アニメ「機動戦士ガンダム00」などの水島精二さんが総監督を務める劇場版オリジナルアニメ「フラ・フラダンス」が、12月3日に公開される。メインキャラクターとなる新人フラガールの一人で、ハワイ出身のオハナ・カアイフエを演じるのが、人気声優の前田佳織里さんだ。前田さんは、「アイカツスターズ!」の双葉アリア役、「ウマ娘 プリティーダービー」のナイスネイチャ役、「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」の桜坂しずく役などで注目を集めている。自身について「周囲の方に度胸があると言っていただくことが多くて、あまり物おじしないかもしれません」と話す。「フラ・フラダンス」では長時間の収録を経験し、「現場で役を作り上げていくことを学ばせていただきました」と感じているという。作品への思い、今後の目標について聞いた。
ウナギノボリ
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「フラ・フラダンス」は、福島県いわき市に実在する大型レジャー施設・スパリゾートハワイアンズを舞台に、主人公・夏凪日羽(なつなぎ・ひわ)ら新人フラガールたちの成長を描く青春群像劇。「劇場版アイカツスターズ!」「ガンダムビルドダイバーズ」などの綿田慎也さんが監督を務め、「若おかみは小学生!」などの吉田玲子さんが脚本を手掛ける。BN Picturesが制作する。女優の福原遥さんが主人公・夏凪日羽を演じるほか、美山加恋さん、富田望生さん、陶山恵実里さんが新人フラガール役で出演する。
前田さんが演じるオハナ・カアイフエは、ハワイ出身の天真らんまんなキャラクターで、語尾に「にゃー」を付けてしゃべるのが特徴。フラガールのハワイ公演を見て憧れを抱いて来日し、日羽らと共にフラガールとして奮闘する。前田さんは、オーディションに「絶対この役を演じたい」という思いで臨んだという。
「オハナは根が明るくて、居るだけで周りを明るくできるのが魅力。マイペースで、日本の女の子はみんな語尾にニャーを付けてしゃべると思っていたから自分もそうしているとか、天然なところや、子供のような純粋さがあって、等身大ですてきだなと思います」
同作では、キャスト自身のパーソナリティーもキャスティングの決め手になったといい、前田さんは「度胸があり、ノリがいい」こともあり、オハナ役が決まったという。
「私自身、物おじせずに人に話しかけにいくところはすごくオハナちゃんと似ていると思います。度胸があると周りから言っていただくことも本当に多くて(笑い)。声優のイベントのステージでたまに間違えたり、ミスしても、『これはそういうものですけどなにか?』みたいな感じで振る舞ったり。ミスしたことを顔に出しちゃって皆さんにパフォーマンスを楽しんでもらえなくなるのが一番よくないと思っていますし、ステージに立って自分から出たものが全てと思って常にパフォーマンスするようにしています。でも、終わった後に『ここは本当にダメだった』『もっとこのやり方があったんじゃないか』など復習して、次に生かそうとしています」
オハナは、ハワイ出身ということもあり、日本語が片言で、前田さんは「日本語と外国語のニュアンスをどこまで混ぜようかとすごく悩みました。聞いていて気持ちよくて、かつオハナちゃんらしいハワイ感をどうやったら出せるのかと」とこだわりを語る。アドリブにも積極的に挑戦したといい、「スタッフさんに温かいウエルカムな感じがあって、収録ではうれしさと楽しさがたまらなかったです!」と笑顔を見せる。
「フラ・フラダンス」の収録は長時間におよび、「現場で役を作り上げていくことはこういうことなんだと学べた」と感じているという。
「長い時間をかけて演じる集中力も必要でしたが、オハナちゃんというキャラクターを自分の中でどんどんブラッシュアップさせていただけるような収録でした。また、すごく丁寧にディレクションしていただいて『この子は今こういう気持ちだから、こういう言動をして』とかみ砕きながら挑戦させていただきました。その中で私から生まれてきたもの、ディレクションで出していただいたもの、どれも大切にしたいと思いました」
「フラ・フラダンス」は、福原さん、美山さん、富田さんといった女優として活躍するキャストも多く参加している。前田さんは、共演を通して「説得力」を感じたという。
「家で台本をチェックしていた時も『このキャラクターは、こんな感じかな』と想像していたのですが、実際に現場で皆さんが声を当てているのを見ると、説得力がすごすぎて。皆さんと一緒に収録できたからこそ、オハナというキャラクターが定まっていったのかなと思います。私は、俳優さんやマルチな活動をされている方とアフレコをご一緒させていただくのは初めてで、皆さんが表現される空気感、ナチュラルさがすごくリアルで、勉強させていただきました」
前田さんは、2021年を振り返り、「私が演じさせていただく幅も本当に広がっていて、『こういう役をやらせてみよう』と思っていただける機会が多かった」と感じているという。今後の目標を聞くと、「人間性と役をもっと一体化できるような声優になりたい」と話す。
「『フラ・フラダンス』の収録を経て、いっぱい悩んだりしても、人として成長していくものがあると、それをお芝居にちゃんと生かせるようになると感じました。私は、何クールも長い期間、一つの役を演じさせていただくのが夢で、『フラ・フラダンス』の日羽ちゃんのような、一つ一つ成長していく主人公を演じたいです。自分と一緒に成長していけるような役に今後たくさん出会いたいです」
前田さんは「完璧にしなきゃと思いすぎてしまうこともあるんですけど、『フラ・フラダンス』で『悩んでも立ち止まってもいいんだ』と教えてもらいました」と話し、「フラダンスの明るさが皆さんの心にもたくさん届くはずです」と作品の魅力を語る。失敗しながらも、明るく前へ進む新人フラガールの成長に注目だ。
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