ライオンの隠れ家
最終話 僕たちの新しい始まり
12月20日(金)放送分
俳優の細田佳央太(かなた)さん主演の連続ドラマ「もしも、イケメンだけの高校があったら」(テレビ朝日系、土曜午後11時)に出演する藤枝喜輝さん。ドラマは、個性豊かなイケメン高校生たちが「全国選抜高等学校イケメン大会」制覇を目指して奮闘する青春コメディーで、藤枝さんはイケメン高校生の1人、宇治原修(うじはら・しゅう)を演じている。3年前の話題作「3年A組-今から皆さんは、人質です-」(日本テレビ系)を見て、主演の菅田将暉さんの演技や、影響力の大きさに触発されて俳優を志すようになったというフレッシュな19歳。ドラマや役どころ、役作りの裏側について聞いた。
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藤枝さんは2002年6月21日生まれ、神奈川県出身の19歳。ドラマで演じる宇治原修は、物語の舞台となる私立美南学園に越境入学してきた地方出身の“はつらつイケメン”。高校1年生ながら、家が貧乏のため、アルバイトを掛け持ちしている……という設定だ。
「宇治原は家が貧乏というのがコンプレックスになっていて、人には知られたくない思いが必要以上に強いんです。長男なので、『自分が何としてでも家族を養わないといけない』と思っている。真面目で純粋で、逃げ道、回り道を知らない。真っすぐで一生懸命な高校生です」
普段の藤枝さんも自他共に認める真面目キャラ。「宇治原は自分のことを大切にしてくれる人に対して、自分がしてもらっている以上のものを返したい、という気持ちが人一倍強いのですが、その点は自分とリンクしている」と共感を寄せる。
また、宇治原を簡単に言い表すと「一生懸命で、真面目で、不器用」で、「その三つが、それぞれのシーンでどう生きてくるのか」と「宇治原が他者を思う気持ち」を意識しながら撮影に臨んでいるという藤枝さん。一方、「貧乏設定」に関しては、普段からなるべくお金を使わない生活を心がけることで役に近づこうとした。
「宇治原は一人暮らしなので、家事をできる限り自分でやってみたり。今までラーメンどんぶりで2杯くらいご飯を食べていたのですが、1杯に減らしたり。それでも『ご飯の量が多い』と思われるかもしれないのですが、僕の今までの生活からすると、とても大きなことで、1カ月続けたら少し頬がこけてしまって……。ただ、宇治原の見た目は決してやつれているわけではないので、最近は1.5杯に戻しました(笑い)」
役作りを通して発見したこともあったといい、「『自分の体質を知る』という意味で、とてもいい経験になりましたし、あとはいつも家事をやってくれている母親のありがたみも分かりました。もうすぐ二十歳にもなるので、いつまでも頼ってばかりではいけないなと、自立心が芽生えました」と振り返った。
ドラマには今をときめく若手俳優が集結した。
「現場ではみんな“ザ・男子高校生”って雰囲気ではあるのですが、座長の細田佳央太君が締めるところで、きっちりと締めてくれるので、いい緊張感があります。同世代が集まっているので、『ほかのキャストに負けたくない』という気持ちはみんなどこかに持っていると思うのですが、お互いの役柄を理解し合って、もっとシーンをよくするために話し合い、高め合う関係性ができていると思います」
第1話放送後には、家族から「これだけイケメンがいっぱいいて、ちゃんと自分の色が出せるのか」とか、「埋もれてしまわない、大丈夫?」と心配の声も上がったとか。
「それこそ埋もれないよう、宇治原なりの色や表現を、もっとしっかりと研究して出していきたいなって、改めて思いました」
そんな藤枝さん演じる宇治原に、第3話で早くもスポットが当たる。
「宇治原は家が貧乏なことを人に知られたくなくて、イケメンは完璧でなければいけないっていう考えに縛られているのですが、第3話では、そんな宇治原が初めて感情的になるシーンがあります。彼が背負っているものや、真面目さ、不器用さが直接的に描かれていて、宇治原修という人間を知ってもらえる回になっています。これを機に“宇治原推し”になってもらえればうれしいです」とアピールした。
前述の通り、ドラマ「3年A組」をきっかけに芸能界入りした藤枝さんだが、それまでは野球少年だった。小学生のころから高校まで10年続けた野球だが、その過程で人生の“転機”を経験。それは中学時代の野球部の顧問の先生との出会いで、藤枝さんは“ヒーロー”に挙げている。
「野球を心の底から楽しいと思えなくて、野球を続けるかどうか迷った時期があったのですが、何で野球をやっているのか、楽しむためにはどうしたらいいのかなど、先生が一緒に考えてくれたんです。それからは野球への取り組み方が変わって、野球を楽しいと思えるようになりました。先生に出会わなければ高校でも野球をやっていなかったし、高校野球で学んだこともたくさんあったので、人生の中でも大きな出来事だったなと思います」
俳優としては、役について考える時間が「何よりも楽しい」という。
「俳優って“ 替えが利く”仕事だと思うんです。その役を自分が演じる意義を見いだしたり、どう演じれば自分ならではの色を出せるのか、そこの研究をする時間が楽しいです。あとはお芝居は一人ではできないので、時には共演者や監督と話しながら作っていく過程が、ものすごく好きです」
憧れの存在はやはり「菅田将暉さん」で、「『3年A組』の菅田さんのお芝居を見て、俳優ってこんなにも影響力のある仕事なんだって思いましたし、多岐にわたって活躍されていて、自分に限界を決めない姿や個性、僕が『こうなりたい』と思うものを全て持ち合わせている気がしていて。少しでも近づくことができたら」と語る。
今後に向けては「野球を題材にした青春映画に出てみたい」と告白。「僕が今までやってきた野球に対して、お世話になった監督やコーチに“恩返し”したいという思いがどうしてもあるんです。あとは任侠もの、ヤクザ映画で“狂犬”みたいな役も、いつかやってみたいです」と目を輝かせていた。
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