中日劇場:半世紀の歴史に幕 1200人のファンが三本締め

閉場した中日劇場で最後のどんちょうが下がり頭を下げる出演者ら
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閉場した中日劇場で最後のどんちょうが下がり頭を下げる出演者ら

 名古屋・栄の中日劇場が25日、閉場した。地域に親しまれた劇場は、約1200人のファンと出演者らの三本締めで、52年の歴史に幕を下ろした。1966年5月1日に開場し、公演数は2200以上、入場者数は約2340万人に達した。

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 最終公演は、在名の日本舞踊の五流派、赤堀流、工藤流、西川流、花柳流、藤間流による舞の競演「中京五流舞踊特別公演」。同公演は、一昨年に60回を迎えた歴史ある公演で、13回目の公演が同劇場のこけら落とし公演だった。昼夜公演があり、出演者が、それぞれのフィナーレで客席に記念の手ぬぐいをまいた。

 夜の部のフィナーレの後、閉場式があり、西川流の西川右近総師が、中日劇場が入居する中日ビルと縁のある長唄舞踊「島の千歳(せんざい)」を披露。運営会社の中日新聞社の白井文吾会長は「中日劇場がなくなっても、皆さんの思い出の作品は永遠に消えてなくなることはない」と話し、観客に感謝の言葉を述べた。同社の文化芸能局長で中日劇場の森茂樹支配人は「名古屋の皆様、東海地方の皆様、そして全国の皆様に中日劇場を可愛がっていただきました。心より厚く御礼申し上げます」とあいさつし、三本締めの音頭をとった。

 同劇場では、歌舞伎や宝塚歌劇、ミュージカル、コンサート、大衆劇、お笑いなど幅広いジャンルの公演が行われた。中日ビルが(中部日本ビルディング)が、老朽化により2019年3月末に閉館・建て替え工事を行うのに伴い、閉場した。中日ビルの商業施設は19年1月まで営業する。

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