ニッポン放送の人気ラジオ番組「オールナイトニッポン」55周年記念公演「あの夜を覚えてる」に出演する女優の鳴海唯さん。鳴海さんといえば、昨年6月に横浜スタジアム(横浜市中区)で行われたプロ野球の始球式で、ボールを忘れてマウンドに上がるという“天然ぶり”でも注目を集めた期待の若手女優の一人だ。2019年度前期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「なつぞら」での朝ドラデビュー後も、企業CMへの起用や映画主演など、キャリアアップを続ける鳴海さんに、ここまでの女優としての歩みを振り返ってもらった。
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鳴海さんは1998年5月16日生まれ、兵庫県出身の23歳。2018年に女優として活動を開始し、翌年の「なつぞら」で、主人公・奥原なつ(広瀬すずさん)が育てられた柴田家の次女・明美を演じたことが話題となった。特撮ドラマ「仮面ライダーゼロワン」のVシネマ「ゼロワン Others 仮面ライダー滅亡迅雷」(2021年)にも、兵士型ヒューマギア・ソルド20役で出演し、2021年12月公開の映画「偽りのないhappy end」では、主演を務めた。
最初に大きな注目を集めた「なつぞら」以降の活動について、「コロナになってからお仕事が止まったり、激減したりもあって、そういった意味では苦労した時期でもあったのかなと思います」と振り返る鳴海さん。
その一方で、「このお仕事を始めてからトータルで考えると、一つひとつの出会いが、今置かれている状況につながっていることがすごく多かったり、『あの出会いがなければ、この仕事はなかった』というのが多いのもまた事実で、本当に感謝しないといけないなって思うことはたくさんあります」と告白。「どんなに少ない時間、ちょっとした出会いだったとしても、どんな大きな仕事につながるか分からないですし、過去にそういったことが実際にあったので、一期一会じゃないですけど、一つひとつの出会いを大切にしなくてはいけないって、今、振り返って改めて感じていることではあります」と続ける。
今はテレビで放送されている求人情報サイト「レバテック」CMも、最初はウェブからのスタートだったといい、話題となった始球式をきっかけに、仕事のオファーが舞い込んだことも。「始球式が終わった後、公式のカードを作ってくださったり、バラエティー番組に呼んでくださったり、それこそこの間、お仕事をご一緒させていただいた方に『鳴海さんにお仕事をオファーした決定打はあの始球式です』と言われて、『すごく天然な印象が見受けられて、明るくやっていただけると思った』という話をされて、あ~、つながっているんだなって思いました」としみじみと話す。
それこそ当時は「本当に(恥ずかしさで)『消えてなくなりたい』と思ったのが、率直な、その時の心境なのですが……」と苦笑いを浮かべる鳴海さんは、「自分では消えていなくなりたいと思って、今でも後悔しているような出来事でも、それをプラスに捉えてくださる方がいる。それが今のお仕事につながっているって、本当に何があるか分からない世界ですし、こういったハプニングも反省はしつつ、ポジティプに捉えていけたらなって」と前向きに語った。
女優として、デビューしてから約3年が経過したが、作品に臨むにあたっては「あまり気持ちの変化はない」という。
「常に目の前にある作品と向き合うというのは変わらないですし、自分が出演した作品を見てくださった方が、その作品を忘れられなくて、その作品があったからこそ、今はこういったことできているとか、見てくださった方の人生に入り込めるような作品を作っていきたい、そういった作品作りに携わっていきたいという思いは、今も昔も変わらず、持ち続けているものではあります」と明かす。
今回、出演する「あの夜を覚えてる」は配信型の演劇作品で、タレントのマネジャー役も含めて、鳴海さんにとって新たな領域への挑戦となるが、「映画、ドラマ、舞台といろいろな形のお芝居があると思うですが、『これだ!』と一つに決めつけず、さまざまなジャンルで自分を試してみたいです」と臆することはないという。
その上で「お芝居をずっとしていたいという思いがあるので、引き続き、新しい体験を積み重ねながら、常に役者としてアップデートしていくのが、今後の目標です」と力を込めた。