古谷徹:ガンダム、アムロへの特別な思い 「人生を決めた」転機とは…

アニメ「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」でアムロ・レイの声優を務める古谷徹さん
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アニメ「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」でアムロ・レイの声優を務める古谷徹さん

 人気アニメ「機動戦士ガンダム」シリーズのアムロ・レイ役などで知られる声優の古谷徹さん。古谷さんが再びアムロを演じた「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」の第5話「激突 ルウム会戦」が上映中だ。ガンダム、アムロについて「自分の人生を決めた作品、キャラクターなので、特別な思いがあります」と語る古谷さんに“特別な思い”について聞いた。

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 ◇毎年、ブライトに殴られています

 古谷さんは50年以上のキャリアを持つベテランだ。代表作の一つである「巨人の星」は「この業界でやっていこうと思ったきっかけ」というが、その後は「一度、大学生をやって業界を離れましたが、もう一度、戻ろうとした。ただ、その時はアニメ一本でやっていこうとは思っていなかった。歌手や俳優も考えていた」と明かす。

 古谷さんにとって1979年に放映された「機動戦士ガンダム」(ファーストガンダム)との出会いは転機だった。「ガンダムと出会ったのは25歳の時。改めてアニメの魅力に気付き、この業界に求められているとも思った。自分を生かすことができるとも考えるようになりました。それに、アニメではヒーローになれますしね。それを決意した作品なんです」と話す。

 古谷さんはアムロをゲームなどでも演じ続けている。「38年間、毎年アムロをやっていますからね。毎年、ブライトに殴られていますよ(笑い)」と話す。ファーストガンダムでは15歳、「機動戦士Ζガンダム」では23歳、「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」では29歳のアムロをそれぞれ演じた。「一日で三世代のアムロを録(と)ることもあります。その時々に演じたアムロを覚えていますし、特徴的に声を変えていたので、やりやすいところもあります」と語る。

 ◇アムロは自分のキャラという自負も

 アニメ「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」は、アニメ「機動戦士ガンダム」のキャラクターデザインや作画を担当した安彦良和さんの同名マンガを基に描くシリーズ。第2話「哀しみのアルテイシア」で、古谷さんは8歳のアムロも演じた。「僕が8歳のアムロを演じるとは思っていなかった。シャアの少年時代は田中真弓さんでしたし、女性がやった方が可愛いアムロになるのでは? とも思いました。ただ、安彦さんの指名でしたので」と明かす。

 8歳のアムロを演じることは少しためらいもあったようだが、アムロはやっぱり古谷さん! と考えるファンも多いだろう。古谷さん自身も、仮にほかの声優がアムロを演じることになるとすれば「できればそれは……。アムロは自分のキャラクターという自負があるので」と感じているという。

 ◇再びアムロを演じるならもっと少年らしく

 「THE ORIGIN」の第5話「激突 ルウム会戦」では、ガンダムに乗る前の15歳のアムロを演じた。「第5話に関しては、アムロは戦いに赴く前の一般人の少年。ナイーブで気弱な少年を描きたかった。幼く演じています。『THE ORIGIN』のアムロは、ファーストよりもナイーブなところが強調されている。そこを大事にして、味付けを濃くしています」と話す。

 「THE ORIGIN」が、原作マンガの通りにアニメ化されていけば、アムロがガンダムに乗って活躍する姿も描かれることになるだろう。まだ、先のことは決まっていないが、「『THE ORIGIN』で、ガンダムで戦うアムロを演じることになれば、どのように演じる?」と聞いてみると「ファーストの全くのコピーにはならないと思います。25歳の古谷徹が演じたアムロはできない。もっと少年らしいアムロを演じたい。過去に自分が演じた15歳のアムロを見ると、大人っぽく演じている。25歳の時の古谷が感じた15歳の少年は、大人なんですよ。今の僕は、15歳はもっと子供だと思っている。そこで変わってくるかもしれません。アムロらしさをキーにしながら、かつてファーストを見た方も新鮮に思えるように、演じたいです。まだ、全然決まっていないことだけど、やってみたいですね」と語る。

 「THE ORIGIN」の第6話「誕生 赤い彗星」は2018年5月5日に上映される。さらにその先、そして古谷さんが演じるアムロの活躍を見たいというファンも多いだろう。今後の展開がますます注目を集めそうだ。

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