山本耕史:「仮面ライダー1型」変身ポーズに込めた意味 映画「令ジェネ」を語る

劇場版「仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション」に出演している山本耕史さん
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劇場版「仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション」に出演している山本耕史さん

 特撮ドラマ「仮面ライダー」シリーズの最新映画「仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション」(杉原輝昭監督)が12月21日から公開される。冬の仮面ライダー映画シリーズの新作で、令和初の仮面ライダー「仮面ライダーゼロワン」の誕生秘話が明らかにされるほか、最後の平成仮面ライダー「仮面ライダージオウ」が選んだ本当の終幕が描かれるという。「仮面ライダーゼロワン」の主人公・飛電或人(高橋文哉さん)の父でヒューマギアの其雄を演じる山本耕史さんは、映画で「仮面ライダー1型」に変身。変身について、「最初はちょっと照れくさいって正直どこかあった」と話す山本さんに、変身シーンの撮影の感想や変身ポーズに込めた意味、好きだった特撮作品などについて聞いた。

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 ◇子供のころにハマっていたのは戦隊もの

 1976年生まれの山本さんが子供のころにハマっていたのは、スーパー戦隊ものだという。「『太陽戦隊サンバルカン』とか『大戦隊ゴーグルファイブ』、『科学戦隊ダイナマン』、あと『宇宙刑事ギャバン』『宇宙刑事シャイダー』の『宇宙刑事』シリーズ」と当時見ていた作品を挙げ、「『仮面ライダー』だと再放送で見ていたのが『V3』かな。もちろん仮面ライダーは知っていましたけど、僕の世代は『仮面ライダー』が幼少期にやっていなかった」と残念がる。

 さらに「『ペットントン』とか『(魔法少女)ちゅうかなぱいぱい!』とかも見ていました」と懐かしそうに話し、「久しぶりに『仮面ライダー』という世界観に触れてみると、あのころ後楽園ゆうえんちに行ってヒーローが出てきたときの興奮を思い出しました」と語る。

 「ゼロワン」では夢や親子の絆が一つのテーマとして織り込まれており、其雄もテレビシリーズ第1話で或人に夢について語りかける場面もあった。山本さんは「ヒーローが子供たちの人生に与える影響って結構大きいと思う。意外と子供のころに見たもので大人って成り立っている気さえする」と持論を語り、「夢とか負けない気持ちとかを丁寧に作品に託して盛り込んでいるっていうのは、とても考えられた“教育”みたいなところもある。あきらめちゃいけない精神とかもすごく組み込まれている」と分析する。

 ◇仮面ライダー1型への変身ポーズに込めた意味

 映画の予告編で山本さん演じる其雄が「仮面ライダー1型」に変身する映像が公開されて話題を集めたが、「撮影のときにスタッフさんに『変身ポーズ、どうしますか』と言われたので、変身ポーズを自分が決めるのか確認すると、『いつもその方に決めてもらう』と」言われたことを明かし、「じゃあ指を何度もならす動作とか、変身は大体数秒だけど3分かけてもいいのかなどを尋ねた」という。

 「仮面ライダービルド」の劇場版「劇場版 仮面ライダービルド Be The One(ビー・ザ・ワン)」で仮面ライダーブラッドに変身した勝村政信さんの話題にもなったといい、「勝村さんが、『俺は変身ポーズをしない』って言って映画に出たら、後で『やっぱり変身のときはポーズをしておけばよかった』と後悔していたらしい」と山本さんは話し、「自分は絶対、変身ポーズをしたい。ただ、もう何十というライダーが変身ポーズしてきているので、『どういうのがありますか?』と聞いたら、『或人が手を外から内に回すので、例えば逆から入って……』などと提案してくれた」という。

 それを聞いた山本さんは、「歴代ライダーはみんなババッて(素早い動作で)いくから、最初ちょっと静かにいきたいなって。スッと構えているところからバッていきたいというイメージを伝えて。そういった中で、親子である或人の変身ともちょっとリンクさせたようなイメージでやりました」と変身ポーズ完成の経緯を語る。

 ◇子供と一緒に変身ポーズを…

 「仮面ライダーゼロワン」でAI(人工知能)がテーマになっていることを、「すごいテーマで攻めてきたなと思うし、AIって今の時代ドンピシャ。ただ、そこに怖さもある。作品に関わってみて、子供のころの怖さとか不思議さを思い出しました」と山本さん。

 映画の見どころを聞くと、「やっぱり自分が変身するところかな」といい、「あとは技術。編集の段階のものを少し見せてもらったけど、まるでハリウッド映画みたいだった。戦っているところもキャラクターがきちんと区別できているというのかな。戦い方にキャラクターがあるところもすごい」と完成度の高さに驚く。

 それ以外のシーンでも、「せりふをしゃべっているシーンは、いつもと変わらず伝えるべきものは伝えるように演技をしたし、子供向けに何かをしたということもない。一生懸命やらせてもらったから、自分でも劇場に見に行きたい」と自信をのぞかせる。

 子供と見に行くのかと水を向けると、「まだ早くて、『ゼロワン』を見ていなかったのですが、変身ポーズの練習がてらに変身ベルトを貸していただき、一緒におもちゃの変身ベルトをいただいて、それを子供に渡したら毎日遊んでいる。それから見だした」と明かし、「お父さんが出るっていうのも分かったと思うので、映画が始まる時期が楽しみ。一緒に変身ポーズとかしてみたいね」と父の顔で優しくほほ笑んだ。(取材・文・撮影:遠藤政樹)

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