今週シネマ：6、7日公開の映画「ナラタージュ」「アウトレイジ」「あゝ、荒野」…話題作が続々

　今週公開される映画の注目作をピックアップする「今週シネマ」。7日には、「この恋愛小説がすごい！」（2006年版、宝島社）の1位に選ばれた島本理生さんの恋愛小説を、松本潤さんと有村架純さんの共演で映画化した「ナラタージュ」（行定勲監督）、北野武監督が裏社会に生きる男たちの抗争を描いた人気シリーズの最新作「アウトレイジ 最終章」、俳優の菅田将暉さんとヤン・イクチュンさんがダブル主演した「あゝ、荒野 前篇」（岸善幸監督）が公開される。

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　「ナラタージュ」は、高校教師と元生徒の禁断の恋愛模様が描かれる。工藤泉（有村さん）のもとに、高校時代の演劇部顧問の葉山先生（松本さん）から、卒業公演への参加を誘う連絡が入る。高校2年のころ、孤独から救ってくれた葉山先生を好きになった泉は、再会によって思いを募らせていく。しかし、泉は、葉山先生に離婚が成立していない妻（市川実日子さん）がいることを知り、自分に恋心を寄せる小野怜二（坂口健太郎さん）と付き合うことにしたのだが……というストーリー。先生へのいちずな思いと、自分を愛してくれる男性との間で揺れ動く複雑な役どころを熱演した有村さん、悲哀を帯びた大人の男性の姿を表現した松本さんの演技が見どころだ。

　「アウトレイジ 最終章」は、前作「アウトレイジ ビヨンド」の続きとなる3作目で、ビートたけしさん扮（ふん）する「大友組」元組長の大友や、日韓を牛耳る国際的フィクサーの張グループ、関西の組織「花菱会」らが入り乱れての抗争が描かれる。たけしさんをはじめ、西田敏行さん、塩見三省さんら前作から引き続き出演する強面（こわもて）の面々や、新たに加わったピエール瀧さんや大森南朋さんら豪華キャストたちによる迫力の競演が話題となっている。同シリーズならではの裏切りに彩られた手に汗握るスリリングな展開も魅力だ。

　「あゝ、荒野 前篇」は、劇作家、詩人、エッセイスト、映画監督などマルチな才能を発揮した寺山修司（1935～83年）が遺した唯一の長編小説が原作。2021年の新宿、少年院を出所したばかりの沢村新次（菅田さん）と、引っ込み思案で吃音（きつおん）に悩む二木建二（ヤンさん）は、元ボクサーの“片目”こと堀口（ユースケ・サンタマリアさん）に誘われ、彼の運営するボクシングジムに入る。一緒にトレーニングをしているうちに、新次と建二の間には兄弟のような絆が生まれていく。やがて2人はプロボクサーを目指すようになるが、その先には皮肉な運命が待っていた……というストーリー。

　そのほか6日には、オダギリジョーさん主演で、キューバ革命の英雄エルネスト・チェ・ゲバラ（1928～67年）と共に祖国ボリビアのために戦った日系人、フレディ前村ウルタードの生きざまを描いた「エルネスト」（阪本順治監督）が公開された。