ダンダダン
第7話「優しい世界へ」
11月14日(木)放送分
特撮ドラマ「仮面ライダーセイバー」のVシネクスト「仮面ライダーセイバー 深罪(シンザイ)の三重奏(トリオ)」(上堀内佳寿也監督)が、期間限定上映中だ。テレビシリーズの続編で、最終話から「8年後」が舞台となる今作は、「セイバー」初の単独劇場上映作でもある。神山飛羽真らが救った世界の“その後”がどうなっているのか。そんな待望の新作について、仮面ライダーセイバー/神山飛羽真役の内藤秀一郎さん、仮面ライダーブレイズ/新堂倫太郎役の山口貴也さん、仮面ライダーエスパーダ/富加宮賢人役の青木瞭さん、須藤芽依役の川津明日香さんの4人を直撃。8年後のキャラクターの心情や役作り、互いの印象の変化などを聞いた。
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Vシネクストは、映画館での上映のほか、パッケージも展開する東映ビデオのレーベル。テレビシリーズの後日譚(たん)である今作では、飛羽真らが世界を救ってから8年後の物語を紡ぐ。
剣士たちをめぐり奇妙な出来事が起き始め、聖剣の持ち主たちが次々と消えていってしまう。事件を究明するため行動を起こした倫太郎(山口さん)の前に現れたのは、仮面ライダーファルシオン アメイジングセイレーン。変身を解いた篠崎真二郎(橋本さとしさん)は、倫太郎の父だと名乗る。一方、賢人(青木さん)も、さらに飛羽真(内藤さん)もファルシオンから襲撃され、最大にして最後の苦難が待ち受ける……というストーリー。1月28日から期間限定で上映され、5月11日にブルーレイディスク(BD)、DVDが発売される。
内藤さん:8年後なので正直、33歳に見えるかが不安でした。最初はみんなで試行錯誤して、「ヒゲ生やそう」とか「髪形を変えよう」とかアイデアを出し合っていました。
青木さん:まず外見だよね。
内藤さん:そう! ただ外見を変えなきゃと思ったけど、ヒゲは生えてこないし髪形は決まらないし(笑い)。別に8年後と言わなくても、見ている人が「(飛羽真たちは)年を取ったのだな」と感じてもらえるかが、不安でしたね。
青木さん:秀(内藤さん)に関してはちょっと童顔だし、監督からも「髪を上げてもちょっと幼いかもね」って言われていたよね。貴也は(33歳に)見えるし、俺もそう。
内藤さん:貴也に関しては、最初みんなが「髪の毛を下ろしただけで年を取ったように見える」って言っていたけど、そうは思わなくて。
青木さん:若返っちゃう。髪を上げた方が大人になるよね。
山口さん:最初からやっちゃったからね。ちょっと変えたけど。(内藤さんたちは)衣装が変わると(33歳に)見えるし、特に青木さんと川津さんの2人は見えるよ。
山口さん:一緒に衣装合わせをしたのですが、ちょっとうらやましいなとは思いました。でも倫太郎はソードオブロゴスに誇りを持っていますし、ソードオブロゴスでもみんながこれを着られるわけではありません。倫太郎はユニフォームを気に入っている真面目な青年ということで、これでいいんじゃないかなって。(1人だけ変わらないことを)逆においしいと思うようにしていました(笑い)。
内藤さん:年齢と共にしゃべり方は変わるなと思っていて、トーンなどを意識しました。本編の飛羽真は声を荒らげたりテンションが上下したりすることが多かったのですが、大人になるにつれて、あまりそういうことはしないのだろうなって。それに子供がいる設定だったので、子供に話しかけるときは落ち着いたトーン、というのは意識しましたね。
山口さん:33歳になった倫太郎的には、ソフィアさん(知念里奈さん)やユーリ(市川知宏さん)らとソードオブロゴスのトップになってから8年。どうやって世界を守るのだろうみたいな部分は考えました。現場で顔を作るとかは難しいと思い、テレビシリーズが終わってからVシネまでの間、なるべく倫太郎としてもっと濃い時間を生きてみようと思い、そうしたら自然と少しは変わるかなっていうイメージでやってみました。
青木さん:まずは落ち着くところから始めました。もともと本編でも落ち着いた性格ではありましたけど、心の底から笑う場面でもニカッと笑いすぎず、ちょっとほほ笑ましく笑ったり歯を見せすぎたりしないとか、声のトーンもそうですし、そういうところから徐々に徐々に探り探りやっていきました。
川津さん:本編でもともとすごくテンションが高かったので、下げるというか落ち着くだけで大人っぽく見えるのが、ありがたいなと思いました(笑い)。あとは見た目を変えていくとか、本編だと声を上げて「よっしゃ~!」みたいなシーンもありましたけど、Vシネにはないので、わりと地声のまま演じられたのではと思います。
青木さん:最初に台本を見たときは、誤解を恐れずに言えば、誰一人内容がわからなかったという(苦笑い)。もちろん台本がめちゃくちゃなのではなく、1年間やってきた僕たちでさえ、文字情報だけでは「これはどういうことなの?」となる部分があって。みんな4、5回は読んでいると思います。それで監督に聞きに行って、みんなでやって、となったのですが、本当に難しかった。
内藤さん:伝えたいことは何となくはわかって。本編で世界を救っている端では、やっぱり“被害”もあるじゃないですか。そういう部分を少し見せたいのだろうなというのはすごく伝わってきたのですが、読んでいて、このページだけで何が起こっているのかを把握するのが難しくて。監督と「こういうことがあってこうなっている」という“答え合わせ”をしながら、最初はやっていたよね。
山口さん:そうだね。ト書きだけでは想像できない部分もあったので、監督とお話しさせてもらい、現場でせりふを言ってみて、「実はこうなのかもしれない」という感じでした。あまりあってはいけないことですが、やりながらしっくりくる部分があって、そのときは「脚本、すごく深いな」と思いました。
内藤さん:1年間、それぞれの役を演じてきて芝居力も上がりましたし、そういう成長した部分を全部Vシネに出せているなと思っています。見てくださる人にも、1年間で成長した姿を少しでも感じてもらいたいです。
あと1回じゃ消化しきれないことが多いと思うので、2回、3回と見て“答え合わせ”をして、また4回目も見て……としていくといろいろな感情が生まれてくると思います。そういう楽しみ方もあるので、ぜひ劇場で見てください。
(取材・文・撮影:遠藤政樹)
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