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セガ:おなじみの「セ~ガ~」が変わる! 「龍が如く」名越CPOの指揮で“新CI”が誕生

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セガの新しい「コーポレート・アイデンティティー」

 セガホールディングスはこのほど、グループのブランドイメージを視覚的・聴覚的に表現した新しい「コーポレート・アイデンティティー(CI)」を設定した。子供の瞳に「SEGA」の文字が映り込むわずか3秒の映像で、使用開始の時期は今後発表されるが、ゲームソフトやCMなどに使われる予定。従来は1980~90年代のゲームファンにはおなじみの「セ~ガ~」というフレーズがその役割を担ったが、なぜ今回変更したのか。セガグループの開発全体の最高責任者で、人気ゲーム「龍が如く」の生みの親として知られるセガゲームスの名越稔洋CPO(Chief Product Officer)に話を聞いた。

◇若い子たちは知らない「セ~ガ~」

――なぜCIを変更することになったのでしょうか?

 CIは、メディアで展開されるときに音と演出を絡めて、企業のイメージを象徴することを指します。セガは社名やロゴの認知は高いのですが、CIで共通化したものを作る必要があると考えたのです。

――昔のCMでおなじみの「セ~ガ~」のフレーズもCIですよね。有名だと思いますが。

 残念ながら、今の若い子たちは、そのCIをほぼ知りません。データの裏付けもありますが、知っているのは40歳以上の人たちで、セガがまだゲーム機を作っていたころの話ですね。前のCIが強かった分、イメージを引きずっているのです。セガも気がつくと、セガゲームス、セガ・インタラクティブ、さらにセガサミーホールディングスと組織的に分割されています。さらにゲームだけでも、PCオンライン、パッケージゲーム、スマホゲームと細分化されていて、会社のアイデンティティーをまとめるのが大変なんです。そこで「セガグループのCIを作りましょう」となったのです。

◇新CIは実験的で攻撃的

――CIをゼロから作るのは大変そうです。

 「若い子が知らない」のは良い面もあって、比較対象がないのでイチから作れます。確かに前のCIは、今ではゲーム「初音ミク -Project DIVA-」のようにパロティー的に使われたり、昔の社員たちに愛着があります。ただ、それがマストだったのはハード(ゲーム機)を作っていた20年前の話で、今はコンテンツによって合う、合わないケースもあるんです。

――合わないケースとは。

 例えば自動車は18歳以上を対象とした商品ですが、エンタメは、生まれたときから死ぬときまで、ターゲットになります。そして対象が広いと、商品によっては、前のCIでは合わないケースがあるんです。昔のセガは、ティーンやキッズ向けだったが、今はゲームを遊ぶ層が上(社会人)になりましたし、技術に対する考え方も変わりました。前のCIを「格好良い」と言ってくださる方がいるのはうれしいのですが、それはあの時代だからそう思えたのであって、今は違うということです。

――いつの間にか合わなくなったと。

 ハードの製造をやめたことで、ルールのまとまりがなくなったのかもしれませんね。狙ったわけではなく、気がつくとそうなっていた感じですね。CI変更の話は、過去に何度もあったのですが、必ずもめるんです。ですが、今回は『そろそろやらないと』となって、プロジェクトが組まれたんですよ。

――開発のトップである名越さんが、わざわざ指揮を執ったのは。

 デザインやプランナー、マーケティングなどそれぞれの専門家が考えるのですが、やはり対立するし、最後は誰かに決定を一任するべきなんですよ。そうなると僕がまとめるほうが早いだろうなと。

――そして、あの人の目をデザインしたCIになったというわけですね。

 新CIは、実験的で攻撃的な企画なんです。目を題材にしたのもそうですし、実写化したものを素材にするCIも他社にはない。そもそもロゴが正対しない。本来ならフォーマット的には許されないんですよ。ただ「許されない」というのは、会社から見た考え。僕らが大事にしているのは四文字(SEGA)のアルファベットで、正対の優先度は高くない。むしろ正対しないことが「セガらしい」と言えるかもしれません。

◇あくまでコンテンツ優先

――新CI発表後の反響は?

 評判は良かったのですが、実は「未来永劫(えいごう)変わらないものを作った」と思っていません。しかるべき時期が来たら、しかるべきことをしたほうがいい。100年続くといえば格好良いけれど、オールマイティーにすればデザインは平凡になりますから。しかし、少なくとも新CIは、2017年の時期にふさわしいものにしたかった。

――外部のデザイン会社に任せず、自社で作ったそうですね。

 セガは、それが作れる会社なので、作らないのは不自然。もちろんコラボレーションという考えもあるし、自ら手を出さない方法もあるから正解はないんです。しかし、セガにはたくさんのクリエーターがいて、才能がありますから、作るのが自然ということですね。やれることは何でもやろうと。

――新CIは、これからどんどん使われる?

 詳細は今後に発表されますが、ケース・バイ・ケースですね。例えば新CIの映像は、(携帯ゲーム機の)3DSのソフトは合わないかもしれません。もちろん、フルに使う場合もあるし、一部だけを使う場合もあると思います。新CIを“押し売り”する気はなく、あくまでも作品に合わせたい。新CIを見た人が、自由に感じて何かの印象を持ってくれたらうれしいですね。

 なごし・としひろ=1965年生まれ。89年に東京造形大造形学部デザイン学科を卒業し、セガ入社。CGデザイナーとして「バーチャファイター」シリーズの制作などに参加する。2005年に「龍が如く」を手掛けて同社の看板ゲームに育てる。現職はセガゲームス及びセガ・インタラクティブの取締役兼CPO。家庭用ゲームからアーケードゲームまでセガグループの研究開発部門を統括する開発部門の最高責任者。

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