機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ:“動く美術”目指した3DCGの表現 美術を生かしながら立体的に

「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」のスタッフによるトークイベントの様子(C)創通・サンライズ
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「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」のスタッフによるトークイベントの様子(C)創通・サンライズ

 人気アニメ「ガンダム」シリーズの劇場版アニメ「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」(村瀬修功監督)のスタッフによるトークイベントが7月1日、東京都内で開催され、CGディレクターの増尾隆幸さん、CGデザイナーの帖佐太郎さん、制作デスクの岩下成美さんサンライズ第1スタジオの仲寿和プロデューサーが登場した。「動く美術」を目指したという3DCGの表現について語った。

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 増尾さんは、村瀬監督について「ものすごく真面目。細かいところまで神経が行き届いているからこそ、このような作品に仕上がったと思います」と話し、帖佐さんは「『虐殺器官』からご一緒させていただき、今回参加に至りました。村瀬監督作品には独特のリアリティーがあり、演出がすごく格好いい。こと演出も作画も撮影もできて、本当に多才だと思います」と語った。

 増尾さんは「今回は『動く美術』を目標にして作業に取り組みました」と明かし「美術として描かれたものが3次元的に動くための画作りを目指す表現方法として有効な手段がカメラマップです。なので、今回も複数のカットで取り入れています。例えばハウンゼンの機内は、非常に複雑な構造かつ限定された空間なので、カメラが動くだけで見え方が相当変わってきます。ただそれを普通に3Dで作ってしまうととてもCG的になってしまうんです。そこでハウンゼンの機内では、まず普通にテクスチャーを使用したモデルを作って、それを一度レンダリングし、その素材にレタッチをかけてより画的なタッチが生きるようにしました。このように3D的なカメラワークのカットでは、カメラマップを使うことで美術を生かしながら立体的に仕上げています」と説明した。

 ダバオ市内シーン、半島を飛行艇が旋回するシーンなどについても言及。海面の表現について、増尾さんは「監督から海面は3DCGを使って作りたいとのオーダーがありました。ただリアルに作り込むのは案外簡単ですが、リアリティーを持たせつつアニメの世界になじませるバランス取りが難しかったです」、帖佐さんは「海の表現はただリアルに作るのではなく、美術の絵とキレイになじむように作られていて感動しました」と語った。

 「閃光のハサウェイ」は、1989~90年に富野由悠季監督が発表した小説が原作。宇宙世紀0105年を舞台に、第二次ネオ・ジオン戦争で苦い別離を経験したブライト・ノアの息子ハサウェイが新型モビルスーツ・Ξガンダムを駆って、地球連邦政府に反旗を翻す姿を描く。アニメは「虐殺器官」の村瀬さんが監督を務める。3部作。

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