注目映画紹介:「金メダル男」ウッチャン脚本、監督、主演 一等賞を目指す男の笑えて心温まる物語

映画「金メダル男」のメインビジュアル (C)「金メダル男」製作委員会
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映画「金メダル男」のメインビジュアル (C)「金メダル男」製作委員会

 お笑いコンビ「ウッチャンナンチャン」のウッチャンこと内村光良さんが脚本、監督、主演を務める映画「金メダル男」が22日に公開される。今作は、2011年に上演された内村さんの一人舞台「東京オリンピック生まれの男」を基にした映画で、さまざまな「一等賞」に全力で向かっていく主人公の生き方を描く。内村さんが演じる何度失敗してもめげずに一等賞を目指す男・秋田泉一の若き日を、アイドルグループ「Hey!Say!JUMP」の知念侑李さんが演じダブル主演を務めているほか、木村多江さん、土屋太鳳さん、平泉成さん、宮崎美子さんら豪華なキャストが脇を固めている。

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 1964年、東京五輪の開催に日本中が沸く中、秋田泉一は長野県塩尻市で誕生した。幼少時はごく普通の男の子だった泉一だが、小学生の時に運動会の徒競走で一等賞に輝いたことで人生が一変。一等賞がもたらす幸福感にとりつかれ、絵画や書道に始まり、火おこし、大声コンテスト、さらにはマスのつかみ取りまで、あらゆるジャンルで一等賞を獲得していく。そして、いつしか“塩尻の金メダル男”と呼ばれるようになるが……というストーリー。

 主軸はコメディーながら、主人公の泉一が何事にも懸命に挑戦していく姿に心打たれ、家族や友人、仲間との関係性なども相まって、ほんのりと心が温まる。泉一が一等賞を目指すものは数多く登場するが、そのどれもが一発勝負で決するようなものばかりというのが面白く、まるで浮き沈みがある人生を象徴しているかのようだ。一貫性がなくいろいろなことに手を出す主人公の姿は、序盤はあまり魅力を感じなかったが、物語が進むにつれて泉一の人生を追っていくうち、次第に引き込まれ応援したくなってくる。見る側の世代によっては時代を象徴するような昭和描写も心地よく、懐かしい気分に浸ることもできる。なにより主人公を2人一役で演じた内村さんと知念さんの交代がスムーズで、立ち居振る舞いがとても似ており、違和感なく世界観に浸ることができる。22日からTOHOシネマズ新宿(東京都新宿区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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