森七菜:ニューヒロインの誕生 快進撃さらに加速 「ラストレター」「エール」…「恋あた」締め!

森七菜さん
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森七菜さん

 12月22日に最終回を迎えた連続ドラマ「この恋あたためますか(恋あた)」(TBS系)で主演を務めた女優の森七菜さん。数多くのヒット作を送り出してきたTBS系“火10枠”での放送ということで注目を集めた同ドラマで森さんは、21歳のコンビニアルバイト・井上樹木に扮(ふん)し、コンビニチェーンの社長・浅羽拓実役の中村倫也さんと恋愛模様を繰り広げた。最終回の平均視聴率(世帯)は番組最高となる11.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。SNSでの反響も右肩上がりで盛り上がり、視聴者も劇中の森さんの姿から「ニューヒロイン誕生」を感じ取ったのではないだろうか。昨年1月期放送の連続ドラマ「3年A組-今から皆さんは、人質です-」(日本テレビ系)から続く快進撃はさらに加速した印象の、森さんの2020年の活躍を振り返りたい。

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 ◇歌手デビューにナレーション、初写真集も

 森さんは2001年8月31日生まれ、大分県出身。2016年に県内でスカウトされ、芸能界入り。2018年に連続ドラマ「やけに弁の立つ弁護士が学校でほえる」(NHK)でいじめにより自殺未遂事件を起こす生徒、「獣になれない私たち」(日本テレビ系)で田中美佐子さんの独身時代を演じ、にわかに注目を集めるようになるが、一般の視聴者に“発見”されたのは、やはり昨年1月期放送の連続ドラマ「3年A組-今から皆さんは、人質です-」(同局系)で、電脳部所属の“アニメ大好き小動物系クイーン”堀部瑠奈を演じてからだろう。

 同年は、森さんがヒロイン陽菜の声優を務めた、新海誠監督の劇場版アニメ「天気の子」が7月に公開され大ヒットを記録。10月には、映画「男はつらいよ」の主人公・車寅次郎(寅さん)の少年時代を描いたNHKドラマ「少年寅次郎」に、“初代マドンナ”のさとこ役で登場し、出番は決して多くはなかったものの、ここでも視聴者に強い印象を残した。

 2019年11月の時点で、月刊情報誌「日経トレンディ」(日経BP社)の「2020年の顔」に選ばれていた森さんだが、2020年に入ると快進撃はさらに加速する。1月公開の岩井俊二監督の映画「ラストレター」では、一人二役をこなし、主題歌「カエルノウタ」で歌手デビュー。3月末にはNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「エール」がスタートし、大きなメガネがトレードマークの文学少女“梅ちゃん”として人気を集めると、第14週(9月14~19日)では、“梅ちゃん”とお笑いトリオ「ハナコ」の岡部大さん扮(ふん)する“五郎ちゃん”の恋模様が描かれ、無事2人が結婚した際には視聴者から祝福の声が上がったほどの、愛されぶりだった。

 「エール」レギュラー出演と並行して、7月には自身が出演する「オロナミンC」(大塚製薬)のCMソング「スマイル」(ホフディランのカバー)を配信限定リリースし、8~9月に放送された眞島秀和さん主演のドラマ「おじさんはカワイイものがお好き。」(読売テレビ・日本テレビ系)ではナレーションを担当。8月28日公開の映画「青くて痛くて脆(もろ)い」(狩山俊輔監督)では、どこか少年っぽくもある音楽好きの不登校少女を熱演すると、19歳の誕生日に合わせて31日には、ファースト写真集「Peace」(ギャンビット)を発売し、好評を博した。

 ◇「未来の朝ドラヒロイン」に推すドラマファンも

 さまざまなジャンルで大活躍となった2020年について、以前「『エール』も、『この恋あたためますか』の主演っていうのも、ホントにすごいことだなって思いますが、(昨年の)『天気の子』も『3年A組』も、本当に作品の力が大きくて。また作品に助けられる年だなというのをすごく感じていて……」と話していた森さん。

 連ドラ初主演作「恋あた」の盛り上がりに関して言うと、共演の中村さんや仲野太賀さんの見事なキャラクター造形や演技巧者ぶりに負うところも大きかったが、その点に関しても本人は自覚的。

 「このお仕事を始めて、まだ4年しかたっていないんです。それでも、私よりももっとやって来た方と対等に“大人”として扱われるから、そこがちょっとだけコンプレックスでもあるんです。(キャリアが)短くて、その分未熟だなと思う部分もあるので、早く埋めないといけないという焦りはちょっとあります。そこを埋めていくことを頑張りたいというのはありますね」と語っていた。

 一方で、見ための可憐(かれん)さや役に入ったときの“強さ”から森さんを、「未来の朝ドラヒロイン」に推すドラマファンも一定数いることもまた事実。森さんにとって2020年は次なるステップに向け、実りある1年であったことは間違いないはずだ。

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