宇宙戦艦ヤマト2202:ズォーダー手塚秀彰、サーベラー甲斐田裕子に聞く 悪役は面白い

「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」に出演する手塚秀彰さん(左)と甲斐田裕子さん
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「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」に出演する手塚秀彰さん(左)と甲斐田裕子さん

 25日から新宿ピカデリー(東京都新宿区)ほかで上映される人気アニメ「宇宙戦艦ヤマト」の最新作「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」(羽原信義監督)の第5章「煉獄(れんごく)篇」。2012年公開の「宇宙戦艦ヤマト2199」の続編で、戦闘国家・帝星ガトランティスを率いる大帝・ズォーダーを演じるのが手塚秀彰さん、ガトランティスの白銀の巫女(みこ)のサーベラーと謎の女性考古学者・桂木透子を演じるのが甲斐田裕子さんだ。ズォーダー、サーベラーが活躍する第5章について、手塚さん、甲斐田さん、羽原さんに聞いた。

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 ◇ズォーダーのナレーションにどうしよう!?

 ――「ヤマト」という大作に出演が決まった際の率直な感想は?

 甲斐田さん 参加できる喜びが大きかったです。ただ、サーベラーを演じられていた小宮和枝さんとは、吹き替えの現場でよく一緒になるんですよね……。

 手塚さん 「ヤマト」はもちろん知っていましたが、見たことがなかった。最初は出演できることが実感できなかった。第1章の冒頭は、ズォーダーのナレーションから始まる。台本を見て、どうしよう!?となりました。

 羽原監督 やっぱり出だしはナレーションだな!という思いがありました。手塚さんには、重厚に演じていただきました。

 ――羽原監督は手塚さん、甲斐田さんの印象は?

 羽原監督 甲斐田さんとは(羽原監督が手がけた)「蒼穹のファフナー」でご一緒したこともありますし、サーベラー役に決まり「そうだよね!」となりました。何も言うことはないですね。手塚さんとご一緒するのは初めてで、「鳥人戦隊ジェットマン」の一条総司令の印象がありました。怖い人だったらどうしよう?と思っていたのですが、バラエティー番組にご出演されているのを見て、笑顔がすてきだったので安心しました(笑い)。ズォーダーの第一声を聞いて、「キタ!」と感じました。

 ◇サーベラーは意味深な表現を

 ――演じる際に意識していることは?

 手塚さん、傲慢で尊大な雰囲気。大きな存在です。悩んだところもありました。声を出してみて、気持ちを込めて、準備をしました。現場の空気を感じて、演じています。

 甲斐田さん サーベラ-は何体もいて、重要な役というフワッとした説明はありました。意味深な表現を意識しています。

 ――甲斐田さんは、サーベラーのコピーである桂木透子も演じています。演じ分けはどのように?

 甲斐田さん サーベラ-と桂木は別のキャラクター。サーベラーは命令するように話す。桂木は会話をしたり、キーマンを誘ったり、人を転がそうとします。悪女を演じるのは面白いですよ。

 ――悪女を演じる面白さとは?

 甲斐田さん 普段はできないところ(笑い)。自分の中にあるかもしれない感情を出すことができるから、面白いのかもしれません。

 手塚さん 私も悪役が多い。ただ、普通のサラリーマンを演じる方が難しいんですよ。悪役は楽しいですね。

 ◇吹き替えとアニメの違い アニメは難しい?

 ――手塚さんと甲斐田さんは洋画の吹き替えでも活躍されていますが、アニメとの違いは?

 手塚さん 私は吹き替えから(声優の世界に)入った。吹き替えは(俳優が演じている)音があるので、それを頼りにする。ある程度、役者に合わせる。アニメはそれがないですよね。だから、アニメの現場に初めて行ったときは、これは特別な才能だな!となりました。アニメはちょっとした表現を自分なりにできるところが面白いですね。

 甲斐田さん アニメは難しいです。いまだに緊張するんですよ。逆の人もいますよね。吹き替えには役者が演じた答えがある。それを日本語にして、違和感がないように演じます。役者の演技を読み解きます。

 手塚さん 私もアニメの方が緊張しますね。デフォルメした表現が求められることもある。難しいです。

 ――最後に第5章の見どころを教えてください。

 手塚さん 愛などのドラマがあり、それが濃く出ています。本当に面白いです。

 甲斐田さん 前半部分がデスラーの話。こういう人たちが出るんだ……と一瞬しか出演していないのに、すごい人が出ています。今後、どうなるのかも楽しみです。

 羽原監督 ズォーダーがある疑問を呈するシーンがある。あそこはシナリオを読んだ時から、(シリーズ構成の)福井(晴敏)さん、すごい!と感動した。間も含めて大事に描きました。

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