俳優の船越英一郎さんが10月8日、東京・渋谷のNHK放送センターで開かれた時代劇「赤ひげ2」(NHK・BSプレミアム)の会見に登場した。新シーズン決定に笑顔を見せた船越さんだが、「『赤ひげ診療譚(たん)』が原作ですが、シーズン1で(原作の)8話全部使い切ってしまい、実は原作がない。窮地に立たされている」と明かした。「どうやって“周五郎イズム”を『赤ひげ』に持たせ続けていくことができるだろうかと考え抜いた末、素晴らしい“発明”が。山本周五郎さんが残されたたくさんの小説を、『赤ひげ』の世界に“移植”させていただいています」と新たな取り組みについて説明した。
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ドラマは、山本周五郎の小説「赤ひげ診療譚」が原作。小石川養生所の無骨で謎めいた医師で通称「赤ひげ」と呼ばれる新出去定(にいで・きょじょう、船越さん)と、赤ひげに反発しつつも医師として生きるべき道を見いだしていく青年医師の保本登(中村蒼さん)の交流を中心に、さまざまな患者や市井の人たちの姿を描く。第2弾では原作の魅力にオリジナル要素も加味されている。
会見には、中村さん、佐津川愛美さんも出席。第1弾に引き続き保本役で出演する中村さんは、「久しぶりなんですけど、これまでも一緒に撮影してきたんじゃないかというぐらい、すぐに前回の雰囲気を取り戻して、久しぶり感があまりなかった」と振り返り、「個人的には船越さんがスタジオに入られるときのごあいさつが好き。僕が言うとえらそうなんですけど、本当に気持ちが良くて。みんなにしっかりとしたあいさつを届けてくれるので、最初に聞けたときは、また『赤ひげ』の撮影が始まったなって」と第2弾の撮影の実感を語った。
中村さんの発言を聞いていた船越さんは「ありがとうございます」と照れ笑い。「スタッフも含め、なるべく一人一人と目を合わせながらあいさつをするのが、いつのころから自分の流儀に。『今日一日、つらいことをやるのだから楽しく、そして思いを込めて自分の気持ちをできる限り、それぞれのポジション、部署で作品に乗っけようね』という思いを交換し合うということが現場でのあいさつだと思っている」と意図を説明するも、直後に「カッコよく言い過ぎですかね」と照れ笑いして、周囲を笑わせていた。
船越さんは、今作について「昨今、時代劇や人情ドラマを真っ正面から作るというのは、それほど数が多いといえない。その中で『赤ひげ』は、日本人の心の原風景を描いた作品」と魅力を語り、「とにかく火を消さずに続けて皆さんに見ていただくことが、半ば使命のように感じております。私のライフワークとなるよう願ってやまない」と力強く宣言していた。
「赤ひげ2」」は、11月1日からNHK BSプレミアムで毎週金曜午後8時に放送。全8回。
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