宇宙戦艦ヤマト:現代の鏡像としての総集編 「2205」はどうなる!? 福井晴敏、山寺宏一に聞く

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「宇宙戦艦ヤマト 2199」「宇宙戦艦ヤマト 2202 愛の戦士たち」でデスラーを演じた山寺宏一さん(左)と「宇宙戦艦ヤマト 2202 愛の戦士たち」のシリーズ構成を務めた福井晴敏さん

 人気アニメ「宇宙戦艦ヤマト」シリーズの「宇宙戦艦ヤマト 2199」「宇宙戦艦ヤマト 2202 愛の戦士たち」の総集編「『宇宙戦艦ヤマト』という時代 西暦2202年の選択」が1月15日に上映される。「2202」のシリーズ構成を務めた福井晴敏さんが、新たな切り口で総集編として再構成し、1969年の人類月面着陸から2042年の火星到達、2202年のガトランティス戦役まで人類とヤマトの航海の歴史をまとめた。ただの総集編ではないのが「『宇宙戦艦ヤマト』という時代」の魅力だ。福井さん、「2199」「2202」でデスラーを演じた山寺宏一さんに総集編について聞いた。上映を控える「宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち」についても話題がおよび……。

 ◇「2202」で全て腑に落ちた

 --「宇宙戦艦ヤマト」との出会いは?

 山寺さん 中1の時にテレビアニメが始まりました。当時は「アニメは子供のもの」というイメージもあったんですよね。でも、これはすごい!となり、毎週、夢中になって見ていました。声変わりをする前から、古代のものまねをしていました。出ない声でデスラーの声をまねしたり(笑い)。古代役の富山敬さんは「タイガーマスク」の伊達直人も演じられていたんだ!と知ったり、声優を意識した作品の一つでもありました。

 福井さん 流行していた時、僕はまだ小さかったのですが、子供にもブームが降りてきた時があって、再放送でちゃんと見ました。小学4年生の時、ブラウン管を前に最終回にに滂沱(ぼうだ)の涙を流しました。

 ー-山寺さんはデスラーを演じていますが、福井さんが手がけた「2202」でデスラーを演じる中で感じたことは?

 山寺さん 「2202」で福井さんがデスラーを掘り下げ、全てが腑(ふ)に落ちました。兄が優秀でコンプレックスを持っている。過去が描かれたことがうれしかったです。難しいですが、難しいほどやりがいがあるし、演じることに喜びがありました。

 福井さん デスラーは作品によって、捉え方が変わるキャラクターです。1作目は超人的な帝王だったけど、「さらば」で古代たちの人間的な姿を見て、最後に悟って死んでいきます。帝王から亡国の王子様になった。「2202」は原作を踏襲しつつ、分かりやすく作りました。

 山寺さん 「2202」からキーマンが出てきて、ちゃっかりヤマトに乗っているし、格好いい。最初はデスラーが出てこなかったので、何だこれっ!?と(笑い)。でも、つながりが分かってからは、いとおしくなりました。

 ◇結果として近現代史に近くなった

 --山寺さんが総集編を見て感じたことは?

山寺さん いわゆる総集編的なものかと思ったら、頭からびっくりしました。新しい切り口で見ることができ、感動しました。沢城みゆきちゃんもナレーションで大活躍! 報道番組みたいでした。

 福井さん そこは狙いです。

 --ドキュメンタリー風にした理由は?

 福井さん 「『宇宙戦艦ヤマト』という時代」とはどんな時代か? 身も蓋(ふた)もないけど、毎年のように新しい宇宙人が攻めてくる。それはないよな? マンガ的すぎるかな?とも思うけど、今のご時世は毎年のように災害が起き、来年辺り、宇宙人が来ても驚かないし、何が起きてもおかしくない時代。「宇宙戦艦ヤマト」を現代の鏡像として描ける時代になってしまった。そこを感じていただけるようにドキュメンタリーにしたんです。

 --総集編としてまとめる中で核となったところは? 真田志郎の視点で語られるところも斬新です。

 福井さん 「宇宙戦艦ヤマト」は、古代進という男の物語と思っています。そこをブレずにしたかった。ただ、古代が語ってしまうと偏ったものになる。そこを引いて見るということで、真田という人選でした。誰が何をしたか?という人間ドラマを根本にしているので、今まで「宇宙戦艦ヤマト」シリーズを見たことがない人でもスッと入っていけると思います。

 --総集編を通じて改めて感じた「宇宙戦艦ヤマト」の魅力は?

 山寺さん ドキュメンタリー風に作られていて、絵空事ではなく、すごくリアルな物語です。今、世界で不安が広がっていることもあり、リアルに感じたところもあります。真田さんの目線で語られ、さらなる感動を覚えました。

 福井さん 基本的に現代の写し絵だと思っています。(脚本の)皆川ゆかさんや(設定アドバイザーの)玉盛順一朗さんらと総力で作りました。200年間、戦争がなくて、慰霊のモニュメントとしてヤマトを作るという発想は私にはなかった。「宇宙戦艦ヤマト」でいろいろな災害、疫病を乗り越えた200年は、われわれにとってバブルのようなもの。1990年代に雲行きが怪しくなったのは、火星の反乱……と結果として近現代史に近くなった。面白いところですね。

 ◇不安が続く時代に描いた「2205」

 -ー今年は「宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち」が公開されます。どんな作品になりそうですか?

 山寺さん アフレコに参加しているけど、先のことを知らないんですよ。キャストに説明がないんです。台本を見て、知るんですね。意外に説明がないのは、ほかの作品もそうなんですけど。

 福井さん 旧作の「宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち」を見た方の期待にはほぼ応えているはずです。ただ、やっていることが一緒でも言っていることが違います。

 山寺さん 頭から大変なことになっていますよ。いきなり疲れました(笑い)。ええ!ということが起こって、次に希望の光が見えて……とゾワゾワしたところもあります。

 福井さん 震災後10年の気分が「2202」としたら、不安が続く時代に描いたのが「2205」です。今の状況を捉え直しています。希望という言葉が空回りしがちだけど、言葉の重さ、大事さを確認できるはずです。

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