大友克洋さんのマンガが原作の劇場版アニメ「AKIRA」の4Kリマスター版が、TOHOシネマズ日比谷(東京都千代田区)ほかIMAXシアターで公開された。1988年の公開から30年以上がたつが、今もなお語り継がれる名作だ。IMAXで4Kリマスター版として生まれ変わった名作の映像、サウンドを体験した。
ウナギノボリ
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「AKIRA」は1982~90年にマンガ誌「週刊ヤングマガジン」(講談社)で連載されたマンガ。アニメは、原作者の大友さんが監督を務め、製作期間3年、総制作費10億円という当時のアニメとしては破格の時間、労力、アニメ技法を費やして製作された。今回は、4Kリマスター版のブルーレイディスク「4Kリマスターセット」が4月24日に発売されることを記念してIMAXシアターで上映されることになった。
「AKIRA」は、そもそも情報量の多いアニメだ。2019年のネオ東京は、美しい未来の街ではなく、退廃的な空気が漂っている。4Kになることで、街の細部の描き込みが、これまで以上によく分かる。特に壁や看板の汚れなどが目立ち、退廃的な空気がより濃くなったようにも見える。飛び散るコンクリートの破片の一つ一つがはっきり見えるなど情報量が増えたことで、よりリアリティーが増し、作品への没入感が高まった。何度も見ているはずなのに、新鮮に見えるから不思議だ。「これ、手描きなんだよな、約30年前のアニメなんだよな!?」と改めて驚かされた。
音楽監督の山城祥二さんの指揮で5.1チャンネルにリミックスされたサウンドも大迫力だ。ガムランの打楽器の音の粒が明確になったほか、オルガンの倍音の響きも心地いい。バイクのタイヤのきしみ音などSEも生々しく、奥行きのあるサウンドに圧倒された。没入感が高まったのは、サウンド面の強化によるところも大きいのだろう。
「公開から30年以上経ても、なお色あせない名作」というのは、4Kリマスター版の宣伝文句だが、全くその通りだ。30年以上たっても「AKIRA」が衝撃的な作品であるのは変わりない。4Kリマスター版を見れば、名作の新たな魅力を発見できるはずだ。
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