昨年、“100作目の朝ドラ”として注目を集めた連続テレビ小説「なつぞら」をはじめ、時代劇「螢草 菜々の剣」、特集ドラマ「マンゴーの樹の下で~ルソン島、戦火の約束~」といったNHKのドラマに次々と起用され、改めてその演技が高く評価された清原果耶さん。ほかにもヒロインを務めた映画「愛唄 -約束のナクヒト-」「デイアンドナイト」が連続公開されるなど、「2019年ブレーク女優」の筆頭に挙げられるほどの活躍を見せた。そんな清原さんをはじめ、この春に高校を卒業し、さらなる飛躍の時を迎えようとしている、2001年度生まれの次世代ヒロインを紹介する。
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朝ドラヒロインに最も近い位置にいる若手女優とされるのが、清原さんだ。2002年1月30日生まれ、大阪府出身で、女優デビューは2015年度後期の朝ドラ「あさが来た」だった。同作以降も数々のドラマや映画に出演。順調に活躍の場を広げると、初主演作となったNHK連続ドラマ「透明なゆりかご」(2018年)では、小さな町の産婦人科医院で「命」を見つめる看護師見習い・アオイ役に挑戦し、主人公の「命」への祈りにも似た思い、気持ちの揺れ具合を繊細に表現するだけにとどまらず、物語にとって非常に重要なモノローグでは「語り」という才能も発揮した。
このアオイ役で昨年、「東京ドラマアウォード」の主演女優賞を受賞。今年に入ってからも「エランドール賞」の新人賞が贈られた。今年はすでに、情報が解禁されているだけで、4本の出演映画の公開が控えていて、そのうちの1本となる「宇宙でいちばんあかるい屋根」(2020年秋公開)は、初の単独主演映画となっている。
高校卒業後は進学せず女優業に専念することを明かしている清原さん。「なつぞら」で清原さんの姉を演じ、ファッション誌「Seventeen(セブンティーン)」(集英社)の専属モデルとしても先輩・後輩の間柄だった広瀬すずさんも、高校卒業後は進学を選ぶことなく、その年の末に朝ドラヒロインに抜てきされており、清原さんが広瀬さん同じルートをたどったとしても、驚く話ではないだろう。
そんな清原さんに続く存在が、森七菜さんだ。昨年1月期に放送された連続ドラマ「3年A組-今から皆さんは、人質です-」(日本テレビ系)で注目され、新海誠監督の劇場版アニメ「天気の子」では、ヒロイン陽菜の声優を務めた、伸び盛りの18歳。月刊情報誌「日経トレンディ」(日経BP社)が選ぶ「2020年の顔」にも選ばれ、期待値は抜群に高い。
2001年8月31日生まれ、大分県出身。2016年に大分県内でスカウトされ、芸能界入りした。2017年に人気グループ「嵐」の櫻井翔さん主演の連続ドラマ「先に生まれただけの僕」(日本テレビ系)で生徒役を務め、同年は、映画「心が叫びたがってるんだ。」にも出演。2018年には、連続ドラマ「獣になれない私たち」(同局系)で田中美佐子さんの高校生時代を演じたことも話題を呼んだが、一般の視聴者に“発見”されたのは、やはり「3年A組」からだろう。
「天気の子」公開を経て、2019年の10月には、映画「男はつらいよ」の主人公・車寅次郎(寅さん)の少年時代を描いたNHKドラマ「少年寅次郎」に、“初代マドンナ”のさとこ役で出演した。制作統括の小松昌代さん(NHKエンタープライズ)は森さんを、「イマドキ可憐(かれん)」と表現。さとこが使う山形弁を、普段からしゃべっている言葉のように自分のものに引き寄せてしまう感じから、「この先、彼女はすごいことになるんじゃないか」ととても驚いたといい、「それこそ清原(果耶)さんもすごいと思いますけど、森さんの芯の強さも負けていないと思います」と太鼓判を押していた。
同学年という以外にも清原さんと森さんには共通点があり、森さんは昨年末から今年1月にかけ開催された「全国高校サッカー選手権大会」で応援マネジャーを務めたが、前任者は清原さんだった。また、清原さんは「なつぞら」でヒロインの妹を演じたが、森さんも3月30日から始まる102作目の朝ドラ「エール」で、二階堂ふみさん扮(ふん)するヒロイン(主人公の妻)の妹役で登場することが決まっていて、注目度はさらに増すことだろう。
今年1月、体調不良による活動休業から復帰を果たした高橋ひかるさんもこの春、高校を卒業。2001年9月22日生まれ、滋賀県出身で、2014年開催の「全日本国民的美少女コンテスト」で8万1031人の応募者の中からグランプリに選ばれると、2016年公開の映画「人生の約束」で女優デビュー。翌2017年には、NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」でドラマ初出演を果たし、信濃からやってきた謎の少女・高瀬として話題となった。
高橋さんも、清原さんや森さんと同様、「全国高校サッカー選手権大会」応援マネジャーの経験者。応援マネジャーは過去には新垣結衣さん、川口春奈さん、広瀬さん、永野芽郁さんらが務め、若手女優の登竜門ともいわれている。また高橋さんのことを、石原さとみさん主演で2018年に放送された連続ドラマ「高嶺の花」(日本テレビ系)の“コスプレ少女”として覚えている人も多いだろう。
女優としての出演作は、昨年4月期の連続ドラマ「俺のスカート、どこ行った?」(同局系)までで止まっているものの、女性ファッション誌「Ray(レイ)」(主婦の友社)の専属モデルとしても活躍する高橋さんの、今後の動向にも注目だ。
最後に、今年1月、アイドルグループ「欅坂46」から脱退した平手友梨奈さんも、清原さんらと同じく2001年度生まれ。グループ在籍時の2018年、柳本光晴さんの人気マンガを実写化した「響 -HIBIKI-」で映画初出演&初主演を務めると、デビュー小説で芥川賞と直木賞を同時受賞した天才女子高生作家・鮎喰響(あくい・ひびき)を演じ、翌年の「日本アカデミー賞」で新人賞に選ばれた。
今月に入ってから、岡田将生さんと志尊淳さんがダブル主演する映画「さんかく窓の外側は夜」にヒロイン役として出演することが発表された。物語のキーパーソンで“呪いを操る”女子高生のヒウラエリカを演じるという。
同作が欅坂46脱退後、個人として初の活動となり、“女優・平手友梨奈”の試金石となる作品となるのではないだろうか。その演技に期待したい。