名探偵コナン
#1146「汽笛の聞こえる古書店4」
12月21日(土)放送分
あfろさんのマンガが原作のアニメ「ゆるキャン△」シリーズの最新作「映画『ゆるキャン△』」(京極義昭監督)が、7月1日に公開される。「ゆるキャン△」は、女子高生たちがキャンプをしたり、日常生活を送ったりする様子を緩やかに描いたアニメ。「映画『ゆるキャン△』」は、大人になった各務原なでしこ、志摩リンらが再集結し、キャンプ場を作ることになる。なでしこ役の花守ゆみりさん、リン役の東山奈央さんに「映画」の収録、見どころを聞いた。
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花守さん まず、働いていることにびっくりしました。彼女たちの高校生の日常にちりばめられていたものが、今の職業にもつながっているんです。なでしこは、やっぱりキャンプが大好きで、キャンプギアを販売する仕事をしていて、彼女の個性でもある人の顔をちゃんと見てお話しできるところが、仕事にも生きています。彼女らしい職業に就けていると感じました。ちゃんとシュラフを干せる場所で一人暮らしをしているんです。やっぱり、なでしこはキャンプが大好きなんですね。そういう細かいところが描かれているのがうれしかったです。
東山さん 私たちの知らない彼女たちの数年間がありますが、みんなが社会人として頑張っている姿を見て、それぞれが“らしく”生きてきたから、今があるんだなあ……という歩みを感じました。最初は、知らない人みたいになっちゃっていたら……とちょっと緊張してたんです。でも、その不安は一瞬でなくなりました。みんな変わっていなくて、大好きなみんながここにいる! みんなとの再会がすごくうれしかったです。変わらない部分がありながら、しばらく会っていないうちにそんなことがあったんだね!と社会人としての新たな一面もたくさん見えてきて、会話の中で、みんなのこれまでの歩みをちょっとずつ知っていき、同窓会で再会したような気持ちになりました。いつの間にか「ゆるキャン△」のキャラクターたちは、私にとって良き友人になっていたんです。そんな気持ちにもなれるような再会でした。
花守さん 彼女たちが働いている姿を見て、時が過ぎたんだ……と衝撃を受けたのですが、彼女たちが一堂に会すると、高校生の時と変わらない表情を見せてくれるんです。結局、どこにいても、何年たっても、みんなが集まると、あの頃の気持ちに戻れるんだろう……と“らしさ”を感じました。でも、時々、会話の中に、今まさに悩んでること、壁に当たってることも見えてきて、今できること、できないこと、昔できたこと、できなかったこともあって、私たちの知らない彼女たちを知ることもできました。
東山さん 最初は、そうなんだ!?とも思ったけど、見れば見るほど納得しますよね。リンは、ソロキャンパーとして、行動力があり、一人で何でもできちゃうところもありました。キャンプを仕事にせずに、出版の仕事に就いているけど、よく考えてみれば、キャンプの時にも、古代文明とか変な本をいっぱい持ってきていましたよね。それ、どういうチョイス!?みたいな(笑い)。バイト先も書店で、本が好きでしたし、すごく納得しました。今、編集部にいますが、その前には営業部にいたことも語られていて、営業にいたことに驚く人、納得する人に分かれるかもしれません。私はなるほどな!と思ったんです。リンは、寡黙な印象もありますが、コミュニケーションが苦手なわけではなく、できるけどやらないだけで、自分一人で楽しめるタイプの女の子ですし、営業になったとしても、人とのコミュニケーションに萎縮せず、フラットに相手とお話ができるとも思います。営業に向いているかも!と納得したんです。私自身もずっと、彼女はいわゆる“人見知り”ではないと思いながら、演じていましたし。
花守さん 彼女たちが話す内容も高校生の時と違う現実に直面しています。今だからこそ出てくる言葉を紡いでいるので、その言葉を受け取っていただければ、彼女たちが歩んできた時間を感じていただけると思います。変えるというよりも、そこを意識していました。「受け取ったものをそのまま出していいよ」というお話もあり、任せていただきました。
東山さん みんなが社会人としてしっかり働いていて、社会人らしいちゃんとした言葉遣いをしているので、彼女たちの時の流れを自然と感じていただけるはずです。そういうシナリオでしたので、すごく安心して演じさせていただきました。それに、声音やしゃべり方をあえて変えようとしてしまうと、違和感になるとも思っていました。皆さんがテレビシリーズを何回も見てくださったり、親しんでくださっている中で、声のトーンを成長させすぎてしまうと、違和感になるかもしれません。10年ぶりに友達と再会しても、声はそんなに変わらなかったりしますしね。変えてしまうことの方が、自然ではないのかもしれません。もちろん、分かりやすく変化をつけることが必要な作品、シーンもありますが、「ゆるキャン△」に関しては、変えすぎないことが自然だと思いました。キャラクターの内面の成長を皆さんに感じていただきたいですね。
東山さん リンは仕事場で新しいキャラクターと会話するので、今までなでしこたちと話していたのとは、違う一面も引き出されます。でも、いつものメンバーが集まると、久しぶりー!と高校生の時に戻るんですね。私たちもキャラクターと同じ気持ちになっていました。
花守さん 後半のリンちゃんとなでしこの会話が大好きなんです。リンちゃんが今、置かれてる状況で悩んでいる感情を吐露するシーンなのですが、それに対するなでしこの答えが、自分自身も今まさに感じていることだったんです。気持ちがシンクロしました。人は一人で生きていけない!とすごく感じました。今、自分は何ができるのか?を考えるという映画のテーマが詰まっているように感じました。
東山さん いろいろな見方ができますよね。リンの職場のシーンも印象的です。私も新人時代に、たくさんの方に助けられました。きっと私の知らないところでも助けていただいていたんだと思います。映画では、リンの先輩の刈谷さんという新しいキャラクターが出てくるのですが、すごくいい上司なんです。私もこうやって助けられていたんだろうな……と。私にも後輩ができて、見守る立場に徐々になりつつありますが、今回のリンのように「これがやりたい!」と輝いている人を見ていると、何よりも尊いものだと感じます。先輩としての自分、後輩として自分、それぞれに共感できるポイントがあったと思います。
花守さん いっぱいあるんです……! メニューをお楽しみに! 見終わったら食べたくなるものがあるはずです。
東山さん スタッフさんたちが実際に作ってみた料理の写真が資料に載っていて、私たちも飯テロを食らいました。「今日のアフレコのお昼は、この料理の中から出てくるのかな?」と言ってみたり(笑い)。収録の時は、お肉の高級弁当というご褒美をいただき、私たちもしっかりエネルギーチャージしてお芝居することができました。
花守さん 現場に行くと、奈央さんをはじめとした先輩がいて、甘えちゃうんです。表情が緩くなって、大丈夫だ!という安心感があるんです。
東山さん ゆみりは、台本と向き合い、ギリギリまで突き詰めていて、そこが格好いいんです。頑張っている背中を見せてくれるタイプの座長です。でも話数が進むにつれて、みんなとの時間を楽しんでいて、いつもニコニコしています。
花守さん 特別な作品です。ホーム、実家のようなんです。
東山さん 私も実家のようですね。癒やしでもあります。「ゆるキャン△」は見ていて癒やされますし、演じていても癒やされるんです。リンは、息遣いが繊細なので、ちょっとしたさじ加減で、感情の聞こえ方が変わってしまいます。自分がこうやろう!と思っていても、出た音がちょっと違うこともあって。
花守さん 針の穴を通すような……。
東山さん 長く演じていても、すごく難しいんです。だけど、いつでも感情の流れが自然で、感情移入でき、五感が刺激され、気持ちがリフレッシュされていくところもあります。
就職して環境が変わっても、変わらないものもある。「映画『ゆるキャン△』」は“実家”のような安心感がありつつ、変化も感じられる作品になっているようだ。
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