このはな綺譚:声優・大野柚布子、秦佐和子が語る「挑戦」 「心に刺さる言葉」に注目を

テレビアニメ「このはな綺譚」の出演する秦佐和子さん(左)と大野柚布子さん
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テレビアニメ「このはな綺譚」の出演する秦佐和子さん(左)と大野柚布子さん

 マンガ誌「月刊バーズ」(幻冬舎コミックス)で連載中の天乃咲哉さんのマンガが原作のテレビアニメ「このはな綺譚」が4日からTOKYO MXほかで順次、放送される。あの世とこの世の間にある宿場町の温泉宿、此花亭を舞台に、少女の姿をしたキツネで新人仲居の柚たちの日常が描かれる。主人公・柚の声優を務めるのが、「天使の3P!」の五島潤役も話題になった大野柚布子さんで、今回が初主演。秦佐和子さんが柚の教育係の皐(さつき)を演じる。「このはな綺譚」の出演が「挑戦」になったという大野さんと秦さんに、役への思いを聞いた。

ウナギノボリ

 ◇秦佐和子は“イライラキープ”に苦労

 --出演が決まった際に感じたことは?

 大野さん 役が決まった時はまだ養成所生でした。主演は初めてで、すごくびっくりしたし、不安でした。柚は新人で成長するキャラクターで、できないなりにも頑張る。私も一生懸命頑張ろうと思いました。

 秦さん 声のトーン、性格的に今まで挑戦したことがない役。大丈夫かな?と思いました。言葉遣いもキツめで、「イライラしてください!」とすごく言われるんです。私はそういうタイプではなくて、学生の時に部活をやっていても、後輩に対してイライラするわけではありませんでした。“イライラキープ”が結構大変です。柚ちゃんは、柚布子ちゃんと同じですごくいい子。だから、イライラしづらいんです。ただ、皐にも葛藤があり、自分に対してもイライラしていると理解できるようになってからは、イライラキープできるようになりました。

 大野さん (秦さんは)普段とのギャップがすごいんです。1話のアフレコでびっくりしました。

 秦さん 自分でも演じているのを聞いて、びっくりしました。今まで使っていなかった声色で、発見がありました。

 --大野さんは、自分と柚の共通点も多い?

 大野さん そうですね。自分に近い部分もあるキャラクターです。ありのままに思ったことを素直に表現しようとしました。もちろん違う部分もあります。柚は、すべての人をありのままに受け入れる。大人だな……と思っています。私は、そこまで大人ではない。毎回毎回、せりふがすてきなのですが、柚はいいことを言おうとしているわけではありません。ありのまま、素直であることを意識しています。ありのままを意識するのは、難しいところもあります。そこは挑戦ですね。


 ◇現場はほんわか、明るく

 --大野さんは“座長”として意識していることはありますか?

 大野さん 座長というものが、よく分かっていなくて……。しっかりしなきゃ!という理想の座長像はありますが、全然近づけない。演じることで精いっぱいで、まだまだですね。先輩が多いので、緊張するところもありますが、教えていただくこともたくさんあり、勉強させていただいています。

 秦さん 明るく、ほんわかしていて、柚布子ちゃんの雰囲気のような現場になっていますよ。

 --作品の魅力は?

 大野さん 心が温まったり、ウルッとするお話です。どのお話にも心に刺さる言葉があります。キャラクターはもちろん可愛いのですが、それだけではなく、深いところがあり、いろいろな解釈もできます。温泉に入ったみたいに心がぽかぽかします。

 秦さん キャラクターにはいろいろな過去があり、こういう経験があったから、こういう言葉が出てくるんだな……と思うところもあります。すてきですね。やればやるほど発見があります。

 ◇秦佐和子は皐役が変化のきっかけに

 --声優としての活動の中で大切にしていることを教えてください。

 大野さん とにかくいただいたお仕事を一つ一つ大切に全力で頑張ろうとしています。

 秦さん ある方に「120%を目指さないといけないよ!」とアドバイスをいただき、ドキッとしたことがありました。最初の頃は、がむしゃらでしたが、だんだん、自分の上限を意識するようになってきたところもあったんですね。そうではなく、その先を目指さないと、100%を超えることができないと考えるようになっています。

 --今後の目標は?

 大野さん 柚を演じさせていただいて、“知る”ことが面白いと感じています。今は、いろいろな方のお話を聞くのが楽しいですね。お芝居が楽しいので、もっともっといろいろな役をやってみたい。自分とは真逆な役も興味があります。

 秦さん 「このはな綺譚」の皐役は挑戦です。皐に教えてもらったことを生かせる役をどんどんやっていきたいですね。これまで、秦佐和子というイメージにとらわれて、秦佐和子を演じているところもありました。皐は、秦佐和子を脱ぐきっかけになったかもしれません。(経験を)次に生かしていきたいですね。

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