高野麻里佳:初主演作「エデン」 “声優じゃないとできない”挑戦も

「エデン」高野麻里佳取材
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「エデン」高野麻里佳取材

 アニメ「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」で知られる入江泰浩さんが監督を務め、「カウボーイビバップ」などの川元利浩さんがキャラクターデザインを担当するオリジナルアニメ「エデン」が、5月27日からNetflixで全世界に配信される。主人公の少女・サラを演じるのは人気声優の高野麻里佳さんだ。高野さんは「それが声優!」「ウマ娘 プリティーダービー」などに出演してきた人気声優で、「エデン」は初主演作となった。高野さんに「エデン」への思い、演技について聞いた。

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 ◇プレッシャー、責任感も

 「エデン」は、ロボットだけが暮らす世界・エデンが舞台のSFファンタジー。人間が悪とされる世界で、農業用ロボットとして暮らしていたE92とA37は、サラという名の人間の赤ちゃんが入ったカプセルを偶然発見し、ひそかに育てることになる。

 高野さんにとって同作は初主演作となったが、主演ということで「気持ちはあまり変わらない」と気負いはなかった。

 「主演でも準レギュラーでも自分自身の気持ちはあまり変わらないんです。作品の一部になるためには、一言でも緊張しますし。『エデン』は、2017~18年頃に仮アフレコから携わらせていただきました。その時は本キャストに決まるかは分からないという特殊なポジションで、壮大なテーマにプレッシャーを感じつつ、責任感を持って収録に臨みました」

 高野さんが演じるサラは、人間がいない社会で、ロボットに育てられた普通の女の子だ。普通の女の子ではあるが、普通ではないところもある。

 「自分が危ないことをしているかもしれないと気付かなかったり、ロボットに育てられたからこその感情なのかな?と感じるところもありました。好奇心の赴くままに生きているようなところもあります。ロボットが人間の気持ちを学習しても、サラの孤独は理解できないんですね。本当のところ、サラは孤独ではないかもしれないですが」

 ◇赤ちゃんを研究 発声を意識

 高野さんは、赤ちゃん時代のサラも演じた。赤ちゃん役は初めてということもあり、緊張もあったという。実際に赤ちゃんを観察、研究してからキャラクターと向き合った。

 「第一声がおぎゃー!ですからね。赤ちゃんらしさとは何だろう?と赤ちゃんを研究しました。ちょうど、親戚の赤ちゃんが生まれたばかりだったので、親戚の家に転がり込んで、観察しました。すぐ笑うし、すぐ泣くんですよね。コロコロ表情が変わり、全力で喜びを表現するんです」

 「エデン」は、サラの心の成長を丁寧に描いている。赤ちゃん時代を含め、一人の人間の成長を表現したことは、高野さんにとって挑戦となった。

 「赤ちゃん時代も含めてサラを演じることは、声優じゃないとできない経験ですし、すごくうれしかったです。年齢、気持ちの変化を考えて、発声を意識していました。子供は体が小さいので、息が浅くなります。でも、子供は声が大きいので、小さいけれど音の大きな楽器を意識しました」

 ◇人間は必要なのか? 大きなテーマも

 「エデン」はCGアニメで、映像を制作に先行して、声を録(と)るプレスコで収録された。普段のアフレコとは、また違う意識で収録に臨んだ。

 「最初は、尺感も分からないですし、絵を想像しながら、みんなで読み合わせをしました。CGということもありますし、よりリアルな演技が合うのかな?と。等身大のキャラクターを意識して、動きを大きめにしたり、アクセントの付け方、キャラクター同士の距離感を意識しました」

 高野さんは、アニメの見どころを「ロボットに心があるのかもしれない、あってほしいという気持ちが生まれる作品です。人間は必要なのか?という大きなテーマと共に、自分が本当に大切にしたいものが見つかると思います。今だからこそ大切なものを見つめ直してほしいですね」と語る。高野さんの繊細な演技と共に「エデン」の世界を堪能してほしい。

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