「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載中の甲本一さんのファンタジーマンガが原作のテレビアニメ「マッシュル-MASHLE-」で、主人公のマッシュ・バーンデッドと寮で相部屋のフィン・エイムズを演じる川島零士さん。フィンはマッシュにとって初めての友人で、天然ボケのマッシュに激しくツッコミを入れる。コミカルな会話劇が魅力の一つの同作で、重要なキャラクターだ。フィンを演じるためにツッコミを研究したという川島さんに収録の裏側を聞いた。
ウナギノボリ
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「マッシュル」は、2020年1月に「週刊少年ジャンプ」で連載を開始した。魔法界を舞台に、魔法が使えない少年、マッシュ・バーンデッドが魔法学校に入学し、鍛え抜かれた筋肉の力でトップを目指す……というストーリー。小林千晃さんがマッシュを演じるほか、石川界人さん、江口拓也さん、上田麗奈さんらが出演する。4月7日からTOKYO MXほかで放送される。
川島さんは、原作を読んだ印象を「気付いたらずっと読んでいました。テンポ感がすごくよくて止まらないんですよね。子供の頃からお父さんが買ってきた『ジャンプ』を読んでいましたが、その時の感覚がよみがえるように、ページをめくっていました」と話す。
オーディションではマッシュ、フィンを受けたが、しっくりきたのはフィンだったという。
「自分の性格的にも声質にもやりやすかったのがフィンだったんです。『ひー!』と言ったり、感情を出すのが演じやすかったところがありました。ほかの作品では声が裏返らないように気をつけることが多いのですが、フィンは臆病なので、声が裏返った方が面白いかもしれない?とも感じていました。やり過ぎてもいけないんですけど、フィンの弱々しいところが出るのかな?と気張らずに演じようとしたんです」
フィンは臆病だが、芯があるキャラクターだ。可愛いところもあって、ヒロインのようにも見えるところもあり、川島さんは「確かに(笑い)」とうなずく。
「レモンちゃんはいるけど、立ち位置が特殊ですよね。宙に浮いてるようなところがあって(笑い)。(ドット・バレット役の)江口さんに『フィンの可愛いところがいいよね』と言っていただいたことがあるのですが、確かに守りたくなるところがあるのかもしれません。愛されるキャラクターにするためにはどうすればいいのか?とも考えています。ツッコむシーンは汚い音も出そうとしていて、バランスを取るために、日常のシーンは可愛げのあるところが出ているのかもしれません」
フィンのツッコミがあるからマッシュが魅力的に見える。フィンのツッコミが重要になってくるが、川島さんは、ツッコミ役が初めてだったという。
「コメディー、ツッコミも初めてでした。何ができるかな? そもそもツッコミとは何か?を考えて、お笑いの作家さんが書いている話し方の本を読んだのですが、そこにツッコミの極意が書いてあって、すごく面白かったんです。日常生活の中で違和感を生むことがボケで、例えば、スーツを着たサラリーマンばかりの電車で、七色の服を着ている人がいたら、違和感が生まれます。ツッコミはそれを見つけて、指摘する人。見ている人が違和感を感じたタイミングで、みんなが思っていることを言うと、そうそう!となります。確かにそうなんですね」
フィン以外のキャラクターがツッコミ役になることもあるし、マッシュがツッコむこともある。
「『マッシュル』の現場でご一緒している先輩方は百戦錬磨ですし、僕ができるツッコミは何か?と模索しています。フィンは小市民的なキャラクターですし、等身大、かつ全力でぶつかっていく。そして、キレイすぎずに、必死でツッコむことを意識しています……! ツッコミは深いですね。先輩のツッコミを聞いたり、家でお笑い芸人さんの映像をずっと流しっぱなしにしたり、日々勉強しています」
川島さんは、フィンを演じるために研究を重ね「演技のことを勉強するのはもちろん楽しいですし苦にならないですしね。先輩方の足を引っ張らないようしっかり準備して毎話挑んでます……!」と真摯(しんし)に役に向き合っている。
川島さんの演技によって、フィンはより愛されるキャラクターになるはずだ。
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