半妖の夜叉姫:「犬夜叉」から受け継ぐバトン 殺生丸、犬夜叉の娘たちの「自分探し」描く

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テレビアニメ「半妖の夜叉姫」の一場面(C)高橋留美子/小学館・読売テレビ・サンライズ 2020

 高橋留美子さんの人気マンガ「犬夜叉」の殺生丸、犬夜叉の娘たちが登場するテレビアニメ「半妖の夜叉姫」(読売テレビ・日本テレビ系、土曜午後5時半)。テレビアニメ「犬夜叉」「犬夜叉 完結編」のプロデューサーを務め、「半妖の夜叉姫」に企画協力として参加するytv Nextryの諏訪道彦さんは、殺生丸の娘である双子のとわとせつな、犬夜叉とかごめの娘であるもろはの3人のヒロインの「自分探し」が作品の軸といい、「それは犬夜叉の世界のキャラクターからのバトンなんです」と語る。諏訪さんにアニメの見どころを聞いた。

 ◇娘たちの運命 殺生丸、犬夜叉の新たな一面 せつなととわの母親は…

 「犬夜叉」は「週刊少年サンデー」(小学館)で1996~2008年に連載。妖怪と人間との間に生まれた半妖・犬夜叉と、神社の娘で戦国時代にタイムスリップした女子中学生・日暮かごめが冒険を繰り広げる姿が描かれた。テレビアニメ「犬夜叉」が2000年10月~2004年9月、「犬夜叉 完結編」が2009年10月~2010年4月に放送。劇場版アニメ4作も公開された。

 「半妖の夜叉姫」は、殺生丸と犬夜叉の娘たちをメインキャラクターとした新しい物語。殺生丸の双子の娘・とわとせつな、かごめと犬夜叉の娘・もろはの3人が、現代、戦国時代と時を超えて縦横無尽に暴れ回る姿を描く。「犬夜叉」と同じくサンライズが制作。「犬夜叉 完結編」の副監督だった佐藤照雄さんが監督を務め、隅沢克之さんがシリーズ構成、高橋留美子さんがメインキャラクターデザイン、菱沼義仁さんがアニメーションのキャラクターデザイン、和田薫さんが音楽を担当するなど「犬夜叉」のスタッフが再結集する。

 犬夜叉ワールドの“その後”を描くことは、諏訪さんはじめアニメ「犬夜叉」制作チームの念願だったという。諏訪さんは、何年もかけて高橋さんにアプローチし、「半妖の夜叉姫」としてその念願は実現。高橋さん自身もメインキャラクターデザインとして作品に携わることになった。

 「半妖の夜叉姫」では、犬夜叉ワールドに魅了されたアニメ制作スタッフがストーリーを手掛け、「犬夜叉」を知らない世代にもその世界を届けたいという思いがあった。タイトルにある「半妖」は殺生丸の娘たちを指しており、双子のとわとせつなの物語から始まるという。とわとせつなは、幼い頃、森の火事に巻き込まれて離ればなれになり、とわは、時空を超える時代樹(じだいじゅ)のトンネルをくぐり抜け、現代へタイムスリップする。そして、10年後に再び時代樹のトンネルが開かれ、姉妹は再会する。そこに、もろはも加わり、3人の物語が展開していく。

 「3人のヒロインがそれぞれの運命に翻弄(ほんろう)されながら、出生の秘密が明かされていきます。娘たちの自分探しが作品のテーマ。それは、『犬夜叉』の世界のメンバーからのバトンなんです。『犬夜叉』では、かごめの実家の神社にある骨喰(く)い井戸が現代と戦国を結んでいましたが、今回は時代樹のトンネルが二つの時代を結ぶ。時代樹が井戸の部材だということは、劇場版第1作の「犬夜叉 時代を越える想い」(2001年)にも登場していて、その設定を生かしました」

 さらに、娘たちの運命を描くことで、視聴者に「犬夜叉ワールドの理解を深めてもらえるかもしれない」という。

 「娘たちの世界は、『犬夜叉』の世界の延長線上にあるので、娘たちのストーリーからこれまで描かれていなかった殺生丸や犬夜叉の一面も見えてくる。また、娘たちは、殺生丸、犬夜叉の血を引いているので、それがどう表れているのかも注目していただけるとうれしいですね。弥勒と珊瑚の息子も登場しますし、遺伝子が次世代に繋(つな)がっているということも分かると思います。殺生丸の娘のせつなととわの母親もストーリーの中で明かされるので、楽しみにしていただけたら」

 ◇犬夜叉ワールドの魅力を受け継ぐ新たな物語

 「半妖の夜叉姫」は、シリーズ構成の隅沢さんが「犬夜叉」の世界観を大事にし、高橋さんともやり取りをしながらストーリーを作り上げた。諏訪さんは、「半妖の夜叉姫」にも引き継がれる犬夜叉ワールドの魅力を「犬夜叉ご一行様のチーム感、ファミリー感」と表現する。

 「『水戸黄門』や『ONE PIECE』にも描かれていますが、ご一行様、ファミリーの感覚がすごく大事だと思っています。今回の3人のヒロインのチームは、くっつきそうでくっつかないけれど、結果協力し合う。私としてはその結束を見てほしい。ファミリーは、それぞれ都合、事情を抱えているけど、それを乗り越えて協力する。犬夜叉ご一行様を通して描かれたものを、今回は3人のヒロインに置き換えた」

 さらに、犬夜叉ワールドの「異種混合があって当たり前の世界も素晴らしい」と続ける。

 「半妖もいれば、人間もいれば、妖怪もいる。その区別に関係なく、同じ言葉を話して、全てが混合している世界が素晴らしい。その世界観には『一人じゃない』というメッセージも含まれているのではないかと思います。せつなは『一人でいい』と思っているのですが、途中で『それは違う』と気付きます。犬夜叉も殺生丸も一匹狼(おおかみ)でもよかったかもしれないのに、そうはならなかった。そこに魅力を感じますね」

 「半妖の夜叉姫」では、ストーリーはもちろん、音楽も「犬夜叉」との繋がりを感じさせるものになっているという。

 「今回も和田さんが音楽を手掛けてくださった。犬夜叉シリーズの劇伴でメインテーマ曲の『半妖 犬夜叉』も和田さんの代表曲になるような素晴らしい楽曲ですが、新たな音楽にも注目してほしいです。『半妖の夜叉姫』では『半妖 犬夜叉』と新たな楽曲の両方が使われます。私の中では、新旧の音楽を聴いて、二つの物語が一体になった感覚がありました。うれしくて背中がゾクッとしました」

 諏訪さんは、「犬夜叉」世代はもちろん、「犬夜叉」を知らない世代にも「半妖の夜叉姫」を楽しんでほしいと語る。放送枠としては、土曜の夕方に「半妖の夜叉姫」から「名探偵コナン」が続いていくこともあり、「『犬夜叉』と『コナン』を続けて見てくださった世代がいるように、今の子供たちが『夜叉姫・コナン』世代になってくれたらうれしいですね」と力を込める。

 今もなお根強い人気の犬夜叉ワールド。その新たな物語に注目だ。

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