がんのイメージング剤として開発中の「NMK89」、 米国FDAが臨床試験実施申請を受理

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セラノスティクスの診断用として臨床試験開始へ

2022年10月25日

日本メジフィジックス株式会社

日本メジフィジックス株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役社長:田村伸彦)は、セラノスティクスの診断用であり、がんのイメージング剤として開発中の「NMK89(開発コード)」の米国における第Ⅰ相臨床試験(ヒトへの初めての投与)を実施するための臨床試験実施申請(IND申請)が、米国食品医薬品局(FDA)に受理され、臨床試験開始が可能になったことが通知されましたので、お知らせいたします。

NMK89は、抗MUC5AC*1ヒト化抗体に診断用放射性核種のジルコニウム-89を標識したRI*2-複合体で、MAC5AC発現がんのイメージング剤として当社と住友ファーマ株式会社にて非臨床研究を進めてきたものです。MUC5ACは、膵がんを始め、肝臓がん、大腸がん、胃がん、肺がん等で高発現することが報告されており、非臨床試験においてNMK89がMUC5ACを発現した細胞株を移植した腫瘍に集積することを確認しております。

当社は、核医学におけるセラノスティクス(治療と診断の融合)*3の実現を目指して、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)に採択された研究課題*4を推進しており、その研究課題の一つとしてNMK89の開発を行っております。

今後、当社は米国においてNMK89の第Ⅰ相臨床試験を開始いたします。また、世界で注目されているセラノスティクスの早期実現に向けて、得られたNMK89の第Ⅰ相臨床試験情報を最大限に活用した治療薬の速やかな臨床試験開始を目指してまいります。

*1:ムチンサブタイプ5AC。動物の上皮細胞などから分泌される粘液の主成分であるムチンの一種。正常組織では胃や気管において発現しているが、膵がん等複数のがんで高発現することが報告されている

*2:ラジオアイソトープ(放射性同位元素)。放出する放射線が治療や診断に使用される

*3:治療(Therapeutics)と診断(Diagnostics)を融合した造語。薬物が標的とするタンパク質に到達するかをあらかじめRIイメージング剤による診断により確認した後に、放射性核種を治療用核種に変えて治療を行う概念。これにより、治療と診断がより密接に関連することになるため、個別化医療や医療費の有効活用への貢献が期待される

*4:AMED の平成 29 年度「医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)」(第2回)に研究課題「セラノスティクス概念を具現化するための創薬拠点整備を伴う、抗体等標識治療薬(アルファ線)とコンパニオン診断薬の開発」が採択された

日本メジフィジックス株式会社について

日本メジフィジックスは、日本における放射性医薬品のリーディングカンパニーとして、製品の安定供給と研究開発に日々取り組んでいます。さらに、これまでに培った技術力と信頼をベースに、患者さん一人ひとりに最適な医療を提供する新しい医療技術「セラノスティクス(治療と診断の融合)」の研究開発や、ライセンス供与などを通じたアジア諸国での核医学の普及に取り組んでいます。そして、これからも生命関連企業としての価値創造を継続し、社会に貢献してまいります。

Webサイト: https://www.nmp.co.jp/

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