カムカムエヴリバディ:安子、るい、ひなたに共通 “恋愛のターニングポイント”は夏祭りデート 演出が明かす裏側

NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第86回の一場面 (C)NHK
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NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第86回の一場面 (C)NHK

 女優の上白石萌音さん、深津絵里さん、川栄李奈さんが主演するNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「カムカムエヴリバディ」(総合、月~土曜午前8時ほか)の第86回が3月3日に放送。安子(上白石さん)編、るい(深津さん)編で描かれた“夏祭りデート”が、ひなた(川栄さん)編にも登場した。第18週に入り、ひなたと五十嵐(本郷奏多さん)の仲は、一挙に距離が縮まった。今作で、恋愛のターニングポイントとして描かれる夏祭りのシーンについて、第18週の演出を担当した石川慎一郎さんに聞いた。

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 第18週について、「ひなたと五十嵐の恋愛が成就するところが一番の見どころ」だと考えた石川さんは、「ラブストーリーをしっかり描きたいということを意識していました」といい、「夏祭りで浴衣を着るなど、普通な女の子が普通に恋をして、恋を成就することができるよう、衣装を考えました」と語る。

 夏祭りのシーンでは、五十嵐がひなたに、「拙者、家禄(かろく)もわずか。主君の覚えもめでたからず。されど、そなたを幸せにしたい」とプロポーズのようなせりふを投げかける。これは、ひなたが出場したミスコンで、五十嵐と相対した芝居審査でのせりふだ。

 ミスコンでは「ついてきてくれるか?」の言葉の後、ひなたが五十嵐を斬りつけてしまった。そんなこともあってか、夏祭りでは、抱きつこうとするひなたに、五十嵐が「今度は斬るなよ」と冗談を交える場面もあった。

 こうした過去のやり取りも引き合いに出し、石川さんは、ひなたと五十嵐の関係は「クスッと終わるような、おかしな会話のやり取りが特徴的」と考えたといい、「『今度は斬るなよ』と冗談でオチがつくような空気は、本郷さんのお芝居を見て、面白いなと思いました。ひなたのキャラクターを考えると、甘くなりすぎないことを意識しようと考えてはいましたが、そのあとのひなたが本当に可愛らしくて。100年の物語ということもあって、ひなたがもっと大人になり、過去を振り返った時、鮮やかな思い出になると確信できたので、現場では目の前で起こったことを大切にしました」と振り返る。

 錠一郎(オダギリジョーさん)がるいにしたように、五十嵐がひなたに風鈴をプレゼントする場面もあった。今回の夏祭りの演出は、安子編やるい編を意識したものではないといい、「安子と稔。るいとジョー。それぞれの人生、それぞれの恋なので、ああだったからこうみたいなことよりも、ひなたと五十嵐の“今”を見つめたいと思いました。あんなに言い合っていたひなたと五十嵐が映画を見て、日が変わって夏祭りデートで成就する。『寂しいだろ、ばか』から1年の時間経過があるので、ひなたがお祭りで涙ぐむくらいうれしい気持ちが真っすぐ伝わってきて、ひなたと五十嵐の幸せの絶頂を味わえるシーンになったと思います」と明かしている。今はラブラブな2人の、今後の運命に注目したい。

 「カムカムエヴリバディ」は、朝ドラ史上初の3人のヒロインが織りなす100年のファミリーストーリーで、昭和、平成、令和の時代に、ラジオ英語講座と共に歩んだ祖母、母、娘の3世代親子を描く。上白石さんは祖母の安子役、深津さんは母のるい役、川栄さんは娘のひなた役として、バトンをつなぐ。

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