アニメ質問状:「メガロボクス」 昔のセルアニメを意識した映像 「あしたのジョー」へのリスペクトも

テレビアニメ「メガロボクス」の一画面(C)高森朝雄・ちばてつや/講談社/メガロボクスプロジェクト
1 / 10
テレビアニメ「メガロボクス」の一画面(C)高森朝雄・ちばてつや/講談社/メガロボクスプロジェクト

 話題のアニメの魅力をクリエーターに聞く「アニメ質問状」。今回は、マンガ「あしたのジョー」が原案のオリジナルアニメ「メガロボクス」です。トムス・エンタテインメントの藤吉美那子プロデューサーに作品の魅力を語ってもらいました。

ウナギノボリ

 ――作品の概要と魅力は?

 「あしたのジョー」が連載開始50周年を迎えるにあたり再びアニメ化!というザックリした形で始まった企画で、監督の森山洋さんたちとさまざまな切り口案を模索した結果、今の「メガロボクス」の形に収まりました。

 舞台は近未来。ボクシングが進化したメガロボクスという競技が人気の地域で、薄暗い底辺でくすぶっていた主人公がライバルと運命的な出会いを果たし、光り輝く世界へと挑んでいく、王道の成り上がりストーリー。一番の魅力は森山監督の発想やビジュアルセンスだと思います。本人も映像もオシャレでカッコいいです!

 ――アニメにするときに心がけたことは?

 「あしたのジョー」へのリスペクトは忘れずに。でも、「メガロボクス」はオリジナルの新作アニメであるという考えの下、それぞれのキャラクター設定を作り込みました。「メガロボクス」のジョーは決して矢吹丈ではない。あくまでこの物語の主人公として魅力的になるよう描くことを大切にしました。

 古い感じの映像に関しては、森山監督の頭の中に早い段階でありました。昔のセルアニメをブラウン管のテレビで見ているような仕上がりにしたいと。強くこだわっていたので、撮影さんにも試行錯誤していただき、今の形に行き着きました。冗談半分でしょうが、監督から「テレビ局にVHSテープで納品するのは可能か?」と聞かれたときは焦りました……。

 ――作品を作る上でうれしかったこと、逆に大変だったことは?

 一番うれしく感じていることは出会いです。私にとって「メガロボクス」はプロデューサーとしてのデビュー作になります。デビューにしてはあまりにもビッグなタイトルを取り扱うこととなったので、今までにお仕事をご一緒させていただいた信頼できるスタッフと挑戦したい!という気持ちが最初からありました。その流れで監督は森山洋さん、脚本は真辺克彦さんに打診しました。そこから数珠つなぎのように最高のスタッフが集まってくれて。皆が森山監督と「メガロボクス」にほれ込んでくれ、本気で面白いものを作ろうと覚悟を決めて取り組むと、人の心を動かすことができるんだなと、日々感じています。根源にあるのは、森山監督の人としての魅力のお陰だと思います。大変なことは……予算の面ですかね……?

 ――今後の見どころを教えてください。

 「メガロボクス」は最終話を見ていただくことを大前提に1話から作り込んでいます。毎話、とにかくやることも展開も多く、見応え十分だと思います。正直、シナリオの段階では、これは30分で収まるかな?と不安に感じたときもありましたが、森山監督がうまくまとめてくださって、正直驚いています。3カ月間という限られた期間で無謀な戦いへ挑む主人公たち。この3カ月間は彼らにとって人生で最も輝いている一瞬になると思います。その瞬間をぜひご一緒に感じていただきたいです。

 ――ファンへ一言お願いします。

 手前みそですが「メガロボクス」は本当に面白いと思います! この作品がより長く、より多くの方々に見ていただけることを願っています。森山監督の名前がさらに多くの方々へ浸透し売れていくことが一番の願いです。皆さま、引き続き「メガロボクス」と「森山洋」をよろしくお願いいたします。

写真を見る全 10 枚

アニメ 最新記事