MD松尾のゲームヒットランキング:2021年TSUTAYA年間1位は「モンスターハンターライズ」 「ポケモン ダイパ」も

2021年TSUTAYA年間1位を獲得した「モンスターハンターライズ」
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2021年TSUTAYA年間1位を獲得した「モンスターハンターライズ」

 TSUTAYAで加盟店にゲームソフトの商品提案をしているマーチャンダイザー(MD)の松尾武人さん。バイヤー歴10年以上の経験からソフトの特徴に合わせた商品展開を得意としている松尾さんが、年間ランキング(2021年1月1日~12月21日)を基に、2021年のゲーム市場を振り返った。

ウナギノボリ

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 2021年のゲーム業界を振り返って、まずランキングから見てみると、PSフォーマットのタイトルがトップテンに1本も入らなかったのは特筆すべき事柄でしょう。PS4からPS5への切り替えタイミングということもあり、ソフトが売れづらい環境だったのは理解できますが、昨年だと「ファイナルファンタジー7 リメイク」(PS4、スクウェア・エニックス)、「Ghost of Tsushima」(同、SIE)などが上位に入っており、とても寂しい印象を受けました。

 ハード部門はスイッチが大ブレークした前年からのトータルでは減少しています。スイッチは前年割れしていますが、PS4とPS5の合計は大幅に増えています。スイッチは有機ELバージョンが発売されましたが、さすがに昨年には及ばず。いわゆる巣ごもり需要は今年の3月ぐらいまでで、夏もそこまでではなかった印象がありました。

 ソフトのランキングもコロナ前に戻った印象です。ただし、コロナ前と売れ行きを比べてみると若干上がっています。こちらは巣ごもり需要でゲームを手に取ったライトユーザーの一部が、ゲームを継続的に遊んでくれるゲーマーに変わっているとみており、結果的に底上げしているということでしょう。中でも「あつまれ どうぶつの森(あつ森)」(NS、任天堂)はゲームへの間口を広げてくれたとみています。

 2021年のTSUTAYAの年間ランキングのトップを「モンスターハンターライズ」(NS、カプコン)が飾ったのも、ゲーマー層の増大をうかがわせる現象だったといえます。期待通りの売れ行きで、“異常値”とまではいかなかったものの堅く売れましたね。前作の「ダブルクロス」(同)には及ばなかったものの、ダウンロード版まで入れるとキャッチアップできているかもしれません。

 続いたのは「ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド」(NS、ポケモン)。5位の「ポケットモンスター シャイニングパール」(同)とともに期待以上の大ヒットで今年一番驚いた出来事でした。リメークとしては想定以上の売れ行きで、2019年に発売された「ポケットモンスター ソード・シールド」(同)をキャッチアップできています。コアユーザーよりはライト層が多かった印象で、「あつ森」でスイッチに触れた20代のユーザーの比率も高く、原作発売当時は小学生だったそんなあつ森ユーザーの心をグッと掴みました。

 さらに来年発売される「Pokemon LEGENDS アルセウス」(同)への予習、プロモーションとしての効果も抜群で、今回のリメークタイトルの初動ユーザーの6割以上が「アルセウス」を予約するという驚きの現象が起こっています。

 厳しかったPS4、PS5のタイトルですが、「Tales of ARISE」(バンダイナムコゲームスv)、「BIOHAZARD VILLAGE」(カプコン)、「LOST JUDGMENT:裁かれざる記憶」(セガゲームズ)、「鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚」(アニプレックス)あたりは目立ちました。中でも「Tales of ARISE」のヒットはうれしかったですね。RPGを望んでいるユーザーが多かったということだと思います。「バイオ」「ロスト」は発売時期が厳しかった印象で、前作のファン中心になってしまいました。

 「鬼滅の刃」についてはハードが入手できなかった影響は大きいと思います。もっとハードの供給があれば状況はかなり変わったでしょうし、発売時期も子供が手に取りやすい休みシーズンの方がよかったのでは。

 来年の展望としては、新規ユーザーがゲーマー化しているだけにタイトルさえあればもっと伸びると考えています。ハードも普及してくるでしょうし、ソフトのラインアップもさらに充実してくるでしょう。注目は「モンスターハンターライズ:サンブレイク」(NS、カプコン)、「スプラトゥーン3」(同、任天堂)、PSフォーマットでは「ストレンジャー オブ パラダイス ファイナルファンタジー オリジン」(スクウェア・エニックス)、「グランツーリスモ7」(SIE)などで、名作「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」(NS、任天堂)の続編も待機中とまだまだ盛り上がりそうです。

 ◇2021年ゲームソフト売り上げランキング(2021年1月1日~12月21日※限定版含む)

 1位 モンスターハンターライズ(NS)
 2位 ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド(NS)
 3位 桃太郎電鉄 ~昭和 平成 令和も定番!~(NS)
 4位 スーパーマリオ 3Dワールド+フューリーワールド(NS)
 5位 ポケットモンスター シャイニングパール(NS)
 6位 Minecraft(NS)
 7位 リングフィット アドベンチャー(NS)
 8位 マリオパーティ スーパースターズ(NS)
 9位 あつまれ どうぶつの森(NS)
 10位 大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL(NS)
 11位 マリオカート8 デラックス(NS)
 12位 牧場物語 オリーブタウンと希望の大地(NS)
 13位 Tales of ARISE(PS4)
 14位 ゼルダの伝説 スカイウォードソード HD(NS)
 15位 モンスターハンターストーリーズ2 ~破滅の翼~(NS)
 16位 New ポケモンスナップ(NS)
 17位 Miitopia(NS)
 18位 eBASEBALLプロ野球スピリッツ2021  グランドスラム(NS)
 19位 BIOHAZARD VILLAGE Z Version(PS4)
 20位 LOST JUDGMENT:裁かれざる記憶(PS4)

 ※参考 2020年ゲーム販売ランキング

 1位 あつまれ どうぶつの森(NS)
 2位 ファイナルファンタジー7 リメイク(PS4)
 3位 桃太郎電鉄 ~昭和 平成 令和も定番!~(NS)
 4位 リングフィットアドベンチャー(NS)
 5位 Ghost of Tsushima(PS4)
 6位 Minecraft(NS)
 7位 スーパーマリオ 3Dコレクション(NS)
 8位 マリオカート8 デラックス(NS)
 9位 ピクミン3 デラックス(NS)
 10位 大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL(NS)
 11位 世界のアソビ大全51(NS)
 12位 ポケットモンスター ソード(NS)
 13位 龍が如く7 光と闇の行方(PS4)
 14位 ポケモン不思議のダンジョン 救助隊DX(NS)
 15位 ペーパーマリオ オリガミキング(NS)
 16位 eBASEBALLパワフルプロ野球2020(NS)
 17位 ゼルダ無双 厄災の黙示録(NS)
 18位 BIOHAZARD RE:3 Z Version(PS4)
 19位 The Last of Us Part II(PS4)
 20位 ポケットモンスター シールド(NS)

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