柳ゆり菜:27歳で“ラスト写真集”の理由 奇跡起きた“お風呂ショット”

サード写真集「女っぷり」を発売した柳ゆり菜さん
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サード写真集「女っぷり」を発売した柳ゆり菜さん

 女優の柳ゆり菜さんのサード写真集「女っぷり」(扶桑社)が、11月26日に発売された。写真集は、27歳の柳さんの大人な表情から大胆な“手ブラ”シーン、入浴シーンまでたっぷり詰め込み、“ラスト写真集”と銘打たれている。柳さんに、本作について、そして女性、女優としての今後について語ってもらった。

◇過去2作との一番の違いは

 コロナ禍の昨今、「もともとこのタイミングで写真集を出すことは、私自身驚くくらい考えていませんでした」と笑う柳さん。「自分にいろいろ変化があったタイミングで、新たな出会いをしていったとき、それがどんどんつながっていって、あれよあれよといううちに話が進みました。『本当にやるの!?』と思いつつ何回も打ち合わせさせてもらって、熱量の高い作品になると確信が持てて、思い切って飛び込んでみました」と話す。

 制作にあたって、映画の場面写真のように「エモーショナルでセンセーショナルなもの」を目指したという。「ただ奇麗な写真だけではなくて、そこにストーリー性や感情が表れていて、見る人が“私の映画を見る”みたいな気持ちになってくれれば楽しい写真集になるのでは、と考えました。あと、フランス映画と邦画をイメージしています。写真集前半の黒いドレスやモノクロのカットは昔のフランス映画をイメージで、若き未亡人みたいな設定です(笑い)。奇麗なドレスとベッドが登場していて、後半のお風呂シーンにもつながるようストーリー性を持たせています」。

 見どころを聞くと「私、痩せたんですよ(笑い)」と明かす。「グラビアでいろいろ出させてもらったときから、かれこれ2年くらいお休みしていました。その間にガクッと痩せちゃって、いろんな服の似合い方が変わったんですよね。今までグラビアを見てくださった方々からすると、またぜんぜん違う新鮮な私に見えると思います」とコメント。「新たにファッションという要素も取り入れて写真集を作らせてもらったとき、より幅が広がりました。濃い撮影ができました。見たことない私が詰まっています」と解説する。

 前作のセカンド写真集「ひみつ」を出したのが約5年前。「当時は20代前半でした。よりいろんなことを経験してきて、違うと言えば当たり前に違うんじゃないかというくらい女子の成長は早いです」とにっこり。自分の成長を、今回の写真集で惜しみなく表現できたという。

 もう一つの大きな違いは、企画から写真のセレクトまで全てに関わったことだ。「全部自分が参加して皆で話し合って決めていくスタイルで作っていて、私の思考とかパーソナルな部分も入っています。自分もいろいろ提案して、一緒にどうするか相談しながらできたので、作品に対する責任感が芽生えました」。

 ◇おすすめカットは“奇跡”のお風呂シーン

 今回の撮影は、山梨県と千葉県の九十九里で9月に実施。わずか2日間で撮りきった。柳さんは「バタバタでしたね……。皆、最初は『無理じゃないか』と言ってたんですけど、途中で話し合いを挟みながらも集中して撮影したら、スムーズにできました。その場で生まれたものが大きかったです」と振り返る。

 お気に入りのカットは、終盤のお風呂シーン。「ジャンヌ・モローという昔のフランスの女優さんが大好きで、彼女が出演している『エヴァの匂い』という映画があるんですけど、その劇中に、白く濁ったお風呂に入っているシーンがあるんです。『これやりたい』と私が提案して実現しました。本当に、2日間という短い期間で集中して取り組んで、現場は皆の熱量でどんどん盛り上がっていった感じがありました。おかげで想像以上に良いカットがたくさんいろいろ生まれました。お風呂のショットも奇跡だなと思います。私としてはすごくうれしいです」。

 “ラスト写真集”と銘打った本作。27歳でラストと決断した理由は何なのか。

 「そもそも、2作目を出した時点でこれ以上出さないつもりでしたし、出す機会もないと思っていました。でも、今回偶然のめぐり合わせで3作目を出すことができました。写真集としては、これをラストだと考えています。もしご縁があれば、エッセーなどの形で作品を出すかもしれません。ですが写真集のように私の体や顔とかだけで勝負する作品は、『今回を最後に』と決めて思いっきりやれた気がします」と手応えを口にする。

 「何年か先、私のことを知ってくれて応援してくださるファンの方が、この作品を立ち返って見たりするとか、私がいくつになっても、この作品が世間の皆さんの記憶に残ればいいなと思うものにはできたのではないでしょうか」

 ◇女優としての憧れはシャーリーズ・セロン

 柳さんは、2013年にデビュー。27歳の現在は女優としても活躍する。

 「27歳の一女性としても、表現者としても未熟だなと思う」と話す柳さん。「『私すごい!』みたいな感情になっても、翌日にはすぐ落ち込んじゃったりします。いつまでたっても自分に自信がない。でも、その自分がいないと、これまで成長できなかったかなとも思います」。

 表現者としては後悔の連続。「自分が演じた役を後で見返したときに『うわっ、なんであの時こうできなかったんだろう?』と後悔ばっかりで、なるべく見たくないのが本音です。『恥ずかしい……!』と思うくらいハラハラしちゃいます。そういうのが自分でもなくなるくらい、安定した演技をしたいです」と語る。「女優のお仕事をしていて、パフォーマンスの波と言いますか、ムラがあるのが気になっています。プロなんだからなくしていかなきゃな、というのはあります。そういう部分がまだあるからこそ、私はまだ未熟だなと思います」。

 同じ表現者として憧れるのは「マッドマックス 怒りのデス・ロード」「スキャンダル」などで知られる米女優のシャーリーズ・セロンさんだ。「『彼女が出ていたら絶対面白い』という安心感があります。“シャーリーズ・セロン”という名前が作品に安定感を与える。そういう信頼のある女優さんになりたいです。そこにはまだまだ到達していません。『この子が出てる作品なら面白い』と言われる女優さんって、日本でもたくさんいらっしゃると思います。そこに仲間入りしなきゃとは思っています。今は、やっては失敗して学んで……というのを、時間がかかりながらやっている段階です。やりながら信頼を勝ち取っていければ」と語った。

 今後は「もっと広い世界に飛び込んでいきたいです」と話す。「日本の作品でも、もっと海外の方に見てもらえるものに参加したいです。自分のランクを上げて、世界の人の目に届く存在になることが目標です」と意欲を燃やす。

 ◇“大阪の下町ガール”、女子力アップに奮闘

 一方、女性として未熟だと感じる瞬間を「ささいなことですけど、ハンカチを持ち歩かないとか(笑い)」と語る柳さん。「最近がんばってハンカチを持ち歩くようにしたりしています。私は大阪の下町ガールだったので、そういうちょっとした女性の品のある行為が欠けていた部分があります。でも25(歳)を超えて30(歳)手前なんだからしっかりしなきゃ! と思って、ハンカチを携帯したりハンドクリームを塗ったり、パックしたりとか、小さな努力をコツコツ積み重ねて、女っぷりを上げています」と写真集のタイトルにかけてアピールする。

 女性としての目標を問うと、「うーん」と考え込んで「アクアパッツァとか作れる女になりたいです」と笑顔。「私はおばあちゃん仕込みの女で、茶色い料理しかできないんですよ。それに全部目分量で味見して作っちゃうタイプなんです。アクアパッツァとか、どうやって作ればいいのか、果てしなく分からないです。彩りがあるフレンチやイタリアンを作れる女が目標です!」とちゃめっ気たっぷりに語ってくれた。

 “女っぷり”にもっと磨きをかけたい! と意気込む柳さん。今後どのような姿を見せてくれるのか。その動向にも注目だ。(取材・文・撮影:桜井恒ニ)

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