あとで編集されて使われないっていうことも多いというか(笑い)。でも、ソロは「他の誰かがしゃべるからいいや」とはならないし、自分が話さないと前に進まないので、そういう部分で自分も成長できる。バンドの場合は、10年、20年やってもそこの部分は伸びないけど、ソロをやるとバンドの何十年分も短期間で成長できると思います。
――ソロ活動はバンドを客観的に見る機会でもあると思いますが、結成25周年となるバンドについて思うことは? 25周年のアニバーサリー企画に期待するファンも多いと思いますが……。
ラルクはいろんな方に知られてるバンドで、田舎でタクシーに乗っても、タクシーのおっちゃんが普通に知ってくれてたりするんで、すごいなあって(笑い)。こんなに長く続くと思ってなかったし、こんなに活動してないのに多くのファンに支えられてるっていうのはすごくありがたい、幸せなことだなと思います。なかなか(周年の企画は)、4人の意見、プラス多くのスタッフの意見で進んでるバンドなんで、僕一人ではどうしようもないことも多いし、この場で発表できることはまだないんですが、待っていてくださる方がいるというのは分かってるので、それに応えられるように努力しなければなとは思ってます。
――ソロとしては久しぶりに活動を再開したということで、アルバム制作も考えていらっしゃいますか。
はい。もうちょっとでアルバムを作れるぐらいの曲はあって、いいアルバムを作りたいなと思ってます。今の時代、どういうふうにリリースして活動をしていけばいいか、なかなか答えがないんで、いろいろ試行錯誤をしながら、一番いいタイミング、一番いい形でリリースしたいなと思ってます。
<プロフィル>
1969年10月3日生まれ。1991年、L’Arc~en~Cielを結成し、94年に同バンドのリーダー&ベーシストとしてメジャーデビュー。2001年7月にはソロデビューシングル「wonderful world/TIGHTROPE」をリリース。TETSUYAさんが初めてハマッたポップカルチャーは、テレビでよく見ていたアニメーション「トムとジェリー」。「物心ついた時から小学校3、4年生くらいまで見てました。基本、せりふがなくて目て見て楽しめるところや、キャラクターがすごく可愛くて好きでしたね。今でも好きでDVDを見たり、めいっ子に見せたらすごくハマッて、めいっ子に会うたびに1枚ずつDVDをあげたり……という感じです」と話した。
(インタビュー・文・撮影:水白京)
アイドルグループ「乃木坂46」の五百城茉央(いおき・まお)さんの初の写真集「乃木坂46 五百城茉央1st写真集『未来の作り方』」(小学館)の先行カット第12弾が公開された。五百城…