ドラゴンボールDAIMA
第6話 イナヅマ
11月18日(月)放送分
「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載中の芥見下々(あくたみ・げげ)さんのマンガが原作のテレビアニメ「呪術廻戦」。原作でも人気のキャラクターの五条悟(ごじょう・さとる)の声優を務めるのが中村悠一さんだ。五条悟はひょうひょうとしているが、圧倒的な強さを誇るキャラクター。中村さんは、圧倒的な強さを表現し、最強のキャラクターを演じることを「難しい」と明かす。中村さんに、五条悟の演技について聞いた。
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「呪術廻戦」は、強力な“呪物”の封印が解かれたことで、高校生の虎杖悠仁(いたどり・ゆうじ)が呪いを巡る戦いの世界に身を投じることになる……というストーリー。2018年から「週刊少年ジャンプ」で連載中。コミックスのシリーズ累計発行部数は850万部以上。アニメは、榎木淳弥さんが虎杖悠仁を演じるほか、声優として内田雄馬さん、瀬戸麻沙美さん、諏訪部順一さんらが出演する。MBS・TBS系の深夜アニメ枠「スーパーアニメイズム」で放送中。
中村さんが演じる五条は、東京都立呪術高等専門学校の教師で最強の呪術師。中村さんは、五条について「一話一話収録する度にイメージが変わる」と感じているという。
「原作を読んでもそうなんですが、新しいエピソードを読む度に、こういう面があるんだ……と気付く。とはいえ、極力統一感を持たせたいですし、一話一話トライをしながら、キャラクターを肉付けしています。印象的だったのが、虎杖の祖父が死んで、虎杖と五条が話すシーン。テストの時、音響監督さんから『(五条が虎杖に)寄り添いすぎて優しすぎる』とお話がありました。五条は、死に近い存在で、死を悲しいとは感じない。ずっと戦ってきた人生で、死んでいく人をたくさん見ているし、ほかの人とは死の捉え方が違う。改めてそのことに気付きました」
中村さんは、これまでも数々の人気キャラクターを演じてきた。だが、「皆さんのイメージは分からないけど、僕は圧倒的に強い役をこれまでそんなにやっていない。これだけ強いキャラクターを演じるのは難しいですね」とも話す。
「五条が能力を発揮する際、自然でごく当たり前のようにやります。敵を圧倒する際、絵で圧倒していることを見せることができても、僕にはできない。そこが難しいんです。術式を発動させるシーンでも、僕は全力ですが、やった感が薄いんです。消化不良感があるというか……。気持ち的には『うおーっ!』と言いながら殴る方が楽ではあるんですよね。温度感が合っているのかな?となる。圧倒的なポジションをよく演じる人に聞くと『知らね』と言われて(笑い)。五条を成立させるためにいろいろ考えていて、今は引き算を試しています。全力から余分なものをそいでいます」
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、アニメのアフレコは最少人数で行われる現場が多い。「呪術廻戦」も3人ずつ程度のグループに分けて、アフレコが行われているという。中村さんはアフレコの様子を「虎杖、家入、夜蛾学長辺りと収録することが多いですね。グループに分かれていて、入れ替えの際に次のグループの人たちとよく雑談しています。寂しん坊たちが集まっていて、(島崎)信長がなかなか帰りません(笑い)」と明かす。
中村さんがアフレコで一緒になることが多いのが、虎杖役の榎木さんだ。中村さんは、榎木さんについて「僕とはアプローチが全然違う役者」と語る。
「榎木君は、ほかの現場で一緒になった時も思っていたけど、僕とはアプローチが違って、そこが面白いし、勉強になります。僕とは対極のアプローチをする役者です。そういう点では面白いし、勉強になります。榎木君は、虎杖が顕著なんですけど、ニュートラルなんですよね。ある種、自然体なんです」
榎木さんとの共演で刺激を受けている。
「僕は自然体で演じたつもりでも、そうは見えない。自慢とかではないのですが、過去に『自然にやってほしい』と言われて、自然に演じたつもりが『格好いいね。でも、違う』と言われたことがあったんです。どこかキザになってしまうような……。榎木君がキザな芝居ができないのではなく、そこをカットした芝居ができる。僕はそれを引き出しの一つにしたいし、ニュアンスを盗みたいと思うけど、できないんです」
「呪術廻戦」の魅力を「ダークなところかな? 影、闇の匂いがする作品で、熱量、濃さがあります。アニメに向いている作品なのかもしれません。丁寧にアニメを作っています。先が気になるはずです」と語る中村さん。声優陣の熱量、濃さの詰まった演技を期待できそうだ。
※注:島崎信長さんの「崎」は立つ崎(たつさき)
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