川原礫(れき)さんの人気ライトノベル「ソードアート・オンライン(SAO)」シリーズの「ソードアート・オンライン プログレッシブ」が原作の劇場版アニメ「劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア」(河野亜矢子監督)が10月30日に公開される。テレビアニメ第1作の<アインクラッド>編がヒロインのアスナの視点で描かれ、アスナを「SAO」の世界に誘うオリジナルキャラクターのミトが登場することも話題になっている。ミトを演じる声優の水瀬いのりさんは、「SAO」シリーズへの出演が「念願」だったといい、「アフレコの日まで毎日ドキドキしていた」と話す。演技のこだわり、収録について聞いた。
「SAO」は、脳と仮想空間を直結する機器によってバーチャルリアリティーが実現した近未来を舞台に、さまざまなオンラインゲームを取り巻く事件を描いている。原作のシリーズ累計発行部数は2600万部以上の人気作。
水瀬さんは、以前から「SAO」シリーズのオーディションを受けてきたといい、「劇場版 SAO プログレッシブ」のミト役で念願のシリーズ出演を果たした。
「これまでのオーディションでも、お声がけいただけるだけで光栄なことなので、毎回記念受験のような気持ちで、挑戦できることの意味を感じながら参加していました。ミトというキャラクターで合格の知らせをいただけたことはすごくうれしかったです。『SAO』シリーズは、日本のアニメーションが誇る世界にも向けて発信している作品で、きっとミトの発表も海を越えてたくさんの『SAO』ファンの皆さんに自分の名前と共に届くのだろうなと考えて、責任感、重みを感じていました」
水瀬さんが演じるミトは、劇場版から新たに登場するオリジナルキャラクターで、現実世界ではアスナのクラスメートのゲームが大好きな少女だ。心を許せる数少ない友人であるアスナを「SAO」の世界に誘うことになる。水瀬さんは、オリジナルキャラクターゆえの難しさも感じたという。
「原点回帰と言われる<アインクラッド>編を描く劇場版で、皆さんが一度体験したことのある時間軸の中に出てくる新キャラクターなので、すごく難しい立ち位置だなとも思っていて、アフレコまで毎日ドキドキしていました」
公開されている映像では、ミトがアスナを「SAO」の世界に誘うシーンや、ミトとアスナが「SAO」の世界で戦うシーンなどが描かれている。ミトはまだ謎が多いキャラクターではあるが、水瀬さんはシナリオを読み、「苦しくなった」と振り返る。
「皆さんはミトをどんなふうに受け取ってくれるかなという不安な気持ちもすごくありました。何度もシナリオを読んでいく中で、ミトの選択であったり、『SAO』の世界での在り方というのは間違いではなくて、彼女にすごく共感する部分があったんです。共感する部分があるからこそ、複雑な気持ちになった記憶があります」
オリジナルキャラクターゆえの難しい役どころと水瀬さんはどのように向き合ったのか。
「最初は、独特なオーラを放つ、どこか浮世離れしたものを感じさせるキャラクターだなと思っていたんですけど、彼女を語る上で切っても切れない存在としてゲームがあって、ゲームのこととなると、ほぼ男の子のような無邪気さを見せるんです。そんな彼女のギャップに『この子の振り幅って、意外と広いんだろうな』と感じました。だから、自分の中でミトというキャラクターがミステリアスだった瞬間は本当に一瞬で、そこからは彼女のことが手に取るように分かるようになったんです。最初の見かけの印象と比べて、いい意味で裏切られるキャラクターだなと思いました」
公開されている映像では、ミトの「絶対にアスナを守るから」というせりふが印象的で、その強さがうかがえるが、「余裕がないシーンもたくさんある」という。
「『SAO』の世界に入ってから緊迫したシーンも続く中で、アスナにかけた言葉でも、自分にも言い聞かせているような言葉がたくさんあって。アスナを包み込むように言った言葉で、自分を鼓舞していたり、けん制していたり、そういうミトのもろい部分、弱い部分が観客の方にも伝わっていくようなお芝居のアプローチをさせていただきました。危険な場面では強がるというより、完全に腰が引けちゃっているシーンもたくさんあります」
ミトは、共に戦う仲間、友達としてアスナに影響を与える。「アスナの成長の裏でミトの葛藤があるというのは、ぜひとも見逃さないでほしい」と力を込める。
「アスナは、今となってはとても強く気高いヒロインであり、ヒーローのような格好よさを持つ憧れの存在ですけど、そんなアスナにも苦手なものがあったり、恐怖心、弱さがあることが、ミトを描くことによってさらに深掘りされたんじゃないかなと思っています。ミトがいるからこそ、アスナが普通の女の子でいられる時間があったことは、個人的にすごくキュンとしました」
ミトとアスナの関係を「すごく憧れるパートナー」とも感じているという。
「現実世界でのミトとアスナの何気ないスキンシップであったり、ミトがアスナにゲームを教える時間というのが、『SAO』の世界に行ってからは、すごくかけがえのない時間だったと記憶に残っていて。ミトにないものをアスナが持っていて、アスナにないものをミトが持っていて、ないものをないと認めながら尊敬し合える関係性は、すごく憧れます」
水瀬さんは、テレビアニメ第1作の<アインクラッド>編が改めて描かれる「劇場版 SAO プログレッシブ」を「とてもぜいたくな始まりの描き方」と表現する。
「ゲーム視点というか、男の子の主人公を選んだルートと、女の子の主人公を選んだルートみたいな。同じ世界線だけど、それぞれの性格や行動によって物語は変わっていって、でも交わるところは一緒。ファンの方もより一層楽しんでいただけると思います」
ミトは、水瀬さんが話すように強さ、弱さ、もろさを持ったキャラクターだ。その人間臭さを表現する水瀬さんの繊細な演技に注目したい。
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