この世界の片隅に:ドラマオリジナル「現代篇」に榮倉奈々 恋人役に古舘佑太郎

連続ドラマ「この世界の片隅に」に出演が決まった榮倉奈々さん(左)と古舘佑太郎さん (C)TBS
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連続ドラマ「この世界の片隅に」に出演が決まった榮倉奈々さん(左)と古舘佑太郎さん (C)TBS

 こうの史代さんの名作マンガが原作の連続ドラマ「この世界の片隅に」(TBS系)に、女優の榮倉奈々さんが出演することが4日、明らかになった。ドラマオリジナルとなる「現代篇」に登場する女性・近江佳代を演じる。また、佳代の恋人・江口浩輔役を、NHKの連続テレビ小説(朝ドラ)「ひよっこ」の柏木ヤスハル役で注目を集めた古舘佑太郎さんが務めることも発表された。

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 「この世界の片隅に」は、「漫画アクション」(双葉社)で連載され、2009年に「文化庁メディア芸術祭」のマンガ部門優秀賞を受賞したマンガ。戦時中、広島・呉に嫁いだ18歳のすずの生活が、戦争の激化によって崩れていく様子が描かれた。劇場版アニメが16年に公開され、ロングヒットを記録。女優ののんさんがすずの声優を担当したことも話題となった。

 ドラマはヒロインのすずを松本穂香さん、すずの夫・周作を松坂桃李さんが演じ、脚本を「ひよっこ」などで知られる岡田惠和さん、演出を連続ドラマ「カルテット」「逃げるは恥だが役に立つ」(ともに同局系)の土井裕泰さんが担当。作曲家の久石譲さんが、民放連ドラでは約24年ぶりに音楽を手がける。

 今回は2018年の現代で悩み、喜び、生きる人々もドラマオリジナルで描いていくといい、榮倉さん扮(ふん)する佳代は18年夏、ある理由から東京から呉市にやってきて、「北條」と表札のある古民家を訪れる……という、73年前の広島との橋渡しをする重要な役どころとなる。

 佐野亜裕美プロデューサーは「この作品の素晴らしさは『戦時中の広島』という、私たちにとっては遠く感じる時間と場所を舞台にしていながら、自分たちと地続きのところにある物語だと感じられるところにあると思いました。その素晴らしさを表現するため、原作者のこうの先生にもアイデアをいただきながら、ドラマならではの『現代篇』をオリジナルで作りました。今を生きる私たちと、すずさんたちとをつなぐすてきな橋になるよう、精いっぱい制作していきますので、こちらも楽しみにしていただけると幸いです」と語っている。

 「日曜劇場『この世界の片隅に』 」は15日スタート。毎週日曜午後9時~同54分放送。初回25分拡大。

 ◇榮倉奈々さんのコメント

 脚本を読ませていただいたとき、いろいろな感情が起こったのですが、中でも浄化されたような気分になったことがとても印象的でした。不便な時代ではあったと思うのですが、その中で生きている人たちがみんな伸び伸びしていて、環境も時代も違ったとしても、そういう心を忘れたくないなと思いました。呉がとても魅力的で、(撮影で)来られてよかったなと感じました。この環境がとてもしっくりきました。私が演じさせていただいている佳代さんは普遍的な役だと考えています。こういう時代設定のある作品は、遠い昔の話で自分には関係ないような気になってしまうことがあると思います。佳代さんが橋渡しの役割をして現代と“つながっている”ということを視聴者の方と一緒に感じながら作っていけたらいいなと思っています。

 ◇古舘佑太郎さんのコメント

 出演が決まり、呉には個人的に訪れていたのですが、海と山に挟まれているこの街の環境がすごく心地がいいなと思っていました。変わらない部分と変わっていった部分が交差しているこの街の魅力にすでにもう影響を受けていて、撮影の前は緊張していたんですけど、始まった瞬間からリラックスしてやることができました。僕が演じるえぐっちゃん(江口)という男の子はこの作品の中で一番、広島や呉、戦争というものからかけ離れている存在です。佳代ちゃんがいなかったらこの呉には来ていないだろうし、テレビの前で見てくれている方に一番近い存在なのかなと。ですから、普通代表の男の子で最後までいきたいなと思っています。この作品を見てくださる方が、少しでも優しい気持ちになれたり、大切な人を思い出せるような、そんな作品になれたらいいなと思います。

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