飯豊まりえ:「岸辺露伴」泉京香役、バランス感覚大切に 「“うざい”ボーダーラインは気にしています」

ドラマ「岸辺露伴は動かない」に出演する飯豊まりえさん(右) (C)NHK
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ドラマ「岸辺露伴は動かない」に出演する飯豊まりえさん(右) (C)NHK

 荒木飛呂彦(あらき・ひろひこ)さんの同名マンガを実写化したNHKのドラマ岸辺露伴は動かない」(総合)に出演する女優の飯豊まりえさん。12月27日から3夜連続で放送されている新エピソード(第4~6話)では、昨年末の第1~3話に続き、主人公のマンガ家・岸辺露伴(高橋一生さん)の担当編集・泉京香を演じている。役として「“うざい”ボーダーラインは気にしながら、露伴先生にイラッとしてもらえるように演じています」と明かす飯豊さんに話を聞いた。

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 ◇出演に「消極的な思いはなかったです!」

 ドラマは、累計発行部数が1億部を超える荒木さんのマンガ「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズの人気キャラクター・岸辺露伴を主人公としたスピンオフ「岸辺露伴は動かない」を、高橋一生さん主演で実写化。人を本にして“読む”能力を持つ露伴が、奇怪な事件や不可思議な現象に遭遇するサスペンス・ホラーだ。

 飯豊さん演じる泉は、大手出版社「集明社」に勤務する露伴の担当編集。露伴のマンガ執筆のための取材に同行し、同じく奇怪な事件や不可思議な現象に遭う。原作では、“ジョジョ・ワールド”特有の派手な見た目が印象的なキャラクターだが、昨年末の第1~3話では、飯豊さんのビジュアルが「原作再現度が高い!」と話題になった。

 飯豊さんは「SNSでビジュアルについてお褒めいただく書き込みを結構目にして、そうやって評価していただいたことはうれしかったです! 今作でまたスタッフさんとお会いしたときには、プロデューサーの土橋(圭介)さんから『泉京香の服はどこで売っているのかという問い合わせがあった』とも聞き、(反響の大きさを)実感しました」と顔をほころばせる。

 泉は原作では、「富豪村」というエピソードにしか登場しないキャラクター。「富豪村」は昨年末に第1話として実写化しており、今年放送の第4~6話に登場するのは、ドラマのオリジナル展開となる。

 人気マンガの実写作品への出演にあたっては「消極的な思いはなかったです!」ときっぱり。2015年放送の連続テレビ小説(朝ドラ)「まれ」でお世話になったという演出の渡辺一貴さんにオファーされたことが「なによりうれしかったからです!」といい、「原作では、泉ちゃんとは違うキャラクターのせりふを(ドラマで)泉ちゃんとしてしゃべれることもうれしくて!」と声を弾ませる。

 ◇演じるときはテンション5割増し? 「うざくなりすぎないように」心がけも

 泉の特徴として挙げられるのが、露伴に“うざがられる”キャラクターであるということ。露伴にどれだけ悪口を言われようが、動じない“鋼のメンタル”の持ち主だ。原作者の荒木さんも泉を「ムカつきながら描いた」という。飯豊さんに、そんな泉を演じる上で、こだわっている点を聞いた。

 「露伴先生にはイラッとしてもらえたらいいなって思いながら演じています。気難しい露伴先生は、あのぐらいの鋼のメンタルがないと対応できないですから! (演出の)渡辺さんには『飯豊さんが思っているよりテンション5割増しで』って言われているので、それは意識しています。でも、うざくなりすぎないように、“うざさ”のボーダーラインは気にしていますね。泉ちゃん自身、そういう立ち回りがうまい子だなと思っているので」

 “露伴先生”こと高橋さんとの撮影現場でのやり取りを聞くと、「不思議と一生さんとはあまりお芝居の話はしてないんです」との答えが。「撮影前のせりふ合わせでも、私が自由にしゃべっていたら、一生さんが自然とそこに入ってきてくださるんです。何より一生さんが“露伴先生”としてあの世界観を引っ張ってくれているので、私はついていくだけというか、何の不安もなく、泉ちゃんを楽しんで演じていました」と明かす。

 昨年から約1年のブランクも不思議と感じなかったという。「なんなら前回よりもすごくやりやすかったです! これも一生さんのお力だと思いますが、1年間ずっと露伴先生と泉ちゃんの関係性が続いていたかのようなやりやすさでした」と話した。

 最後に、新エピソードについて「人間の怖さ、怪談的な怖さもありますが、その奇妙な世界を楽しんでいただいたいですし、露伴先生と泉ちゃんとのかけあい、さらに派手になったとツッコミが入りそうな泉ちゃんのコスチュームにも注目していただけたら幸いです(笑い)」とアピールした。

 ドラマ「岸辺露伴は動かない」は、NHK総合で29日午後10時から第6話「六壁坂」が放送される。また、BS4Kでは30日午後7時30分から第4~6話を一挙放送。

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