加隈亜衣:「プリキュア」への思い キュアプリズムもラビリンも「みんなヒーロー」

「ひろがるスカイ!プリキュア」の一場面(C)ABC-A・東映アニメーション
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「ひろがるスカイ!プリキュア」の一場面(C)ABC-A・東映アニメーション

 人気アニメ「プリキュア」(ABCテレビ・テレビ朝日系)シリーズの第20弾「ひろがるスカイ!プリキュア(ひろプリ)」で、キュアプリズム/虹ヶ丘ましろの声優を務める加隈亜衣さん。加隈さんは、2020~21年に放送されたシリーズの第17弾「ヒーリングっど プリキュア(ヒープリ)」でヒーリングアニマルのラビリンを演じた経験がある。加隈さんに「プリキュア」への思いを聞いた。

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 ◇ラビリンの視点で見てきたプリキュア

 「ひろがるスカイ!プリキュア」のモチーフは果てしなく広がる「空」で、テーマは「ヒーロー」、キーワードは「知ることで広がる世界」。天空の世界・スカイランドと自然に囲まれたソラシド市の二つの都市を舞台に、プリキュアの活躍を描く。関根明良さんがソラ・ハレワタール/キュアスカイ、古賀葵さんがスカイランドの幼いプリンセス・エルを演じる。ABCテレビ・テレビ朝日系で毎週日曜午前8時半から放送中。

 「プリキュア」は20周年を迎える人気シリーズだ。第20弾は、村瀬歩さんが演じる男の子プリキュア”のキュアウィング、七瀬彩夏さんが演じる“新成人プリキュア”のキュアバタフライが登場することも発表されており、さまざまなチャレンジがある作品になっている。

 「『面白い!』という反響をいただいて『でしょ!』となっています(笑い)。プリキュアのグッズを売っているお店で、お子さんがグッズを持っているのを見たり、お母さんとの『どれにする?』というやり取りを見ていると、自分の子供の頃を思い出します。子供の頃、オモチャやグッズを買ってもらった思い出って自分の中でも輝いていますし、一生の宝です。私も子供の頃に夢中になって遊んでた思い出があるから『買ってあげて!』と子供の味方になっちゃいます」

 「プリキュア」は、子供の憧れであり、特別な存在だ。「ヒープリ」に出演経験がある加隈さんにとっても特別な存在になっている。「プリキュア」のオーディションに再び参加できることになった時は喜びが大きかった。

 「オーディションの時、お話をいただいたこと自体がうれしかったです。ラビリンを演じる中で、パートナーとしてプリキュアを見てきて、格好よさを感じていましたが、プリキュアから見える視点はまた違うのかな?とも思っていました。強い憧れもありました。『ヒープリ』でプリキュアに関われた一年はすごく幸せでしたし、プリキュアになる想像をしていませんでした。一度参加したら、二度と関われないというわけではないとは思うのですが、また参加できるかもしれないという夢をいただけたことがうれしかったです」

 確かに過去に「プリキュア」に出演したことがある声優は、二度と出演できないというルールはない。ただ、異例であることは間違いない。

 「ラビリンの視点でプリキュアの世界を見た一年がすごく幸せで、素晴らしい作品だったので、それで満足してはいたのですが、いざプリキュアになれて、やっぱり興奮しました。『ラビリンからプリキュアに昇格したね』という言葉をいただくこともありましたが、自分の中でそれは違うとも感じています。『ひろプリ』はヒーローをテーマにした作品ですし、どのキャラクターだってきっと誰かにとってのヒーローなはずです。パートナー、妖精だって、親や友達もみんなヒーローです。ラビリンもペギタンもニャトランもラテ様もみんなヒーローです。『ひろプリ』に関われたことがうれしいんです」

 ◇「優しい」を改めて考える

 加隈さんが演じるましろは、優しく思いやりのあるソラシド市の中学2年生で、キュアプリズムに変身する。

 「優しさで輝いていて、優しさ全振り!というイメージだったんですけど、それだけではなく、ツッコむこともありますし、ちょっと抜けたところもあったりして、人間として魅力的なんです。何て言ったらいいんだろう? 尊い!?」

 ましろが「自分には特技がない」「将来の夢がない」と悩むシーンもあった。加隈さんは、出演が決まった際、ましろについて「彼女の悩みが似てるところがある」とコメントを寄せていた。

 「私自身も自分に個性がないとずっと思っていて、周りの人に気を使っていて『会社員経験があるからだね』『優しいね』と言っていただくこともあるのですが、何も個性や特技がないから『優しい』と言っていただいているのかな?と感じたことがありました。私は、誰かに憧れられるような人じゃないですし、ましろちゃんの悩みに共感するところがありました。ただ、ましろちゃんはすごいんです。ましろちゃんを見ていると『優しい』と言ってもらえるのは『周りの人が優しいから』だと気付けました。素直にそう思わせてくれるのも彼女の魅力なんです。ましろちゃんと出会って『優しい』の解釈が変わりました」

 加隈さんは、ましろを演じる中で、キャラクターとシンクロしながら、「優しさ」について改めて考えることになった。ましろは劇中で、ソラから大きな影響を受ける。

 「ましろちゃんは、ソラちゃんと出会ったことで、自分に足りないことがあると思っちゃったり、いろいろなことに気付きます。出会わなかったら彼女の人生はまた違ったんだと思います。ただ、ましろちゃんは全然すごいんですけどね。料理もできるし、山菜の知識が豊富だったり、スペックが全然高いんです。周りが特別になってしまったことで、気付いたんだと思います」

 ◇“ソラ”関根明良とのコンビネーション

 関根さんが演じるソラは、運動神経抜群のスカイランドの女の子。幼い頃、ピンチから救ってくれた憧れの人のようなヒーローを目指している。加隈さんは、関根さんについて「ソラちゃんそのまま」と話す。

 「真っすぐで、パワーがすごくて、ソラちゃんそのままです。普段はおしとやか、清らかなイメージですが、あいさつの時の声の大きさと、お辞儀の角度など丁寧なところが、ソラちゃんなんですね。キャラクターっぽいものを探してプレゼントをしてくれたり、自分で描いたキャラクターの絵を渡したりしてくれることもあります。本当に真っすぐです」

 ソラとましろは共に個性的だが、個性が異なる。そんな「ふたりはプリキュア」だから生まれるコンビネーションがある。加隈さんとソラ役の関根さんとのコンビネーションも気になるところだ。

 「主人公ですし、最初はすごく緊張しているようでしたので、それはもったいない!と思って、私からも積極的にしゃべっていました。『ましろさんみたい!』と言っていただいて『違うよ』となったり(笑い)。楽しい収録になるようにしようとしていますが、自分もキャッキャして楽しんでいて、毎回、あっという間に収録が終わります。キャスト同士でずっとプリキュアの話をしているのもこの作品の特徴です。次の台本を見ながら、こうなるんだ!と盛り上がってたり、エルちゃんが大人になったらどうするのかな?と想像したりしています。私たちは“エルちゃん守り隊”なので(笑い)」

 キュアウィング、キュアバタフライも加わり、さらにどんな化学反応が起きるのだろうか? ましろのさらなる成長、今後の展開にも注目したい。


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