オー・マイ・ジャンプ!:異色ドラマは「ジャンプらしく」 愛あふれ泣く泣くカットも

ドラマ「オー・マイ・ジャンプ! ~少年ジャンプが地球を救う~」の一場面(C)「オー・マイ・ジャンプ!」製作委員会
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ドラマ「オー・マイ・ジャンプ! ~少年ジャンプが地球を救う~」の一場面(C)「オー・マイ・ジャンプ!」製作委員会

 今年、創刊50周年を迎えるマンガ誌「週刊少年ジャンプ」(集英社)とコラボしたテレビ東京の深夜連続ドラマ「オー・マイ・ジャンプ! ~少年ジャンプが地球を救う~」が「“ジャンプ愛”があふれすぎている」などと話題になっている。伊藤淳史さんが主演を務め、出演者が人気キャラクターのコスプレを披露したり、ジャンプに関する小ネタがちりばめられるなど、ファンにはたまらない演出が随所に見られ、テレビ東京の阿部真士プロデューサーはドラマについて「ジャンプらしさを考えています」と話す。阿部プロデューサーにドラマ制作の裏側を聞いた。

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 ◇超展開はジャンプならでは?

 「オー・マイ・ジャンプ!」は、かつてヒーローに憧れていた、さえない会社員の月山浩史(伊藤さん)が、ジャンプを愛する人たちが集まる秘密クラブを知り、影響を受けていく。やがて月山は、秘密クラブのメンバーらとともに能力が覚醒し、地球規模の災いに巻き込まれる……というストーリー。

 アイドルグループ「乃木坂46」の生駒里奈さん、佐藤仁美さん、斉木しげるさん、寺脇康文さんらが出演。女子大生の火村智子(生駒さん)が「NARUTO -ナルト-」の主人公・うずまきナルト、婚活中の女医で38歳の木暮美樹(佐藤さん)が「Dr.スランプ」の則巻アラレに扮(ふん)するなど、秘密クラブに集まる面々が見せるクオリティーの高いコスプレも話題だ。

 企画当初は、「キン肉マン」「ONE PIECE」など名作が生まれた裏側をテーマに、マンガ家と編集者の魂のぶつかり合いを描こうとしていた。しかし、紆余(うよ)曲折の末、名作の誕生秘話も描きつつ、さえない会社員を主人公としたオリジナルストーリーになったという。

 秘密クラブのメンバーらとともに能力が覚醒し、地球規模の災いに巻き込まれる……という展開は唐突にも思える。阿部プロデューサーによると、主人公たちはAI(人工知能)と戦うことになるといい「展開も紆余曲折があり、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のようにするなど、さまざまなアイデアが生まれて、消えていきました。その中で考えたのが、表現の問題が騒がれている中、マンガが禁止になった時にどうなるのか?ということ。AIの発展によって、そんなことも起こるかもしれない」と考えたようだ。

 “超展開”ではあるが「ジャンプをテーマにしているからできること。マンガから得たものがたくさんありますよね。それがなくなってしまうなんて……と壮大でバカバカしいけど、奥深い話ですよね。超展開はワクワクしますし」とも話す。

 ◇テレ東の独自路線は「自由に」

 阿部プロデューサーをはじめスタッフは「これはジャンプっぽいよねって」などと話したり、議論しながらドラマを制作しているという。「ジャンプらしさを考えています。編集部の方に教わることもあります。ジャンプがオフィシャルで言っているわけではないのですが、友情、努力、勝利の3原則というものもあります。そこも守りたい」という思いがある。

 第1話では、主人公の月山が秘密クラブに入るために、ジャンプに関するクイズに挑戦するシーンがあるなど小ネタもファンにはうれしいところ。阿部プロデューサーが「実は、第1話のクイズのシーンはもっと長かったんです。尺の問題で、編集でバッサリとカットしました。もったいないので、公式ツイッターやDVDなどでフルバージョンを公開するかもしれません。今後も小ネタがたくさんあります」と話すように、スタッフのジャンプ愛があふれすぎてしまうことがあるようだ。

 テレビ東京では、かつてジャンプで連載された桂正和さんのマンガを実写化したドラマ「電影少女 -VIDEO GIRL AI 2018-」も放送されており、コラボも期待されるが、阿部プロデューサーは「ラブコールを送っています。期待に応えたいですね」と話す。

 テレビ東京の深夜ドラマは、ニッチにも見えるものも多く、独自路線と呼ばれることもある。阿部プロデューサーは「面白いことを自由にやらせていただけています」とも話す。「オー・マイ・ジャンプ!」も、また自由な発想な超展開が期待できそうだ。ドラマはテレビ東京で毎週金曜深夜0時12分に放送中。

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