人気アニメ「ガンダム」シリーズと怪獣映画「ゴジラ」シリーズがコラボしたことが話題になっている。劇場版アニメ「機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)」(吉沢俊一監督、30日公開)と「GODZILLA 星を喰(く)う者」(静野孔文監督・瀬下寛之監督、9日公開)が共に11月に公開されることを記念したコラボで、日本を代表する人気コンテンツ同士が手を組んだ。「ガンダム」シリーズを手がけるサンライズの宮河恭夫社長と「ゴジラ」シリーズを手がける東宝の取締役でチーフ・ゴジラ・オフィサー(CGO)の大田圭二さんにコラボが実現した裏側を聞いた。“トップ”の二人は、いつか「ゴジラ対ガンダム」も……という大きな夢も語り出した。
ウナギノボリ
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「ゴジラ」は言わずと知れた東宝の金看板だが、「機動戦士ガンダムNT」の配給は松竹で、配給会社の枠を超えた豪華コラボとなった。コラボが実現したのは、両作品が11月に公開されること、「GODZILLA 星を喰う者」には金色の高次元怪獣・ギドラ、「機動戦士ガンダムNT」には金色に輝くユニコーンガンダム3号機 フェネクスが登場することから“金色”つながりで……と説明されている。ナラティブガンダム、ユニコーンガンダム3号機 フェネクス、ゴジラ・アース、ギドラが描かれたコラボビジュアルが公開され、ビジュアルを使用したクリアファイル付きの前売り券が発売されている。
取材を進める中で分かったのが、2014~15年放送のテレビアニメ「ガンダム Gのレコンギスタ」の特別先行版が東宝の配給で劇場上映され、そのスタッフがアニメ版「ゴジラ」を手がけていることもあり、スタッフの熱意によってコラボが実現したようだ。
人気コンテンツ同士のコラボとなれば、しがらみもありそうだが、宮河さんが「エンターテインメントはシェア争いをしているわけではない。ヒットして、業界が活気づくことが重要。壁はあるかもしれないけど、手をつなぐことが重要。(今回のコラボは壁が)なさそうですけどね」、大田さんが「こういうコラボは、お互いに相乗効果があっていい。大きな意味で業界が盛り上がる」と話すように、トップもまた熱意があり、手をつないだ。
ガンダムとゴジラはライバルのようにも見えるが、宮河さんは「ライバル視はまったくしていない」という。大田さんは「ガンダムは来年で40周年を迎える。作り続けていることへのリスペクトが強くあります。客層が広がり、マーケティング、ターゲティングのすごさを感じています」と話し、リスペクトし合う存在のようだ。
ガンダムとゴジラのコラボは初めてではなく、今年4月に公開された映画「レディ・プレイヤー1」(スティーヴン・スピルバーグ監督)でもRX-78-2とメカゴジラが共演したので、実は“再共演”となる。宮河さんは「あれは我々が仕掛けたわけではない。ワクワクしました。(ガンダムとゴジラが)リスペクトされていたのが、一ファンとしてもうれしかった」、大田さんは「盛り上がるところでの対決だった。うれしかったですね。メカゴジラがガンダムに負けなくてよかった(笑い)」と振り返る。
今後のコラボに期待するファンも多いだろう。大田さんは「日本を代表するコンテンツなので、2020年の東京五輪ではいろいろな形でお互いフィーチャーされるかもしれません。できたら、ゴジラ対ガンダムをハリウッドが手を付ける前に制作したいという思いもあります。もっともっとコラボしていきたいですね」と明かし、宮河さんは「ゴジラ対ガンダム、見てみたいですね。『レディ・プレイヤー1』の決着を付けないと」と乗り気だ。ファンも「ゴジラ対ガンダム」を見たいはず。今後の展開が期待できそうだ。
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