田中美海:「やくも」多治見は「新しい故郷」 “聖地”の応援がパワーに

「やくならマグカップも」に出演する田中美海さん
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「やくならマグカップも」に出演する田中美海さん

 岐阜県多治見市が舞台で、伝統工芸品・美濃焼がテーマのフリーコミックが原作のテレビアニメ「やくならマグカップも(やくも)」。テレビアニメ第1期が4~6月に放送され、第2期「やくならマグカップも 二番窯」が10月にスタートした。前半15分がアニメ、後半15分が実写パートの2部構成で、実写パートに主人公・豊川姫乃役の田中美海さんら声優陣が出演し、多治見のさまざまなスポットを訪れ、魅力を紹介している。田中さんは、実写パートの撮影で何度も多治見を訪れ、地元の人々との交流を通じて、その魅力を知り、多治見は「新しい故郷」のような存在になっているという。田中さんに“聖地”多治見への思いを聞いた。

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 ◇有名人になったみたい!?

 「やくも」は、2010年に多治見の有志や企業が集まり、プロジェクトが始動。2012年から地元IT企業のプラネットがフリーコミックを発行している。母の故郷・多治見に引っ越してきた豊川姫乃が、母が伝説の陶芸家であったことを知り、陶芸の世界に引き込まれていく……というストーリー。第2期がCBCテレビ、MBS、TOKYO MX、BS11、AT-Xで放送中。

 田中さんは「やくも」のオーディションの前に、陶芸を体験してみたという。作品への思い、理解を深め、オーディションに臨んだ。

 「父が陶芸教室に通っていることもあり、せっかくなので体験させていただいたんです。土の匂い、窯の存在感など体験してみないと分からないことがありました。姫乃も土の匂いに懐かしさを感じるシーンがありますが、その匂いを知ることができたことが大きかったです。資料を読むだけではなく、実際に体験すると全然違うんですよね」

 「やくも」は実写パートもあり、田中さん、芹澤優さん、若井友希さん、本泉莉奈さんが多治見を訪れた。多治見の人々の応援がパワーになった。

 「実際に訪れた場所がアニメにも出てきますし、姫乃もここを歩いたんだな……と感じました。街の至るところにポスターを張っていただいて、有名人になったみたい(笑い)。陶器祭りに行った時、学生の方から『キャー!』と声援をいただいたり、お買い物をしていると『見ています!』と言っていただいたり。皆さんが温かく優しく受け入れていただき、うれしいですし、感謝しかありません。新しい故郷ができたみたいです」

 ◇陶芸には多治見の思い出が詰まっている

 実写パートのロケでは陶芸にも挑戦した。時には、カメラが回っているのを忘れるほど真剣に向き合った。

 「第1期では、お皿やマグカップを作りましたが、第2期では、みんながそれぞれ思い思いに作品を作ります。個性が出ていますよね。姫乃たちと同じような気持ちになりました。親に完成した作品を送ったら『手先が器用だね』と褒められました。高校の時、美術を専攻していたんです。それがちょっと生きているのかな? 集中すると楽しいですし、もっと!もっと!となります。陶芸には、多治見の思い出が詰まっています。これからも何度でもやってみたいです。次は花瓶などのインテリアを作ってみたいですね」

 実際に体験することで、陶芸の印象が変わった。

 「最初は、陶芸って渋いのかな?と思っていたのですが、全然そんなことないんですよ。可愛いカラフルなお皿もあって、集めたくなります。食卓を彩るものですし、テンションが上がります。父が料理を職業にしていることもあり、小さい頃から父に連れられて骨董(こっとう)品や器を見ていたんです。器は身近なものではありましたが、より興味を持ちました」

 ◇声優陣の絆深まる 新しい一面も

 実写パートの撮影を通じて声優陣の絆も深まった。

 「カメラで回っていないところでもおしゃべりしていて、絆ができ、みんなの新しい一面を知り、支え合いながら撮影できました。本ちゃん(本泉さん)があんなに独創的だと思っていなかった! クールでみんなを支えるお母さん的な存在なのかな?と思っていたんですけど、自分の道を進む、格好いいところがあるんですよね。4人の空気感、打ち解けている感じはアフレコでも出ています。すてきな経験をさせていただきました」

 ロケを重ねる中で多治見への思いを深めた。第2期の最後のロケでは、田中さんが感極まり、涙を流した姿も印象的だった。

 「これで終わっちゃうのか……と寂しくなったんです。何度でも行きたいですし。陶芸もしてみたいです。青春を詰め込んだようなロケでした。放送を見ていると、みんな楽しそうなんです。自分が出演しているんですけど(笑い)。多治見の皆さんに助けられ、一緒に『やくも』を盛り上げていると感じています」

 アニメの第2期は、姫乃の母で伝説の陶芸家・土岐川姫菜、姫菜の作品にひかれてメキシコからやってきたヒメナ・バルデスが登場するなど新展開が注目される。

 「また姫乃たちに会うことができてすごくうれしいです。さまざまなキャラクターの成長、人間模様が描かれます。姫乃は、お母さんの伝説について話を聞いて、感化されます。(姫菜役の)小澤亜李さんとアフレコできたのもうれしかったです。明るくて、可愛くて、こういうお母さんだったんだ!と感じました。可愛いお母さんですよね。姫乃がどんなものを作っていくのか? どういう思いで陶芸に向き合うのか?に注目してほしいです」

 第2期はアニメ、実写パートと見どころ満載になりそうだ。声優陣の多治見への熱い思いも感じてほしい。

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